この花、とても綺麗ですね。
ある人は、桜を思い浮かべ、
ある人は、蘭を思い浮かべたかも知れない。
ある人は、
こんにゃくの花や、まむし草と呼ばれる花を
思い浮かべたかも知れない。
桜や蘭は、もともと美しさを持っているわけじゃない。
「おかめ」の顔が美人といわれていたとか、
笑うとまっくろなお歯黒で良かった時代があったとか。
もちろん世界には今だっていろんな美しさがある。
首が長いことや、耳たぶが大きいことや、
下唇が大きいこと、みたいな。
直線が美しいという人、曲線が好きな人。
この花美しいですね。
そう認めて、美しさに心酔わせることがあるとしたら、
この子にはとても価値があるんです。
そう認めて、その価値に心酔わせることも同じ。
生きていて、出会う素敵な人達。
自分を苦しめる反面教師達。
自分をつまずかせた石ころたち。
宝石たちの輝き。
意味も価値も、もともとそんなものはない。
ただ僕らは
そんなものたちに素敵な意味をつけ続けることができる。
素敵な意味をつけ続けると、
気が付けば
たくさんの素敵なものに囲まれている自分に気づく。
たくさんの素敵なものたちに囲まれた人生に
素敵な人生だと意味をつけるのは、
難しいことだろうか?
きりっとさえる寒さの中で
ふと、
そんなことを思うのです。