娘の住む札幌に行く日が、押し迫った数日前に、娘から連絡が来た。
娘の使っているiPhoneの充電が出来なくなり、買い替えを考えていたのだが、娘はまた19歳の為、親がいないと、機種の変更が出来ないということなのだ。
そこで、昼からの予定は全部キャンセル。
娘の授業が終わった後は、昼の食事、そして、携帯会社に行くこととなった。
5日、出発日、当日。会社を終えたオヤジは、近間の24時間の定食屋で夕食を終え、今夜宿泊する旭川に向けて、S2000を走らせた。
途中、公道をとんでもないスピードで走り去る車を横目に、オヤジはS2000をのんびりのんびり走らせた。
真夜中の今時期、何処にパトカーが潜んでいるかわからないからだ。
自宅からなら遠軽経由の高速のバイパスに乗るのだが、今日は職場は北見の為、旭川に1時間ほど近いので、石北峠を越えていく。
通常、旭川にはオヤジの家からは、車で4時間を切る距離なのだが、試しに石北峠から旭川に向かうと、なんと2時間10分ぐらいで着いてしまった。
先に職場まで1時間ぐらいかかる為、実質、3時間10分ぐらいで走れることとなる。
しかし・・・・・真夜中の石北峠は実に怖い。
たった一人で走っていると、何かが出てきそうで怖い為、ひたすら無心でハンドルを切る。
こうして、今日の宿泊先のホテルに到着。
駐車所付きというので、何となくわかったオヤジである。
このホテルは元はモーテル。しかし、経営がうまくいかなくなったので、ビジネスホテルに替えたのだと思う。
まあ、駐車場付きは大きな魅力である。
激安、ビジネスホテルの場合は、大抵は駐車場は無い為、宿泊代のほかに1,000円位駐車場代がかかるのだ。
という事で11時30分には宿泊先に到着。
フロントにはきれいなオネーサンがいて、この人に宿泊代を支払う。
このホテルは宿泊代は前金制度なのだ。
中に入ると、やはり元はモーテルであった。
まあ、ベットは広いし、お風呂も広い。さらに朝食も出るため、オヤジ的には全然問題ないのである。
こうして、暑い風呂に入り、疲れをいやしたオヤジは広いベットで悠々寝るのであった。
翌、朝4時に起きる。
旭川の朝は冷たい雨であった。
今日はオヤジ一人の為、読みかけの本を読んだり、またまたお風呂に入って、のんびりと朝食が出来る6時30分まで待っている。
朝食が6時30分なのはうれしい。
朝食を食べた後でも、7時頃には出発が出来る。
1日の始まりは朝食から。という事で、しっかりと3人分ぐらいは食べているオヤジである。
7時過ぎにこのホテルから出発!!
多分、今まで泊まったどのホテルよりも安く、満足したホテルであった。
元はモーテルの為に、お風呂が広いのも良い。
7時過ぎなので、高速に乗ってしまうと1時間と少しで札幌に着くため、まだどこのお店もやっていないために、下道をのんびりと走る。
段々天気が良くなってきた。オープンにしたい気持ちになるが、ここはじっと我慢する。
実はオープンカーにすると、非常に疲れるのだ。
まずは、今みたいな快晴の時は暑い為に、ホロを付けてエアコンを効かせたほうが楽である。
また、オープンにすると、明るすぎるために、サングラスをかけないと、目が疲れてしまうのだ。
オヤジのように、1日数百キロを走り続ける人間は、なるべく疲れない走り方をしないといけない。
その為、オープンカーは実に不要な車なのだ。
札幌に近づいてきたときに、オヤジは急遽予定を変更。
明日行くチューニングショップと、カーパーツ屋さんを、今日の午前中に行くこととした。
約3時間後の10時ごろに札幌のチューニオング屋さんに到着。
ネットによると、ここでS2000のパーツが売っているのらしいが・・・・・
ここの社長に聞くと、受注生産の為、実物は存在しないのだ。
ということで、ここでの滞在時間はわずか5分。
奥の白い〇の中には一見、レーシングカーのような、すんごいスカイラインRSのチューンドカーがあるのだが、お客さんの車の為、写真はとってもいいが、画像のUPはやめてください。という事で、画像はだせません。
非常にオヤジにとっては、夢のようなショップさんでした。
次に近くにあるモエレ沼公園によってみる。
このガラスの建物まで行くのに、車から降りて30分ぐらい歩かないといけない為、さっさと止めて引き返す。
帰り際にすんごい車を発見!!
慌てて写真を撮ったのだが、たちまちのうちに去っていった。
ここで問題です!!
この矢印の車はなんという車でしょ??
正解者にはもれなく、オヤジの熱い口づけを・・・・・
(オエッ!!誰もいらんわ!!そんなプレゼント!!)
だけど、この車を正解できる人は、凄いマニアだと思います。
ヒントは映画に出て、有名になった車です。
その後、車のパーツ屋さんを2件巡って娘の住んでいる街をブラブラしていたら、娘から学校が終わったとの連絡が入る。
約1時ごろに娘と合流。
携帯屋さんには3時に行くことに予約しているため、まずは昼食ということで、大きな店のレストランへ入る。
さっさと昼食を食べるという事で、娘の希望のオムライスを注文。
800円であるが、実に美味しかった。
デミグラスソースがついて、玉子も単なる薄焼き卵ではなく、フワトロ状態である。
やはり札幌は値段も高いが、味も良い店ばかりである。
食事を終えて、少しブラブラしたら、約束の3時になったので、携帯のショップさんへいく。
契約者がオヤジの為、やはりオヤジがいたので、契約が簡単に進んだ。
ちなみに、オヤジがいなかった場合は、オヤジの携帯に電話をかけて、間違いなく親である。という確認を取りながら契約を行うそうだ。
それはそうだろう。娘のiPhoneを機種変更するために、わざわざ網走から札幌まで片道6時間近くもかけて来る親なんかどこにもいないであろう。
驚いたのはデーターの移行。
今のスマホに交換した時は、ラインの設定は娘さんにやってもらってください。ということで、まったく手付かずの為、今度、新しく機種変更をするときは、ラインの設定が出来ないために、どうしょうかな??と、悩んでいたのだが、このお店は、機種変更をした後に、若い女の人がやってきて、全部、娘のiPhoneの設定やデーターの移行、ラインの設定を行ってくれた。
ここで1時間ぐらいかかって、4時過ぎに店を出た。
ちなみに、娘は出たばかりのiPhone SEがあたり大喜び!!
携帯のショップさんを出たオヤジ達が次にすることは、まずは娘の食材確保。
近くにスーパーに行き、お米や食材を買いまくる。
いくら近くても歩いて5分以上はかかる為、お米の購入を躊躇していたらしい。
娘の冷蔵庫に食材を詰め込み、次に行くのは、iPhone SEのケースを探すために、娘のお気に入りの韓国ショップ店に行く。
段々、札幌の街は更けていく。残念ながら、iPhonが新しすぎるために、対応するケースが無かった。
次に希望するスイーッの美味しい店に行ったが、残念ながら定休日。
ちなみに、何処かはわからなかったが、娘が調べたら、今日は定休日という事が分かったために、急遽中止。
ここらへんで7時ぐらいになりかなりお腹が減りだす。
ここで、娘の行きたがっていた本屋に行くか、すぐ食事にしょうか聞いたら、本屋に行きたいという事で、ここら辺では一番大きな書店。
江別の蔦屋へ向かう。
以前、娘と娘の友人を連れて行った場所である。
ここで、オヤジが思わず切れた事件が発生!!
暗闇で前が見えずらい街の中、左端を走っていたオヤジは左端にお客さん待ちをしているタクシーを発見!!
バックミラーで後方を確認後、(ホロの後窓はビニールのために、全然見えないのである。)そのタクシーを追い越し、また左側に入ろうとした時である。
平然と無灯火の自転車が、タクシーとオヤジの車の間をぬって走ってきたのだ。
いきなり左側に人影が見えたので、慌てて急ブレーキを踏むオヤジ。
いくらこちらが悪くなくても、自転車にひっかければ、こちらが悪いことになってしまう。
あまりにも自転車のマナーの悪さに、思わず切れかかったオヤジである。
真っ暗な街の中、3車線を猛スピードで飛ばす車の流れ。
いゃー-。もうこれは、いつどこで巻き添えをくらってもおかしくない状況ですねぇーー。
8時過ぎにようやく、目的地の江別の蔦屋に到着。
しばらく店内を探索する2人。
ここは本屋だけでなく、いろいろなお店がコラボしていて、しかも休憩場で座りながら立ち読みOKという事で、多くの人が8時過ぎているのにも関わらずに、くつろいでいた。
中にはここで宿題をしている学生さんもいた。
多分、オヤジもこんな本屋が近くにあれば、入り浸るだろうなぁーーー。
店内でコーヒーを飲んでいる人もいたし。
豪華な本屋を堪能したオヤジと娘は、いよいよ今夜のメインイベントの夕食を行う事とする。
娘は肉が食べたいという事で、焼肉屋を考えていたが、チキンなオヤジは夕食の予算が分からないと困るので、ここでも江別のバイキングに入る。一人2時間であるが、8時30分すぎていたため、10時で閉店であるか良いかという事を聞かれて、了解して入る。
値段は一人2,400円。
かなり高額であるが、まあ、居酒屋や焼肉屋さんにはいっても同じぐらいであろう。
ここで、まずはまずはお腹を満たすべく、黙々と食べる。
しばらくお腹を満たすことで集中して、いよいよひと段落ついたら、今日の本題に入る。
オヤジは娘に「おまえ、大丈夫か??元気でやっているか??」と、心配そうに聞く??
「うん。前々、大丈夫だよ。学校もバイトも楽しいし。」
オヤジはスマホのラインを見せながら「実はな、お前のこのラインの話したい事もあるから。という言葉に凄く心配して来たんだ。」
「もしかして、彼氏でも出来たんでないかと思っていたんだが。」と、オヤジは単刀直入に聞いてみた。
娘はオヤジの凄く心配そうな顔を見て、軽く笑いながら「冗談はよしてよ。お父さん。今は学校もバイトも凄く忙しいから、そんな彼氏なんか作っているヒマなんかないよ。」
「だってお前さぁ。前にモデルにスカウトされたって言っていたよな。」
「お前、亡くなったお母さんに似て、美人だろ。学校に行ったら、言い寄ってくる男の人は一人もいないのか??」
「実はねぇ。あのスカウトの話。同じ会社で別なスカウトマンから、もう1回来たんだよ。」
絶句するオヤジ・・・「その会社って本当に大丈夫な会社か??」
「後で調べたらきちんとした、大きな会社だったけども、今は勉強とバイトに忙しいから、丁重に断ったよ。」
実は娘は学校を卒業後、韓国に留学したいという夢がある。
その為の資金を貯めるためにもバイトも頑張っていたのだ。
この話を聞いたのは娘が高校生の頃。
当時、オヤジは多くの人が反対する中、すんなりとOKを出した。
「あの時、よくお父さんは留学の話を反対しなかったね。」と、娘は不思議そうに聞いてきた。
そこでオヤジは
「単に韓国のアイドルが好きで、韓国に行きたいというなら、もちろん大反対をしたよ。」
「お前が留学にかかる金額、どんな手続きをすれば良いのかを、全部一人で調べて、留学時の予定の行動まで考えていただろう。」
「そうなったら、もう反対するのは、親のエゴでしかない。お前の夢に応援をしてあげるしかないだろう。」
「で、お前が話したい事ってなんだったんだ。」
「うん。今までひとり暮らしをして、本当に自分はみんなから支えられて生きていたのが分かったって話したかったの。」
「本当にありがとう。お父さん。」
「うん。そうか。そうか。」オヤジはたった数ヶ月で、非常に成長した娘の姿を見て安心した。
「お父さんはな。お前にこれから、男の人が出来たり、同棲したとなってもかまわないと思っている。だけど、その男の人が原因で、大学を辞めたり、留学の夢を諦めたりはしないで欲しいと思っている。」
そう、本音を話した。
最後に娘はぽつりと言った。
「もしお母さんが生きていたら、私が留学したいと言ったら、どう思うかな??」
オヤジは少し間をおいて、「それは勿論、少しは驚くけど、お前が一人で決めたことだもの。大賛成してくれるはずだよ。」
「だから安心して、夢を追いかけな。」
その夜、札幌の街は、暑苦しい熱気に包まれていた。
オヤジは寝苦しいにもかかわらず、旅の疲れと、娘のしっかりした考えに安心したせいか、お風呂も入らずに布団に倒れていた。
いよいよ明日は、恐怖の長距離ランナーの始まりです。
明日の予定をすべて今日の午前中に終わらせて、明日は何をするのでしょう??