今回の天体写真は大型連休最後のネタです。南の低空にしか現れないので、遠征して撮ってみたかった対象。大きくて比較的明るい部分もありますが、淡いところも多く、さらに低空なこともあって、色々と難渋することがありました。背景ノイズが激しいですが、とりあえずの絵にはなったでしょうか。
秋分の頃に咲く曼珠沙華(マンジュシャゲ)をイメージできますか? 紅く輝く散光星雲の花があって、明るく並んだ星々は茎の様でもあります。西洋の方々の間ではロブスターと呼ばれるようですが、日本人の感性では彼岸花ですね。
彼岸花星雲(NGC6357)が浮かぶのは、天の川の中、蠍の尾の先で、出目金星雲(NGC6334)のすぐ近くです。5月14日記事の写真(ブログの4番目の写真、左側の上よりを参照ください)をご覧いただくと、位置を確認できるかと思います。
備忘録: (以下、個人的な覚書 専門的な内容なので、綺麗な写真の鑑賞が目的の方はスルーしてね)
撮影データ: 彼岸花星雲(NGC6357)
FSQ106EDP(直焦点 530mm F5) + SXP赤道儀
ASI1600MM-cool (gain 139、 cooling −20°℃)
OAG ASI120Mmini ASIAIRPRO コントロール
2022年5月4日の夜 県境近くの暗い駐車場
L 300sec × 9コマ、 R、G、B 300sec × 各 3マ (総露出時間 90分間)
ステライメージ9、FlatAidePro、StarNet++v2 PhotoshopCC ほかで現像処理
遠征に焦点が比較的短い鏡筒を持ち出せたのは、この春が初めてなので、画角的にうまく収まりそうな対象として選択。初日は星が流れて玉砕! 翌日に再挑戦して、やっとそれらしくなった。現像も、何度もやり直してしまった。
気がつけばもう7月。 今年は梅雨明けが異常に早く、もう少し夏の対象を狙えるかな?