今日はCDアルバムのレビュー、2018年に発売されたサザンオールスターズ「海のOh, Yeah!!」の続きです。
今日はDisc-2を記載します。なお、Disc-2はMOMMY SIDEとされており、主に2010年代を中心とした選曲となっております。
【Disc-2】
①東京VICTORY
発売日：2014年9月10日（シングル）
売上：13.9万枚（最高1位）
三井住友銀行「Lady, Fight!」のCMソング。後にTBSのバレーボールのタイアップも付いた。どこまでも前向きに進んでいく感じのアップテンポなナンバーで、歌詞は来年に延期となった東京五輪を意識したものとなっている。
2014年の年間チャートでは51位（Billboard JAPANでは26位）となった。なお、サザンとしては現時点で最後のCDシングルとなっている。
②ロックンロール・スーパーマン～Rock'n Roll Superman～
発売日：2005年10月5日（アルバム「キラーストリート」より）
トヨタ「MORE THAN BEST」のCMソング。タイトルこそ「ロックンロール」となっているが、曲自体は全然ロックではなく終始ポップ調に進んでいく。ただ、普遍性は高くライブでは定番のナンバーになっており、現在は「希望の轍」と同様にシングル並みの扱いを受けている。
③愛と欲望の日々
発売日：2004年11月24日（シングル）
売上：37.2万枚（最高1位）
ドラマ『大奥～第一章～』の主題歌。時代劇のタイアップに合わせたからか、サザンでは珍しい歌謡曲っぽいナンバーとなっている。曲自体に怪しげなドロドロ感があり、「夜の街」とかで流すとハマるはず。
2005年の年間チャートでは16位となった。
④DIRTY OLD MAN～さらば夏よ～
発売日：2006年8月9日（シングル）
売上：22.5万枚（最高1位）
フジテレビ「お台場冒険王2006」のテーマソング。メロディは「希望の轍」に近い感じだが、全体的にアップテンポではあるものの比較的落ち着いた雰囲気で進んでいく。この曲は振付があり、個人的には大学受験中に見たCM（PV？）にてサビで踊っていた印象がある。
2006年の年間チャートでは38位となった。この曲はオリジナルアルバム未収録で、今作でしか聞く事ができない。
⑤I AM YOUR SINGER
発売日：2008年8月6日（シングル）
売上：52.3万枚（最高1位）
au「LISTEN MOBILE SERVICE」のCMソング。サザン30周年の年に唯一発売されたシングル。この時には活動休止が発表されていたため、発売時は大きな話題となった。メロディこそサザンっぽさを感じるものの実験的なアレンジが施されており、ボーカルやギターにエフェクトを掛けたり打ち込みを多くするなどかなりデジタルに攻めている印象。これは同じ事務所でブレイク中のPerfumeを意識していたのだろうか！？
2008年の年間チャートでは3位となった。なお、サザンとしては最後の50万枚突破シングルとなっている。この曲はオリジナルアルバム未収録で、今作でしか聞く事ができない。
⑥はっぴいえんど
発売日：2015年3月31日（アルバム「葡萄」より）
JTB「旅を楽しむ大人の家族篇」のCMソング。「はっぴいえんど」というタイトルは故・大滝詠一を偲んだものだと思われる。まったりとしたバラードではあるが、歌詞にやや「老い」を感じられサザンとファン達が共に人生を重ねて来たんだなぁと感じられる。
⑦北鎌倉の思い出（新曲）
原由子ボーカル曲。映画『ビブリア古書堂の事件手帖』の主題歌。このアルバム用に作られたアップテンポな新曲で、タイトルにある北鎌倉の情景が歌詞にされているが、どこか独特で叙情的な雰囲気が感じられるナンバーとなっている。
⑧FRIENDS
発売日：2004年4月14日（シングル「彩～Aja～」のC/W）
舞台『クラウディア』の主題歌。演奏時間は8分半近くに及ぶ。曲自体はひたすら同じフレーズを繰り返すが、曲調は前半が暗めで、後半はミュージカル風となり明るい雰囲気に変化していき、飽きさせないようにメリハリを付けている。
⑨ピースとハイライト
発売日：2013年8月7日（シングル）
売上：37.4万枚（最高1位）
フォルクスワーゲン「New Golf」のCMソング。サザン35周年に伴う再始動を告げる平和へのメッセージソングに仕上がっている。サウンドに力強さを感じ、相当気合を入れて制作したと思われる。ただ、この曲はSNS時代に入った中での発売であり、歌詞の強いメッセージ性（特にアジア色が強く出ている）に「反日」と言われる事もあったとか。
2013年の年間チャートでは17位（Billboard JAPANでは3位）となった。なお、サザンとしては現時点で最後の30万枚突破シングルとなっている。
⑩アロエ
発売日：2015年3月31日（アルバム「葡萄」より）
「WOWOW 2015」のCMソング。正直に何で「アロエ」なのかはさっぱり分からないが、テンポは良くノリだけで乗り切れる感じ。ストリングスと打ち込みのドラムが上手く絡み合っており、個人的にはお祭りとかでみんなで盛り上がりたくなって来る……そんな1曲。
⑪神の島遥か国
発売日：2005年7月20日（シングル「BOHBO No.5」との両A面）
トヨタ「MORE THAN BEST」のCMソング。タイトルは沖縄を指したものであるが、この曲はどちらかと言えば海外（いやゲーム中？）の南国といった感覚だった。サビはそれなりに盛り上がるが、それ以外は比較的淡々としている感じ。個人的には「BOHBO No.5」と共に、高校時代に昼食の時間にいつも流れていた印象がある。
⑫栄光の男
発売日：2013年8月7日（シングル「ピースとハイライト」のC/W）
三井住友銀行「NEVER STOP CHANGING」のCMソング。歌詞から分かる通り発売年に国民栄誉賞を受賞した「ミスター」長嶋茂雄の引退試合を思い出して作った曲であるが、当の桑田さんは何とアンチ巨人だという。曲自体は主にサウンド面で1970年代を思わせ懐かしさを感じ、桑田さんと世代が近い人ほどグッと来るかもしれない。
⑬BOHBO No.5
発売日：2005年7月20日（シングル）
トヨタ「MORE THAN BEST」のCMソング。とにかく派手に仕上がっており、タイトルの「BOHBO」が下ネタ由来だからかややエロティックな雰囲気も感じさせる。しかし、なぜ「No.5」なのか…どうやら昔「マンボNo.5」という曲があってそこから拝借したようだ。個人的には「神の島遥か国」と共に、高校時代に昼食の時間にいつも流れていた印象がある。
2005年の年間チャートでは33位となった。
⑭蛍
発売日：2013年8月7日（シングル「ピースとハイライト」のC/W）
映画『永遠の0』の主題歌。壮大なバラードで、映画の原作者である百田尚樹氏が「素晴らしい歌」とツイートしている。ただ、この作品は実はサザン再始動前に作った曲であり、実質的な桑田ソロ作品となっている。
⑮闘う戦士たちへ愛を込めて
発売日：2018年6月15日（配信シングル）
ここから先の曲は全て初CD化楽曲。映画『空飛ぶタイヤ』の主題歌。俗に言う「ブラック企業」を揶揄しており、そこで働く労働者を「戦士」と例えている。フォークソングを思わせる曲調に乗せながら現代社会に強いメッセージ性を叩き付けた強烈な1曲。
⑯壮年JUMP
発売日：2018年7月23日（配信シングル）
アサヒ「三ツ矢サイダー」のCMソング。タイトルは「週刊少年ジャンプ」をもじったもので、「壮年」って付ける辺りに改めて桑田さんも年を取ったんだなぁと感じる。実際、歌詞は別れを連想されるものとなっており、死別を経験した人ほど心に響くと思われる。ただ、曲はひたすらアップテンポで、サビでは「アイドル」「ライバル」で韻を踏んでおり割とノリ重視な感じも。
⑰弥蜜塌菜のしらべ（新曲）
※完全限定生産盤のみ収録。
アサヒ「三ツ矢サイダー」のCMソング。タイトルは「やみつだーさいのしらべ」と読む。曲調はいかにも夏って感じでギターをベースに進んでいく。そして、喉が乾いたら三ツ矢サイダーを飲む……これを1分ちょいでまとめたのがこの曲。
以上、2回に分けて全33曲のレビューが完成しました。この『海のOh, Yeah!!』はタイアップ揃いで知名度の高い曲が並ぶ一方で、ややバラードが多い感じでしょうか。そして、前ベスト『海のYeah!!』と合わせると【海の幸ケース】に収納できる仕掛けが施されています。
今日はこれで終わります。流れる星に想いは一つ、焼けた素肌がまた触れ合って、いっそこのまま来年の夏まで…。
つづく