「まず、レディを海に着水させて下さい。そうすれば、我々●猿と呼ばれる、精鋭部隊が必ず彼女を救出させてみせます。」とS崎が重い口を開いた。
「却下!!そんな事をしたら、レディがキリンのフジツボまぶしのカタナのようになってしまう」とオヤジが反対を唱える。
「と、いうか、レディをガレージから出すだけなのに、なんで海まで運ぶんだ?」と、OYAZIは根本的疑問をS崎に投げかける。
「まず、もう一度、基本に戻ってどうやったら、レディがガレージから出るか、考えてみよう。」と、ここでおやじが初めて、まともな意見を出した。
オヤジが4日間の旅を終え、次なるミッションである、レディをガレージからの救出作戦の会議の一コマである。
8月21日。AM9:00
今日は残暑が厳しいザンショ!!
キャハハハ!!
今日もオヤジ・ギャグで始まるオヤジであった。外は気温31℃。もはやこれは残暑などとは言えない。完全に夏の盛り返しである。外に出るだけでオヤジの体は溶けだし、バターとなってしまうのだ。(おまえはチビクロ、サ●ボのトラか!!)夕方のニュースで全国的に今年一番の暑さ!!と放送されていた。
午前中はかみさんの用事足しにコキ使われ、昼からどうしょうか?と、予定を考えているオヤジである。
家の中でも30℃以上あり、今日は何もする気がおきない。
「旅行で疲れているから、今日は昼寝でもするか。」と、オヤジはそう考えたが、「うん。それもいいが、OYAZI的にはどうかな?」と、心の中のOYAZIが騒ぎ出す!!
「そろそろ、レディ復活!!という読者が騒ぎ出しているぞ!!」
「このまま、バックレるのも限界でないか?」
と、次から次にOYAZIが頭の中で騒ぎ出すので、オヤジはシブシブ外に出て、ガレージを見に行く。
相変わらず外は暑い。まるでサウナに入っているようだ。しかも暑さですぐにシャツは汗でベッタリとなり不快感がオヤジを襲う。
まず、ガレージの出口をよくよく調べてみる。外の段差はサッシよりも高い。
しかもサッシも床よりも高い為、どう考えてもバックでは一人で押すことはできない。
さらに致命的なのはこのブロックが2段積みで高いうえ、幅50cmぐらいの一本橋を2mもバックで戻さないといけない。
まず、外のブロックは後で考えるとして、サッシの自体の高さを下げることを考えた。
自分で取り付けたので、簡単に取り外しは出来る。30分ほどで外壁を外すことができた。
そして、床に着いていた太い木材をはずしサッシを直付けする。
これで、4cmは床から下がるはずだ。
(現在、外の温度計は37℃)
かみさんのメールでオヤジはヘナヘナとなる。
「もうヤメだ!!ヤメヤメ!!こんな暑い日に外での作業は体を壊す。」
と、オヤジはサジを投げだしふてくされて、ウッドデッキのイスに横になった。
ふと、横をみると、悲しげなレディの姿が・・・・・
「ゴメン。やはりおまえも、もう一度走りたいよな。」
ZX-14R。史上最速という称号を与えられ、ただ、誰よりも速く走るためだけに生まれてきたマシン。
こんなところに飾られている姿を、彼女の開発者達は見たくないであろう。
オヤジは再びドリルを手に持ち作業を開始した。
そして、蒸し暑い中、ようやくサッシを下げる事に成功したのであった。
床からはるか下に付けられたサッシ。これで段差は床のヘリの1cmぐらいである。
ついでに、体力の余った勢いで外の段差を取り外し、再度穴を掘り直す。
これで、先の見えない長い1本橋よりも、簡単に出し入れしやすいハズである。
見てくれはカッコ悪いが、何とか30cmのスロープの段差まで下げることができた。
これで、本当にファイナルなのか?
オヤジはガレージのスロープの完成後、感動もなく呆然と立ち尽くしていた。
あまりの暑さのため、体力を使い果たし、まだレディの出し入れのテストをしないで、速効で水風呂に入り、倒れるオヤジであった。
はたして、プロジェクト・レディは本当に完結したのであろうか?
史上最速と呼ばれた漆黒の悪魔が再び走り出す日は近いのか?