57!! | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

 今まで冬らしい冬では無かったのであるが、先日の大雪で一気に冬と化した北海道である。

 しかも路面はスーパーアイスバーン。

もう完全にスケートリンクと化して、本格的なスーパー4駆のパジェロ・ミニでさえ、真っ直ぐに走らないで、斜めにスライドしながら走っていきます。


そして、今朝、トイレに起きて、もう一眠りしょうと布団に入ると、何やら右腕にモゾモゾと暖かい気配が・・・・・

 ハッとして右腕を覗くと、ココが気持ちよさそうに、オヤジの右腕を枕にして寝ていました。

 普通は30分もすると、飽きてオヤジの布団から出て行きますが、今日は2時間ばかしオヤジはココと至福の時を過ごしました。



 さて、今日はオヤジの57歳の誕生日。


子供の頃は誕生日は嬉しい日であったが、今のオヤジにはどうでもいい、1日であった。

 そしていつもと変わらない日常を終えるはずであった。


 仕事を終えて家に帰った時である。

 まず、オヤジの机に誕生日のプレゼントが置かれてあった。

そして、オヤジへの感謝状のカード。








 この段階でウルッとしたオヤジであるが、早速、プレゼントとカードを仏壇のかみさんに捧げた。


 早々と夕食を終えたオヤジに、娘1号がすまなそうに、「ケーキを買いに行ったんだけども、残念ながら売ってなかったから、小さいやつで勘弁してね。」と、オヤジにバナナ・クレープを差し出してきた。


 まさかデザートが出ると思わなかったオヤジの元に、今度は2号が2階から降りてきて、家族全員で食卓でデザートを食べる事となった。


 あまりの嬉しさに「今日は運動したくないなぁーー。」と、思わずつぶやいた。


 食後の40分の運動よりも、家族団らんの時間がどれほど愛おしいか。


「今日ぐらいさぼっちゃいな。」と、悪魔のささやきを呟く娘2号。


楽しいひと時も終わり「それじゃぁ、お休み。」と娘2号は2階の自分の部屋に戻って行った。

 それを合図にオヤジは心を鬼にして、40分の運動をおこなう為に自分の部屋に向かった。


 そして、いつものエァロバイクの座席の上には・・・・



 娘2号からの感謝の言葉の書かれていたカードが置いてあった。


娘2号は優等生タイプである。

 手のかかる1号とは違って、何でも自分で考えて決めて行動していた。

高校受験の時でさえ、一人で決めて申し込みをして、オヤジは事後承諾であった。


 そんな2号でも先月の頭に、オヤジは2号をおもいっきり叱りつけた事があった。

 多分、おそらく2号が生まれてから初めての事だったであろう。


 オヤジは相手が17歳だという事を忘れて、本気になって対等な人間と思って怒鳴った。


 それからだろうか?今までどことなく他人を拒否する感じだった2号であるが、最近は事あるごとに、オヤジ達の元に顔を出すようになってきた。


 手紙の中には残された短い時間の中、出来るだけ家族で一緒に楽しい思い出を作ろうね。と書かれていた。


 多分、2号は2号なりに高校を卒業後、自分で早く一人立ちしようという意思の表れであろうか??


 そんな娘の手紙を読みながら、オヤジはいつまでもいつまでも泣いていた。



 娘2号作。

なまけもののぬいぐるみだそうだ。


何だかほんわかして、見ていて心が和みます。