今年の2月に、愛車のS2000に追加メーターを取り付けた。
トラストのインテリジェントインフォメータータッチ。
それがどんなものかは、こちらの記事で↓
普段は、水温、吸気温、インマニ圧、油温(OP)、油圧(OP)、バッテリー電圧の6つ。
メインはエンジンの状態を見るための水温、油温、油圧になる。
で、このインフォメーターは他にも表示できる情報がある。
その中で、面白そうなのがA/F制御、A/F補正、A/F補正2(トラストのHPでは、A/F補正、A/F補正2は×になっていたが)。
A/F制御は、空燃費の制御にECUの介入の状態が示される。表示は、OPENとCLOSE。
A/F補正、A/F補正2は、空燃費の補正状態が%で表示される。
更にO2電圧、O2電圧2も表示される。
これらを表示させて、分かってきた事は、A/F補正はO2電圧に比例して変動しているらしい事。
O2電圧が、多分プライマリーO2センサー(エキマニ部の)からの信号と思われる。
O2電圧2は、セカンダリーO2センサー(触媒部)の信号だろう。
で、A/F補正がO2電圧に対応して、A/F補正2がO2電圧2に対応した補正値らしい。
この補正が働いているのは、A/F制御がCLOSEの時。
基本ベースとしては、インマニ圧から吸入空気量を導き出すために、吸気温のデータも使われているはず。圧だけでは絶対的な空気量は分からないので、吸気温から密度を算出して、空気量に換算してるはず。
その空気量に見合った燃料を供給して、更に排ガスに含まれる酸素量をO2センサーで監視して、フィードバックしてると言う事ですね。
よって、ECUが積極的に介入していない時には、O2センサーからの信号でかなりきめ細かな補正が行われている。この当たりがS2000の平均的な燃費が10km/lと、2000ccのスポーツカーとしては、そこそこいい燃費である事に貢献していると思う。
さて、問題はネット上などで、言われているF20Cの水温、吸気温に対する補正だが、これはA/F制御がOPENとなる時だろう。
この時、A/F補正は0%と表示される。O2センサーからのフィードバックがカットされているようだ。
では、A/F制御がOPENに条件はと言うと、
まず、スロットルオフでエンジンブレーキを使っている時。
そして、もう一つの条件はスロットル開度が25%を超えた時になる。
25%と言うと小さいように思えるが、町乗りでは中々、そこまでの開度にならない。
ちなみに、インフォメーターのデフォルトではスロットルオフで開度は0%にならない。
同様に、全開でも100%にはならない。
これは、スロットル開度の信号のデフォルトが0%で0V、100%で5Vとなっているため。
S2000の場合、スロットル全閉で0.27V、全開で4.52Vの信号となる。
この値は補正可能なので、補正値を入力すれば、0~100%のスロットル開度表示になる。
インジェクターの信号が同時には見られないので、燃料の噴射量との関係は分からない。
だが、点火時期は表示できるので、この値を見ると吸気温が高い時には同じ全開の加速でも進角が少なくなっているのが分かる。
遲角されている状態になる訳だ。40℃を超える当たりから点火時期を遅らせ始めるようだ。
これが、世間で言われている補正がかかってパワーがダウンするといヤツだろう。
正確には補正と言うよりも、それぞれの入力データに対して、予めマッピングされた点火時期、燃料噴射料が選択されると言うべきか。ゆえに、A/F制御がOPENと表示されるのだと思う。
ショップなどで行っているECUチューンは、このマップの書き換えで、メーカーが取っている安全マージンを削って、パワーダウンを抑えている訳だな。
尚、水温に関しては、冷却系に手を入れてないので、88~90℃以外では試せていない。
これらのデータからも、吸気温が高くなるとパワーダウンするので(AP1はインマニに吸気温センサーがあるので、エンジンの熱の影響をもろに受ける)、その対策として吸気温センサーの移設によって、センサーから入力される吸気温の数値を下げる事は、パワーダウンを抑制できる事になる。
しかし、一方で燃費が悪くなる事も、説明できる。
インフォメーターから得られたデータで、ネット上での情報の裏付けが取れた訳だ。
現象には、必ず理由がある。
実に、おもしろい。