キリンに憧れて | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

 20代の頃、僕はバイクに乗っていた。バイクはカワサキZ400FX、中古であったが当時、大型2輪がバイク乗りにとって神様のような存在だった時に、一番大きくて存在感のあるバイクであった。

 最初はFXを乗り回すことでバイクの楽しみや怖さを覚え、バイクを一生の趣味にすると思いながら乗り続けていた。

 そんな中である雑誌に「キリン」というバイクマンガが1987年に連載された。今でもバイク乗りのバイブルとなっている中年のオヤジがカタナでポルシェを追い掛け回すあのバイクマンガである。

 当時、あいつとララバイやバリ伝が連載されており、空前のバイクブームであった。

 それと共に、キリンやあいつとララバイに影響され、いつかはバトルスーツを着てZⅡに乗りたいと思い、他のバイク乗りのように大型2輪の挑戦を行ったが・・・・・当然のように、半端な気持ちでは大型自動2輪の試験は難しく僕ははあえなく挫折し、大型バイクの憧れは手の届かない絶望感と同時にそのままバイク自体への興味を失ってしまい20代後半でバイクを乗ることを降りてしまった。

 そして・・・・・25年の歳月が流れ、僕も人並みに結婚、家や車を購入し普通の人生を歩んできた・・・・・