ロー入試小論文と法律論文の類似点 | 司法試験情報局(LAW-WAVE)

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ロースクール入試の小論文と法律の論文で、似ていると思うところと、似せるべきと思うところを、いくつか列挙してみたいと思います。

 

まず、小論文で書くべき内容は、大まかにいえば、

 

①「結論」(問題文の主張 or 自分の主張)を書くこと

②「理由」(主張を支える根拠)を書くこと

 

この2つしかありません。

 

司法試験の論文も、合憲・違憲、有効・無効といった①結論を、法律的なロジックを使って正当化(=②理由づけ)しているだけですから、構造的には小論文と同じことをしています。

 

また、前回のエントリーで書いたように、ロー入試小論文は、①②を客観的に問題文の中から見つけ出してくるよう要求する傾向が強く、その点も法律論文と似ているように思います。

(解答を、頭の中からではなく、問題文の中から探してくればいい、ということです)

 

ようするに、問題文の内容を、設問にしたがって書き換えるだけで解答になるわけです。

 

もっとも、法律論文では、条文や規範といった最低限の暗記事項(=基準)を間に介在させて答案作成しなければなりません

この点が微妙に違うといえば違いますが、小論文のほうではこういった最低限の暗記も不要なわけですから、考えようによってはさらに楽な作業だともいえます。

 

このように、ロー入試小論文と法律論文はかなり似ている、というのが私の考えです。

 

ちなみに、少し穿った見方をすれば、このように両者が似た構造になっているは、受験者の入学後の法律の適性をみているからだ、と考えることも(あるいは)できるでしょう。

 

もしそうだとすれば、設問が(客観的な問題文の書き換えではなく)主観的な意見を述べるように求めてきた場合でも、解答を法律論文のそれに近づけて構成するのがおすすめです。

 

法律論文に近づけるとは、自分の見解を述べる場合でも、まずは客観的な基準を介在させて、その基準に問題文の事情をあてはめる形で自己の見解を提示するべき、ということです。

 

たとえば、「私はこれが正しいと思うから○」と、いきなり結論(主張)を書くのではなく、「私はこういう基準(規範)で考えるのが正当だと思う」と、まずは客観的な基準を提示して、→「問題文の事情は△△△だ」→「△△△は、先ほど立てた基準に妥当している(していない)」→「よって、○または×だ」という風に、先に立てた基準に従う形で結論(自己の見解)を導くのです。

 

一言でいえば、三段論法にすることで法律の論文っぽくする、ということです。

 

どれだけ効果があるかは分かりませんが、法律の適性を判断するために出題された問題なわけですから、問題に対する解答も、何らかの形で法律的な思考を示すことができているもののほうが高評価を得るのではないか、と(個人的には)思った次第です。