【BLCD感想】透過性恋愛装置(2008年/かわい有美子/安元洋貴×鈴木達央)
非常に衝撃的だった作品。これで達央さんにハマりました。
ご本人の性格の通り演技も潔いというか何というか…メーターの振り切り方が物凄いです。
温厚なやり手ホテルマン×唯我独尊の美形建築士。
達央さんが演じる北嶋というキャラがぶっ飛びすぎて、もう。
前半は本当に高慢で、とても仕事中とは思えない態度で突っかかるわ、友人との会話も自己中が過ぎるわ、「性格が悪い」では片付けられないものがあるので、この生意気な駄々っ子を可愛いと思えるかでこのCDを楽しめるかが決まりますね。
恋に落ちてからの後半は、まさに暴走乙女。
落ち着け!と。前半のあの態度はどこに行ったのか!と。
もう本当に北嶋がいじらしくて可愛くて。
人は恋をするとこうも変わるのかというのをこれでもかと見せられます。
「窓の外をピンクの象が歩いている」という表現がぴったりな北嶋の舞い上がりっぷり。
このトキメキが爆発するのが、最後に一度だけある濡れ場。
これが、驚異的な破壊力…。
何事かと思いました。達央さんは凄い…。
北嶋の「AV喘ぎ」に引く方もいるようですが、「自分でも信じられないような甘ったるく濡れた声」「本当にAVまがいの声が出た」「女以上の高く濡れた声」「色気違いのように喘ぎ続けた」という原作の表現なので…。
私は好きです。むしろ感動しました。
ちなみに牧田の声に関しては「よく響く低音のバス」と書かれています。
原作で一番好きなのは、ホテルの部屋で、先にバスルームに入った北嶋が、牧田が帰ってしまわないか気になって気になって仕方がなくて…というシーンです。
なんと健気な!
CDで一番好きなのは、牧田の口調がビジネスモードからプライベートの砕けたそれに変わるところ。壮絶に色っぽいです。安元さんの牧田はハマり役だと思います。
丁重なホテルマン。安元さんのクセが生きています。
北嶋の感情と共に、話もジェットコースターのように動きます。面白いですよ。
しっかりとラブだしエロだし、言うことなしのBLCDです。
終わり方もいいですね。
聴いている人の心をがっちりと掴む達央さんの演技。
とても個性的で魅力的な声優さんだと思います。