単語を覚えるにしろ、文法力を高めるにしろ、ヒアリングを伴いながらの学習をお勧めします。
スペルと実際の発音が違う単語はかなりあります。スペルと意味をしっかり覚えていても、会話の中で聞き取るのは難しいです。
例えば「박람회」
これは漢字語で、「博覧会」の意味です。
そのまま読むと「パクラムフェ」で、なんとなく博覧会とよく似ています。
が、実際の発音は「パンナメ」です。
鼻音化、連音、色々なことがこの人の身に起こり、なんだかんだで「パンナメ」
諸悪の根元はㄹです。この人とㅇ・ㄴ・ㅁ の鼻音三兄弟が関わるとろくなことがありません。
このㄹがどれくらい罪深いかと申しますと…
あなたは職場の先輩です。
後輩が慌てた様子であなたのデスクにやってきます。
彼女が作成した資料に入力ミスがあり、これから手直しすると言うのです。
その資料を元に報告書をまとめるあなたに、確かに迷惑はかかります。
誰かの些細なミスであなたの仕事に予期せぬ影響が出る。しかしあなたが持ちこたえれば被害は広がらない。
これが一般の発音変化(後輩)が他の単語(あなた)に及ぼす影響だとすると…
新人でもないのに怪しい言動を繰り返すㄹちゃんにあなたは日々悩まされています。
その日は部署の飲み会がありました。
陽気なだけが取り柄のㄹちゃんも楽しそうです。
どうかヘンテコ発言をしませんように…あなたがそう願う矢先、彼女は口を開きます。
「部長ってヅラなんですよね!」
水を打ったように静まりかえる会場。
「ちょっとㄹちゃん!何言い出すの!?」
同期のㅅちゃんやㅂちゃんは焦ります。
「え~?だって先輩も言ってたじゃないですかぁ!今日は10時の方向にズレてるって!」
口にしてはならない話題でその場を凍りつかせ、同期にアタフタさせ、あなたまでも巻き込み、部長を傷付ける。
これがㄹちゃんの罪です。
周りを巻き込んで平気な顔をしているのがㄹちゃんなのです。
ちなみに「リウちゃん」と読んでください。同期はシオちゃんとピウちゃんです。
そしてㄹちゃんのエキセントリックな言動に影響されやすいのがㅇくん、ㄴくん、ㅁくんです。この4人はお互い様です。
危なっかしい、というか実際に危ないㄹちゃんを放っておけない男たちです。
特にㄴくんとㄹちゃんはお付き合いしているらしく、ㄴがㄹに、ㄹがㄴに変化することが多々あります。バカップルですね。
この流音化バカップルのせいで、元々知ってる単語が会話の中で聞き取れず、初期には苦労しました。
ら行の音が鼻音化するのは日本語でも起こります。「どれだけ」が「どんだけ」になったり、「信じられない」が「信じらんない」になったり。
しかしr→nはあってもn→rの変化はないんですね。
このまま擬人化ですべての発音変化を説明しても良いのですが、話が長くなりそうなのでいったん幕を閉じます。
続編をご希望の方は個人的にご連絡ください。
単語に関しては、単語専門の参考書などにCDが付いているので、それを聞きながら学習すると良いと思います。
文章や会話のヒアリングの教材として、ドラマは最初は難しいです。
初級を終えた程度では字幕なしで2~3割しか聞き取れないと思います。
初めは無理に聞き取ろうとせず、字幕を見て、翻訳家がどのように訳しているかを知るのも勉強になります。
私がドラマよりお薦めするのは、バラエティ番組。
バラエティ番組はだいたいハングルの字幕が出ます。これを読みつつ、聞き取ります。
わからない単語は書き取ってその場で辞書を引くと、意外に単語も覚えられます。
この際、何を言っているか全部聞き取ろうとすると負担が大きく、すぐイヤになるので、知ってる単語を拾う、知らない単語は辞書で引く、その程度にしたほうが長続きします。
何しろ会話が速いので全部聞き取るのは無理です。
流行語やスラングも多く、辞書に載ってない単語があります。
それはあまり気にせず、「載ってないのね。あはは」ぐらいにとどめてください。
漢字語にも、語中で有声音化するものとしないものがあります。
これには理由があると言えばあるのですが、深く考えず「そういうものね」と聞き流してください。
ニュースばかりでは飽きるので、バラエティ番組やドラマを並行してヒアリングするのが良いと思いますが、大事なのは毎日少しでも聞くこと。
たとえ10分でも2~3か月続けると、ある日突然半分以上聞き取れるようになります。
ㄹちゃんの悪行にも耐性が付いてきます。