信じることと情報化時代 | 彼は彼で、必死で生きてる           

彼は彼で、必死で生きてる           

良いも悪いも善も悪も
優れているも劣っているも
社会や時代が引っ張った
一本の線の上か下か。あるいは右か左か。

静かに目や耳を澄ませた時
見えてくるもの聞こえてくるものって
何なのだろう?

親友が遠くにいる。
もう3年も会っていない。

会っていないどころか、連絡さえとっていない。

それでも親友だと思っている。
そして、心の支えになっている。
彼の活躍を願っていて、
彼と彼の家族の幸せを願っている。

未来のある日、僕らは会い、
元気そうだな!と声をかけあい。

お互いの人生の
つもりすぎた話を交わし始めるに違いない。

自分が思うのと同じように、
相手が自分のことを思っているか、
それはわからない。

それでも彼がこの世の中に生きていて、
頑張っていると信じることが、
僕自身を元気にしているのだから、

それでいいのだと思う。

今時のことばでいえば、つながっているという感覚。

つながっていると思えるから、
連絡をとらなくても不安にならない。

つながりが切れてしまうという恐怖に襲われれば、
頻繁に連絡をとるようになるのかもしれない。

頻繁に連絡をとって、つながっていることを確認し続けることで、
逆につながりを信じる力は
急激に色あせ、消えていくのかも知れない。


冷たい風の吹く朝。
出会う一人一人の人の幸せを、
僕はどこまで真剣に祈っているだろか。

そんなことを思いながら、
何人ものひとの顔が胸をよぎっていく感覚に
ただ、身をまかせてみていたりする。