バトルスーツで出撃する!! | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車






 今朝、カタナで北見に走り、夕方子供達にせかされて、再び北見に言った矢先の事でした。(往復約100kmの道のりを1日2回も走る、オオ馬鹿オヤジであります。)イクメン・パパは辛いんだゾ!!


相変らず、ありえない場所での事故であります。

皆様方、お気をつけてください。




「オヤジ。今度自慢のバイクを見せてくれっ。」


事の起こりは、自分の会社の上司がそう言った言葉である。

「まあ、いずれは・・・・ハハハハ。」と、いっもは言葉を濁していたオヤジであるが、今回だけは少し違っていた。


 オヤジはバイクの運転は下手である。これは自他ともに認める事であり、悲しいかな、いくら自分に虚勢を張って、「自分は上手い!!」と周りに言っても、結局は自分の運転に返ってくることであるのだ。


 正直な話、いくら会社の上司にバイクを見せたくても、オヤジの働いている会社は北見という、結構、道東では交通量の多い所であった。(まあ、東京に住んでいる主(あるじ)さんから言えば、笑われそうな交通量であるが・・・・)


 その為、田舎道を走る上では、オヤジのようなド・下手ライダーでもそんなに人害はないが、そんなド・下手ライダーがいきなり交通量の多い道を走ったら、いい交通の迷惑どころか、下手したら交通事故の元になってしまうのだ。


 その為、自分の腕を知っているオヤジはなるべく交通量の多い道は避けて走っていたのである。


 そして、今日、何故だかオヤジは自分の会社の上司や同僚に、自慢のカタナを見せに行く気になっていた。


今日の日の為に、何回か行く道順のシュミレーションも行っていた。


 その結果、自分の会社に行くには少し遠回りになるが、普通道路よりも遅いと呼ばれる高速道路、改め北見バイパスを通ると、1回の右折を行うと、後は1回の左折だけで、ほぼ、会社に着くことが分かった。


「よし、やってやろうじゃない!!」


 日ごろ盆栽ライダーと名のっているオヤジを改め、カタナ乗りと呼ばれるためにも、いっちょう会社の同僚にオヤジの雄姿を見せてやろうと思い立ったのだ。


休日の今日、オヤジは朝5時に起きた。

しばし体力の温存の為に、目を閉じながら布団に入っている。そして、午前6時もう待ちきれなかった。


 早速、家の掃除を軽く一通り行う。気が付くともう7時過ぎていた。

「うわっ!!遅れる!!遅れる!!」


慌ててバトルスーツを着こむ。


 車なら鍵を持って車に乗り込むだけで良いのだが、バイクを乗るときはバトルスーツ。とオヤジは決めているのだ。

 

 このスーツの厄介な事は着込むだけで時間がえらくかかるのだ。


9時にみんなが集まるので、最低でも8時には出ないといけない。

オヤジはあわてて、バトルスーツを着こむと、カタナのチョークを引き、エンジンをかけた。


ズギュウルルル!!勢いよくセルは周り、その瞬間カタナのエンジンの息は吹き返した。


バゴーーーーンン!!


相変らずノーマルマフラーなのに、うるさい。


もう何年も着込んでいるバトルスーツなので、今日は何故だか軽く感じていた。


いつものようにそろそろと走り出す。


と、言う事で、行の道中は特別何も事件は無く、約1時間後に会社に到着!!


 左手ブラリのカタナ乗りを憶えてからは前回みたいに腕が痛くなることもなくなった。






 会社の前にて。


少し早く来すぎたオヤジは会社の裏口でみんながくるのを待っていた。


十数分後、ポッリ、ポツリと会社の同僚が集まりだしてきた。


「あれっ!!オヤジさん。今日は休みなのにどうしたんですか??」


驚く同僚。(それはそうだろう、休みなのに片道1時間もかけて、会社のくるのだから。)

「うん。今日はゴミ投げだろう。手伝いにきた。」


オヤジの会社は月に数回、たまった会社のゴミを業者の車に詰め込む為に、当日出社する人が集まるのだ。


オヤジの姿みて驚く上司。


「これが、オヤジの自慢のバイクか。」

「ええ。こいつが今回手に入れたカタナです。」


約、30分間ほど会社にいたオヤジは、ゴミ投げが終わると、

「それじゃーー。」と家に戻ったのだ。


その帰りの道中事件が起きた。


 来た道を引き返し、最初の大きな交差点を無事に渡り終え、バイパスに乗った矢先の事であった。


バイパスさえ乗れば、あとは交通量が少ないので、時間さえかければ何とか無事に家に着ける。


 交通量が多い所から少ない所に変わって、ホッとしたオヤジはバイパスという事もあって、いつもよりもスピードを上げていた。


トンネルを4つ越えた矢先の事であった。このトンネル先は暗い所から急に明るくなり、しかもバイパス合流地点があって、少し危険な場所であった。


 一般道は時に理解しがた人が走っている。


最初、何だかわからなかった。


 左側から軽自動車が合流してくるのだな。と思っていたら・・・・


その車はなんとオヤジの走行車線に車体を真横に向けていた。


「!!」


 瞬間的にその車はバイパスに合流するのではなく、反対車線に入ってUターンするつもりであるのがわかった。


オヤジは声も出せないで、全身から汗が噴き出した。


反射的に大排気量の割に大して効かないフロントとリァのブレーキをフル・ブレーキをかけた。



(諦めるな!!諦めるな!!最後まで諦めるな!!)



誰かがオヤジに向かって叫んでいた。



しかし、車速は落ちない。




どんどん近づいてくる軽自動車の横のボディ。




それでもオヤジはフルブレーキングを諦めなかった。




 そして、いよいよ衝突という矢先に、ようやく重たいカタナはスピードが落ち始め、オヤジは合流地点車線に逃げ込んだ。



 驚いた軽自動車は、あわてて反対車線に入り逃げて行った。



という事は全くなく、(ヘヘヘ。どうです。これがオヤジの妄想キリン編です。)


 もともと臆病なオヤジ。合流地点は危険が潜んでいると察知し、トンネルの出口付近からスピードを落としていた矢先に、バイパスの反対車線にUターンする軽自動車を見て、


「バカヤロウ!!お前!!免許持っているのか!!」


と、罵倒を浴びせながら、無い事も無かったように走り去っていったのだ。


 往復2時間のライティングは、バトルスーツの影響もあり、首が痛くなっていた。

(バトルスーツの肩のプロテクターがシンプソンのヘルメットに当たり、走行中はしっかりと後方を見れないのが原因なのだが・・・・)


気にしていた腕の痛みや背中の痛みは思ったよりも少なかった。


 

前の愛機レディ・ナイン(ビューエルXB9)の時は、カタナよりもはるかに軽く、取り回しも良かったのだが、いくら天気が良くても、何故か走りたい。という気が起きなかったことが良くあったし、乗った後は非常に疲れてソファーでダウンすることがあった。



 しかし、このカタナにしてからは、はるかに重く取り回しも悪いのだが、不思議と休日はテンションが上がっているバイクとなっている。

しかも疲れ方もビューエルよりもはるかに少ない感じである。

 多分、それはやはりカタナという事だからだろうか??


 オヤジにとってのこのカタナの存在は、やはり年齢を若返られる重要なアイテムなのだろうか??


非常に高い買い物であったが、やはりカタナ、買って良かったとしみじみと感じている今日この頃であった。










カタナ買って良かったねオヤジさん。







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