(N143)小田急電鉄の車両 | BLUEのブログ

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スケールのでかいオレの投稿

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今日は小田急の車両をピックアップしてみます。

 

小田急では基本的に認可速度110km/hで運転しています。 かつては箱根登山線での運用も頻繁にあったのですが、2008年以降は運用が限られていき、現行ダイヤではロマンスカーと1000形(4両編成)のみの運用となっています。

 

順番は第1編成が落成した年を基準に分けています。なお、小田急の車両は全てVVVF制御を採用しております。

 

※2024年5月19日更新

 

  通勤車両

 

小田急の通勤車は基本的にロイヤルブルーの帯にクリーム色の全面塗装が特徴的です。8000形までの車両はこの「小田急色」で作られています。しかし、ステンレス製になった1000形以降は帯のみの塗装となり、4000形では色の濃いインペリアルブルーの帯に変化していきました。

 

基本的には全線で走行しますが、8両編成は江ノ島線での運用がありません。

 

【8000形】

 

 

9000形に続くチョッパ車として登場。車体幅は千代田線乗り入れがない事から9000形の2876mmに対して2900mmの拡張車体となっている。現在は全編成が更新されており、3000形と同等の設備への交換が行われた。また、8059・61Fは半導体の一部にSiCを用いたVVVF装置が搭載されている。台車の関係なのか、最高速度は3000形より遅い110km/hとされている。

 

4両編成はブレーキ読み替え装置を搭載しなかったため、現時点では8000形同士か3000形の初期車としか連結できない(末尾を揃える事が多い)。さらに、新5000形の導入により置き換えが始まり、6両編成の一部は2024年から「サステナ車両」として西武国分寺線へ転属する。

 

【1000形】

 

 

小田急初のVVVF車かつステンレスとして登場。VVVF装置は旧型のGTOサイリスタを使ったもので、後に純電気ブレーキに対応したプログラムが組まれた。2014年から更新が始まり、主にフルSiC-VVVF装置への交換(これは世界初とされている)と下回りのTIOSが進められた。音はE235系に近いが、ギア比を更新前と同じにしているので印象が異なる。また、運転台を撤去して10両固定化を実施した編成もある。案内装置は当初から車内LED及び自動放送が設置されている編成もあるが、これも更新の際にLCD2画面にパワーアップしている。また、ラインカラーが4000形と同等の濃い青に変更されている。

 

かつては4両・10両の他にも6両(3M3T)・8両(4M4T)が存在しており、バラエティが豊かであった。また、一部の車両は千代田線にも入線するために対応機器が搭載されていた(そのため、車体幅は8000形より狭い)。なお、6両編成の一部(1700番台)は2m幅のワイドドア車で、一部は元々4両編成で運転台を撤去して6両化した。さらに、4両編成の中には塗装が箱根登山線カラーになったものもあった。しかし、これらの車両は更新対象外であり、8両の1081Fなど東京五輪を待たずに廃車となった編成もある。

 

【2000形】

 

 

1000形のマイナーチェンジ車として1994年に登場。IGBT-VVVF装置(02系とかと同タイプだが最近はソフトウェアの更新で若干音が変わっている)が初めて組み込まれたのがこの形式で、最高速度も120km/hに向上。どこからどう見ても1000形と同じであるが、下回りは全く異なる。この形式は全車両が1.6m幅のワイドドアで製造されている。

 

登場時は10両編成にして千代田線に乗り入れる事も考えていたそうだが、今まで一度も乗り入れた事はない。現在はラインカラーの変更(4000形に準じた濃い青)やフルカラーLED化などの工事が行われている。また、この形式は8両固定編成で作った事で運用に支障が出る可能性があり、リニューアルをしないまま引退するかもしれない。

 

【3000形】

 

 

E231系をベースとした車両として登場。ただし、車体はE231系とは異なり、全て日車式ブロック工法で作られた。1次車は1.6m幅のワイドドア(ホームドア対応)となっており、これだけは小田急オリジナル色が強い。ただし、2次車以降は窓の形がE231系に合わせられ(ドアも1.3m幅となった)、3次車の3263F以降はTIMSの小田急版である「TIOS」を用いるなど徐々にE231系へ近づいていった。4次車以降はLCDが設置され(一部は16:9のワイドタイプ)、7次車以降はフルカラーLED化されている。このように、3000形同士でも3251F最終増備車ではもはや別形式と言っていいほど仕様が異なっている。

 

前面デザインは京成3000形に近い。10両編成は元々6両・8両だったものを中間新造車を組み込んで10両にしたものである。VVVF装置は1・2次車が都営6300形タイプ(通称「竜巻インバーター」)、3次車以降が8000形更新車との共通仕様になっている。一部の車両は全密閉モータが使用されている。今後は3次車以降にリニューアルを施す予定で、更新車は最終増備車に準じた仕様となったほか、VVVFがフルSiCに交換されている。

 

【4000形】

 

 

E233系をベースとした車両として登場。3000形と同じくストレート車体であるのだが、E231系ベースの3000形よりもデッドコピー色が強い。基本的にはE233系をベースとしているが、車内の化粧版ピンクっぽくなっているのが本家との違いである。E233系とは制御装置こそ同じ三菱製だが、ギア比が異なる上に全密閉式のモータが使われているため走行音が若干異なる。LCDは16:9のワイドタイプ(3000形と同じ表示だがセサミクロではない)である。同じ千代田線を走るE233系2000番台(2009年登場)は先頭デザインなどでこの4000形の要素を取り入れた部分も少なくない。

 

本形式は地下鉄線内の避難をしやすくするため、全て10両固定編成で作られた。2016年からは常磐線でも営業運転を開始し、これにより茨城県内に初めて東京メトロを除く大手私鉄の車両が入線する事になった。ただし小田急線のみの運用もないわけではなく、メトロ車が入らない小田原・片瀬江ノ島まで行く運用も存在する。

 

【5000形】

 

 

複々線完成によるサービス向上を目的として導入されるのがこの車両で、小田急では25年ぶりの拡張車体の形式として製造された。当然、地下鉄には入れないので先頭非貫通となり、先頭デザインだけで見ると4000形以上にE233系っぽい。ただ、側面も合わせて見てみると何かりんかい線のような、あるいはブルーライン、いや東西線だと感じる人もいるだろう。車内デザインはJRベースではなく、どちらかと言えば東京メトロを連想するかもしれない。下回りは1000形の更新車に近いものであるが、共通機器類が「N-TIOS」に進化しており、ドアエンジンがラック式になっている。

 

今後は8000形及び1000形の置き換えに充当される。車体の見た目は3000形と同じ日車式ブロック工法のようにも見えるが、拡張車体なので違う。そもそも日本車両の設計ではないし、さらには川重発注もあるのでSustinaでもない。

 

  ロマンスカー

 

ロマンスカーは元々は「週末温泉急行」として1935年から走り始めたものです。当時は新宿~小田原が90分で、すでに現行ダイヤの急行より早いスピードで結んでいました。その後、1949年に1910形を製造したところで正式に「ロマンスカー」の名称を使うようになりました。

 

「Super Express」(略して「SE」)のコンセプトを初めて使い始めたのは1957年登場の旧3000形で、新幹線のルーツとされる車両として知られています。この際に新宿~小田原を60分で結ぶという壮大な目標が立てられています。高速性能を存分に使ったこの車両のおかげで、1963年には新宿~小田原が62分で結ばれるようになりました(現在の最速は59分)。以降、新型の特急車両は全て「○SE」という愛称が付くようになっています(EXEを除く)

 

ロマンスカーは基本的に新宿~箱根湯本・片瀬江ノ島での運用となりますが、4両編成は「はこね」運用でも箱根登山線へ行かずに小田原で切り離されます。また、以前は下りに限り多摩線の唐木田行きもありました。

 

【30000形:EXE】

 

 

「エクセ」と読むのが一般的。観光特急というよりはむしろライナー車的な要素が強い。事実、車体幅2900mmと少しでも多く座れるように設計されている。ただ、車体もそうだが車内に関しても非常に暗く、あまり雰囲気を考えていないものと思われる。VVVF装置は多分JR西日本の223系と同じタイプだと思われる。ただ、RSE(20000形)までの抵抗制御から一気にIGBT-VVVFに進化している事も忘れてはならない。

 

6両と4両が同じ本数で、分割運用が多い。ギア比はロマンスカーにしては高めで東京メトロ6000系と同じである。ホームウェイの大半がこの形式で運転するが、かといって観光特急としての需要もないわけではなく、休日には「スーパーはこね」運用に就く事もある。2016年から更新工事に入り「EXEα」に進化した。EXEαは1000形と同一のフルSiCに交換され(三菱製の導入はロマンスカーでは初)、3号車が電動車となっている。

 

【60000形:MSE】

 

 

小田急の開業80周年に合わせてデビューした。箱根登山線以外の他社路線乗り入れ対応車両で、御殿場線の「ふじさん」として御殿場まで行くのはもちろん、有料特急としては初めて地下鉄線内に入線している。全体的にはEXEとVSEを2で割った感じである。最高速度は120km/hとされているが、多摩線での試運転では何と150km/hを出したらしい。モータは4000形と同じものを使っている。

 

MSEを決して「ムセ」と呼んではいけない。原則「ふじさん」運用は6両、「メトロ○○○」運用は10両連結で運転する。千代田線ホームドアが設置された事からホームドア対応の件はクリアしているはずなのだが、なぜか現在でも新木場発着(有楽町線直通)の「ベイリゾート」の運転が打ち切られたままとなっている。あまり需要がなかったのだろうか!?

 

【70000形:GSE】

 

 

小田急の開業90周年を記念して、複々線完成に伴う新たなシンボルとして導入されたのがこの形式である。20mのボギー車であるが展望席が設けられており、これは小田急としては初の試みとなる。連接台車にしなかったのは将来のホームドア設置を意識したものだという。赤一色に塗装された車体であり、工場出場時は「名鉄か!?」と驚いた人もいたという。最高速度は120km/hと従来より低めだが高速域の性能が良く、新宿~小田原の60分切りが実現する目途が立った。

 

このGSEはRSE(20000形)と同様に7両編成のみ作られたため分割運用がない。ただ、箱根特急として使う際には、EXE箱根登山線内6両編成)よりも人員が増えるのがメリットである。

 


 

こんな感じでしょうか。小田急は都心への通勤需要に加え、箱根や江ノ島などの観光運用や千代田線常磐線あるいは御殿場線直通といった様々なニーズに対応していき、現在に至るブランドを確立していきました。そして、2018年の複々線完成で新時代を迎えようとしています。

 

今日はこれで終わります。そういえば、小田急は間もなく開業100周年……2027年頃には新型通勤車両(6000形?)ないし超豪華ロマンスカー「Century Super Express(通称:CSE)」が登場するのだろうか!?

 

つづく