ハート星雲は、これまでにも撮影してしていますが、その中心部には散開星団(Melotte15)があります。この散開星団付近にある散光星雲では、多くの星が誕生しているそうです。今回は、ここをナローバンドフィルターを使ってクローズアップしてみましょう。

撮影データ:

ミューロン250CRS+レデューサーCR0.73x(焦点距離 1825mm)

AXP赤道儀 

PHD2 guiding (D60mm/F4 鏡筒 + Superstar)ディザリング

ZWO ASI1600MM-cool -20℃ gain 300

各600sec Hα ×10コマ、OIII ×18コマ、SII ×18コマ (総露出時間 460分間)

APT (Astro Photography Tool) 3.8

2019年12月8日、10日(月齢11、13程度)の夜 自宅にて

ステライメージ8 と キャノン DPP4 で現像 トリミング

 

約7500光年先の遠方にある散開星団メロット15(Melotte 15)は、誕生してから150万年という若い星団で、周囲の散光星雲と暗黒星雲から星が誕生しているところだそうです。想像の柱と似た環境なのでしょう。猟犬の走る姿にも見立てられ、「走る犬星雲(Running Dog Nebula)」とも呼ばれています。昨戌年の元旦挨拶で、昔撮った画像から超トリミングして供覧したことがありました。今回は、ハッブルパレット画像でご覧いただいております。ハッブルパレットは初夏に供覧した想像の柱と同じ表現法ですね。

 

普通の写真に近い感じとなるAOO画像もご覧いただきましょう。

12月8日の夜分のみ Hα、OIII 各600sec ×8コマ (総露出時間 160分間)で現像

トリミング範囲が若干異なりますが、これでも相当に楽しめますね。

 

さて、今回は月夜なので、ナローバンドフィルター撮影です。先日の一夜限りの貴重な新月期のミニ遠征が不完全燃焼でした。月夜になると夜のお天気が良くなるので、今回は仕事前の大きなお月さまの下でも活動してみました。ふた晩合わせて12時間以上の時間かけて撮影し続け、良好な画像のみ7時間40分を厳選して現像しています。かつてない長時間の露出時間を確保できるのは、自宅撮影が安定して可能だからでしょう。本当なら更に総露出時間を増やして、もっときめ細やかな画像にしたいところですが、それは、そう簡単にはできません。でも、これなら初級者を卒業して中級を名乗れるかなぁ?