(Since 2020.8.24 from Ameba No.363)
今日はアキバエクスプレスつくばエクスプレス(TX)について投稿します。
TXは秋葉原から北東へ進んでつくばへ至る路線です。当初は国鉄が常磐線のバイパスとなる「常磐新線」として計画していましたが、建設段階でなぜかJR東日本が運営を行わない事となったため、建設主体の「首都圏新都市鉄道」がそのままTXの運営をする事になったそうです。路線データは次の通りです。
【基本データ】
【全体マップ】
車庫は交直デッドセクションのある守谷駅の北側にあり、全ての検査をここで行います。TXは他社路線の乗り入れがないので、車両搬入の際は途中のJRの駅まで運んだ後に陸送する形を取っています。
現行ルートは戦前に京成が計画していた筑波山までの構想路線に近い場所を通っています。また、一時は我孫子を経由するルートや半蔵門線と直通する話も出ておりました。
延伸構想
開業は2005年。開業当初から秋葉原~つくばで運行していますが、計画段階では東京駅を起点とする予定でした。
首都圏新都市鉄道の社長は東京駅延伸に関して「もう少し様子を見る」としていますが、東京以南ではTXをさらに臨海部へ延伸する「都心部・臨海地域地下鉄構想」が答申路線とされています。
小池都知事はこれに積極的な姿勢を見せており、現時点では2040年頃の完成を予定しています。完成後はTXへの接続を検討しているほか、羽田空港アクセス線(臨海部ルート)への言及もあるそうです。
TXは現状ではつくば駅を終点としておりますが、さらに東の土浦へ延伸する話があります。茨城県の大井川知事曰く土浦から先は茨城空港方面についても議論したいとの事です。
ただ、茨城県としては2050年までに開通すればいいといったスタンスなので、土浦延伸が実現する頃にはTX-1000系・2000系が車齢40年以上となって引退のタイミングと重なる……といったところでしょうか(笑)。
さらに、東京8号線計画(押上~野田市)が東京メトロ側で消極的である事から、これを一部流用して八潮~野田市の分岐線を建設する話も出ています。
車両
現有車両は次の通りとなっております。
【6両編成】
(直流車)
TX-1000系:14本
(交直流車)
TX-2000系:22本
TX-3000系:5本
- 開業前は2階建てのグリーン車を導入する話もあったらしい。
- 将来的には8両編成とする予定で、現有車両は8両化を前提とした設計となっている。
- 常磐線と同様に交直流電車を導入しているが、これは石岡にある気象庁の地磁気観測への影響が懸念され、全線での直流電化を断念した事による。
なお、8両化は現在のところ2030年前後になる見通しとなっており、ホーム延伸工事が各駅で順次実施されます。ただ、東急目黒線とかの例を見ると、コロナの影響があるとは言えもっと早く出来そうな気もするのですが…。
ダイヤ
基本的に秋葉原発着で、快速系は原則としてつくばまでの通し運転、普通は使用車両によって守谷止まりとつくば発着に分かれます。
【日中時間帯】
- 守谷を境に南が10本/時、北が6本/時。
- 本数はつくば発着の快速・区間快速・普通がそれぞれ2本ずつ設定されており、普通の4本が守谷止まりとなる。
【朝ラッシュ時】
守谷以南:最大24本/時(7本が区間快速)
- 普通の一部に八潮発着が設定されている。
守谷以北:最大9本/時
- 時間帯によっては区間快速しかない事もある。
【夕方~夜】
平均10~15本/時(快速系が4~6本)程度で、平日の下りに限り通勤快速が走ります。
守谷以北へ行くのは5~8本/時程度でしょうか。
運賃・所要時間
秋葉原~つくばの所要時間は快速で45分、普通で57分(運賃1210円)です。ちなみに、高速バス「つくば号」だと東京駅~つくばセンターが最短65分(運賃1260円)となります。
直流区間はとりあえず北千住まで各駅停車で、交流区間は快速がノンストップ、区間快速が各駅に停車します。所要時間と運賃は次の通りです。
【TX路線図】
【もし間違えたらマズいだろうシリーズ】
※所要時間が短い順に並べ替えてある。
【運賃】
TXは開業前こそ赤字必至のハコモノと言われたものの、今となっては常磐線よりも混雑していて、周辺地域の開発も順風満帆となって大手私鉄との比較対象にされるほどで、もはやドル箱路線もいいところです。21世紀が終わる頃には羽田空港~茨城空港を結ぶ空港アクセス線になっているかもしれません。
今日はここまでとします。JR東日本はおそらくアキバエクスプレス常磐新線を手放した事を後悔しているだろうな…。
つづく