爆走!!600キロ!!幻のインテグラ・タイプRを追え!! | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

 昔、たった1杯のコーヒーを飲む為に、600マイル(約1,000キロを走りきった漢(おとこ)達がいた。


 今でもその行為は「600マイルブレンド」と言われ、ライダー達の中では、半ば伝説化している。


 そして、今日、我が「クラブ・ミッドナイト」でもまた一つ、おバカな伝説を打ち上げた漢(おとこ)がいた。


 本日、11月22日。朝:6:00発。オヤジ家にて。

「で、今日はどこに行くんだ??K?」オヤジは友人Kの車に乗りこみ、行先を尋ねた。


「うん。札幌の目当ての車屋に行こうと思っている。」


「えっ??札幌???休みは今日しかないぞ??」

「しかも、今日は雪が降っているぞ??」と、オヤジは聞き返した。


 オヤジの言う事はもっともな事であった。ここから札幌までは距離で約300キロ。


 単純に計算すれば、往復600キロ。時間にして約10時間以上走らないといけないのだ。

 更に高速代で約1万円近く。ガソリン代もそのぐらいかかるから、単純に行って帰ってくるだけで、約2万円もかかってしまうぐらい果てしない遠い場所なのだ。

 しかも今時期は雪が降り始めた時期なので、運転の疲れ方は夏の数倍は疲れる行為である。


「なあに、今から走れば、昼前には着くさ。それからトンボ返りで帰ってきても、夜中には帰ってこれる。」


「で、札幌には何しに行ってくるんだ??」


「うん。以前、知っている車屋に、インテグラのタイプRがあると聞いたんだ。」


「で、俺は何をすれば良い??」


「何も。ただ、横にいてくれればいい。」

「横にいて俺が退屈しないようにしてくれれば良い。」

「ダメか??オヤジ!!」そう言った途端、オヤジはニャリ♪と笑い、


「ダメなもんか。俺達はミッドナイトだ!!ひたすらどこまでも走るクラブだ!!」


「今年最後のクラブ・ミッドナイトの走り納めだ!!」そう言いながら、オヤジと友人Kは札幌に向かった。



 14日は初雪を観測されたが、町の中では今年初めての初雪である。




路面はまだ雪は無いが、やはり初雪の為に、どの車もノロノロ運転である。






 今日の友人Kの足はスズキのソリオ。今回の為に半ば 強制的に息子さんから借りてきた車である。

 そのかわり、札幌で、息子さんの欲しいものを買ってくるという事で、商談が成立したようだ。



 

走り始めて、2時間後の8時ごろに、丸瀬布の道の駅でトイレタイム。



 ひたすら淡々と走る。道は雪道である。









時刻は9時:旭川に到着!!。ここからは有料道路である。





 旭川からは交通量が多いのであろうか??雪が全然無くなって、乾いた路面の為、非常に走りやすかった。





砂川でトイレタイム+ドリンクタイム。






ひたすら走る!!走る!!









時刻は午前11時:走り始めてから5時間。ようやく札幌に到着!!






 そこから更に30分ほど走り。ようやく目的地の、車屋さんに到着!!時間は約5時間30分かかった。




 一見、車屋さんとは思えないほどの会社であったが、ガレージの中に入ると・・・・



 ピンボケですまぬ。お目当てのインテグラ・タイプRである。







更に横には、ユーロ仕様のインテRが置かれていた。



 

これが幻のインテRのエンジン。96スペック。


 紅いエンジンヘッドにVTEICマークが輝いている。


 一般に96スペックが職人さんが組み上げたエンジンで、98スペックが量産型と言われている。


友人Kはこの幻の96スペックのインテグラ・タイプRを見に来るために、わざわざ6時間近くかけてここにやってきたのだ。


 友人Kの話によると、ここの車屋さんの社長は、元HONDAで働いていて、かなりの腕のいいメカニックで、NSXの開発にも関わりがあったそうだ。


 この車屋の社長は、友人Kとオヤジに、インテグラのタイプRのエンジン違いや、VTICエンジンや、iVITECの違いなどを詳しく教えてくれた。


 オヤジはシビックのタイプRのiVITECの方がレース用に開発されているエンジンだと思っていた。


 が、ここの社長に言わせると、iVITECエンジンは洗練されて面白みが失っているので、VTEICエンジンのほうが、荒々しさが残っていて、個人的にはVTEICエンジンの方が好きだと言っていた。


 色々聞く事約30分。お客さんがそろそろやってきたので、オヤジ達は退散する事とした。

「さあ、これからトンボ返りで帰ろうぜ!!」と、オヤジは友人Kに言うと、ここの社長は少し驚いて、

「まさか、ここに来るためだけに、札幌にやってきたのかい??」と少し驚いて聞いてきた。

オヤジと友人Kは、ニカッ!!と笑い、「もちろんです!!」と答えた。



 

 友人Kの息子さんから車を借りたお礼の為に、彼の欲しいものをここで購入。




更に札幌の街の中に入り、






 地下街を通って・・・・・・



街の外に出て・・・・・





あれっ???ここは以前、オヤジの娘2号が、韓国グッツを買ったお店である。




 そして、第2のお目当ての店に寄って、ここでも購入。


これで、札幌でのミッション、コンプリート♪♪後は帰るだけ。



 帰る前に昼食を、札幌の地下街で食べる。

これで心置きなく札幌から離れることが出来る。



 時刻は2時30分。札幌北口駅から出発!!







  おおっ!!流石は札幌!!道路の交差点のど真ん中に、信号待ちで行き遅れた車が停まっていた!!


 実に怖ぇーーーなぁーーー。



渋滞に巻き込まれながらも、何とか3時頃に高速に乗り。






 途中、トイレタイム!!



辺りは次第に闇とかしてきて、雪も吹雪き始めた。



とにかく走る!!







 

 時刻は6時。丸瀬布でトイレタイム。


そして、残すとこ後2時間。


こうして8時ごろ、時間にして出発してから約14時間。


 オヤジと友人Kはオヤジ家の前に無事帰宅した。


 帰り際に友人Kはオヤジに、「俺達っていい歳こいて、スポーッカー!スポーッカー!!って、いったい何やっているんだろうなーーー。」とつぶやいた。


「だって仕方がないだろう。俺達はいくつになっても、走る事を止められないんだ。」


「海の中を泳ぐ魚と一緒で、いつも走っていないと、酸欠を起こして生きていられない人間なんだよ。」と、独り言のように言うと、


「そうだな。その通りだな。俺達は海の中の魚だな。まるで、走りに憑りつかれた人間なんだな。」と、妙に納得して去っていった。