話の合わない人達の中で | 彼は彼で、必死で生きてる           

彼は彼で、必死で生きてる           

良いも悪いも善も悪も
優れているも劣っているも
社会や時代が引っ張った
一本の線の上か下か。あるいは右か左か。

静かに目や耳を澄ませた時
見えてくるもの聞こえてくるものって
何なのだろう?

ずっと昔、誘われた飲み会で衝撃を受けた。

ちょっとした会で知り合った二人と飲むことなり、
僕のアパートに泊まることを前提に居酒屋に行った。

「いい居酒屋だね!」
とりあえず、よい雰囲気で始まる。

話し出すと二人は、とても博学で、
そして外車マニア。

「やっぱアルファだよね」
「アルファは、○年型が最高だね」

そんな話が延々と続き、

僕は時々
「アルファって、アルファロメオ?」
「どんなマークだったっけ?」
と口を挟む。

二人は軽く答えて話を続ける。
ジョッキのおかわりはしつつも、
食べ物に手をつける暇はない。

二人のリクエストで頼んだ焼き鳥十本も、
結局僕が全部食べた。

二時間後。
「やっぱり、ランチャはさ-」

メーカーと車の型番が延々と並び続けている。
僕は「なんて、たいくつなんだろう」と
心の中で繰り返し続けている。

はじめからわかっていれば、
誘われてもいかないだろう。
それが学んだことの1つ。

もうひとつ学んだことがある。

車の名前を並べ評論するだけの会話を
二人がとてもとても楽しそうにしていたこと。
そして。

「こんなに話せるやつと始めた会った」
と一人がトイレに行った時に
もう一人が行った言葉。

変でしょ!と思いつつ、
僕が普段やっている会話だって、
そう変わらないことに気づく。

自分の言いたいことを言うために質問をふるだけで、
人の話なんか聞いちゃいない。
自分が話すとき、何を思っているかって、
「すごいね」「そんなこと知ってるんだ」
「新しい考え方だね。目からウロコだよ」
って言ってもらいたくて、頑張ってたりする自分。

そんなもの。

僕が学んだもっとも大きなこと。

楽しそうに話している二人を見ながら、
「楽しそうだな」っと幸せな気持になれるチャンスも
そこにあるかもしれないってこと。

自分が仲間に入れてもらえないから、つまらない、
そんな立ち位置だけでなく、
楽しそうな人達を幸せな気持でみる立ち位置もあるってこと。

そんなふうな目線って、
自分を何かから解放してくれるようなきがするのです。

空の上から、幸せな人達の姿を見ている
そんな幸せ。

時には、こんなこと考えてみるのはどうでしょう?