今年はお天気が安定しないまま、4月が過ぎてしまいました。昨年は、短焦点鏡筒でおとめ座銀河団の中心付近を撮ってみましたが、今回はその一部分のクローズアップ撮影です。

おとめ座銀河団の中では大きな視度の楕円銀河ですが、その位置は、おとめ座の北、かみのけ座の領域となります。それほど明るい銀河ではありませんが、大きめなので渦巻模様もわかりやすいですね。時間をかけて撮影しただけあって、住宅地での撮影なのに、ほのかに色が付きました。星マスクをかけ忘れたので、恒星は白く飛んでしまいました。彩度アップを目指したら、周辺のカブリが目立って大変なことに.....。 大きくトリミングした画像ですが、そこそこの見栄えになったでしょうか。

 

 

備忘録: (以下、個人的な覚書 専門的な内容なので、綺麗な写真の鑑賞が目的の方はスルーしてね)

 

今回の撮影データ: M88銀河 (かみのけ座の渦巻銀河)

ミューロン250CRS(直焦点 2500mm F10) + AXP赤道儀

OAG ASI174Mmini + PHD2 guiding   

QHY600M  (gain 26、 cooling −20℃ or -10℃) 

2022年4月8、9、24日の夜 自宅庭にて APT 3.90 コントロール

L 300sec × 48コマ、 R、G、B 300sec × 各 11、11、13コマ (総露出時間415分間) 

ステライメージ9、FlatAideProほかで現像処理  

 

思ったように動作してくれないAPTと格闘しながら、3夜に及ぶ撮影を行った。初めの二晩はお月様が沈むのを待って、襲来する雲と戦いながらの撮影。最後の一晩はお月様が出るまでの勝負となった。日によって歩留まりは異なっていたものの、それぞれ2〜3時間程度のデータを稼げて、合計7時間弱のLRGBデータを確保。更に現像でも悩んだ。ダークやフラットが合わないのだ。APTがQHYCCDのネイティブモードに対応して、取得データの形式が変わったようだ。なぜか、左端に、キャリブレーション用の黒い帯がくっついてしまう。Darkデータを取り直そうとすると、気温が上がっていて、予定温度まで冷却できないこともあり。思ったほどスッキリしないお天気で、元気をなくしながらの4月だった。最近さらに多忙となっている本業の合間に、もうしばらくは、APTと格闘することになりそう。