前回、大好きなことを仕事にするお話をしましたが、最後にお伝えした通りそこには1つ気をつけなければならないことがあります。
それは、
『大好きなことの中には嫌いなことが含まれている』
ということです。
よく「子どもが好きだから幼稚園の先生になりたい」という子がいます。
子どもたちに囲まれている自分の姿に憧れイメージすることはとても良いことなのですが、どんなお仕事でも、その楽しさのウラには必ず嫌なことが含まれています。
保育士であれば、子どもの世話をすることの大変さ、人間関係、保護者の対応、膨大な事務作業、体力的なこと、などが挙げられます。
このように、物事には必ずオモテ(良い面)とウラ(悪い面)があります。
憧れはオモテの反映です。
ですがオモテの部分ばかり見ていても、実際にその仕事に就くと否応でも嫌な側面を見ることになります。
そこで
自分の理想<嫌なこと
という構造が成り立ってしまえば、あれだけ憧れていた仕事と現実のギャップに落胆を感じ、離職するかそうでなくても我慢の毎日が始まってしまいます。
ちなみに保育士の離職率は10%台だそうです。
では自分のなりたいものを本当になりたいものとして確立し、実際にその仕事を天職だと思えるようにするためにはどうすれば良いのか。
まずはやはり親と子の対話が重要になります。
保育士の例でお話するならば、『子どもが好き』から『幼稚園の先生になりたい』という結論に至るまでの間に、本来ならば『数々の選択肢』があって然るはずです。「天秤にかける機会」と言ってもいいかもしれません。
色々と比較したけど、やっぱり自分がなりたいのは保育士だ!と思えるような機会です。
例えば、「子どもが好き」というキーワードからは保育士だけでなく、子ども用品の開発や販売を行う企業、インストラクター、小児科、海外での救済事業だってあります。
そうした選択肢と保育士を比較検討したうえで、まだ保育士になりたいと思えるならば、それは本当の大好きなことだと言えると思います。
同時に、保育士という仕事のウラにある嫌なことを受け入れてでもやりたい事だと言えるなら、つまり保育士>嫌なことという構図が成り立つのであれば、絶対に保育士を目指すべきだと思います。
しかし、こういった比較などの作業は、子ども一人でできる作業ではありませんし、そもそもが親子の対話の中で生まれ形成されていくものです。
そして、対話の中で生まれた発見によって、新たな道が形成されるかもしれませんし、単なる憧れではなく本当に心の底からやりたいものが見つかるかもしれないのです。
そこに、子ども自身が成長過程で得る色々な経験がミックスされることで、より未来への想いは磨かれていきます。
勿論色々な習い事をさせることで、適性を見つけていくこともできます。
ですが、ある意味それは『数を打って的を射る』のに近いように思います。
そしてこれは、そこにかかる時間から考えても「まだ小さいから」ではなく『小さいからこそやるべきこと』だと思います。
憧れを憧れで終わらせるのではなく、また憧れと現実のギャップに失望するのではなく、子どもが生き生きと自分の夢に向かって進む姿を応援したいですね。