上杉隼人 GetUpEnglish

上杉隼人 GetUpEnglish

日常よく使われる英語表現を毎日紹介します。毎日日本時間の午前9時までに更新します。英文執筆・翻訳・構成・管理:上杉隼人

毎日更新! GetUpEnglish Updates Every Day! Since April 1, 2006 (c) 2006-2025 Uesugi Hayato(上杉隼人)

当面は翻訳の仕事を中心にこなしていくしかないが、
https://ameblo.jp/getupenglish/entry-12954498570.html

編集の仕事も並行して続けている。
https://ameblo.jp/getupenglish/entry-12939605744.html
現在、TOEIC L&Rをおそらく世界で最高回数受けて、満点も最高回数取っていると思われる著者のPart 5の問題集の編集を請け負っているが、これがかなり面白い。

TOEIC L&Rには以下のような問題が出題される。

18. Endo Chocolates ------- its key ingredients from Peru and Colombia.
(A) moves
(B) procures
(C) maintains
(D) imports 


正解はもちろん (D) importsで、難易度もいちばん低い部類に入ると思う。
「Endo Chocolatesは、主な原材料をペルーとコロンビアから輸入しています」ということだが、(B) procuresも「手に入れる」であり、正解にならないだろうか
 

4月から英語学習に力を入れている都内の大学で英語の授業も担当させていただくことになるので、学生からこんな質問が来た時には速やかに対応できなければならない。

確かにprocureは「手に入れる」の意味で使われる。
GetUpEnglishでも学習した。
https://ameblo.jp/getupenglish/entry-12912658778.html

procures(調達する)は辞書では「(苦労して)手に入れる・獲得する」という意味があるとおり、主に必要なものを手配・調達するという状況で使われる。たとえば企業紹介で「どの国から原料を仕入れているか」を述べる場合には通常 import(輸入する) を用いる(Endo Chocolates procures its key ingredients from Peru and Colombia.は不自然で、Endo Chocolates の会社情報に記されるとはとても思えない)。したがって (D) imports が正解。
そして覚えておいてほしいが、TOEICは、

・文法的には可能
・意味も近い
・でもその文に使うは不自然
・ビジネス英語として考えられない言い方


から判断させて、最も自然な表現を選ばせる試験だ。

もちろん翻訳も含めて、現代の英語を使う仕事で求める語彙を効果的に学べることができる。

大学生の皆さんには、TOEIC L&R, TOEIC S&W, 英検、IELTS, そして最近新しくなったTOEFLをぜひ何度も受けてほしいと思うし、試験対策のアドバイスもできたらうれしい。

なかなかきびしいスケジュールだが、
https://ameblo.jp/getupenglish/entry-12954498570.html?frm=theme

ロブ・シェフィールド『テイラー・スウィフトーーどうして彼女は、全世界を魅了し続けるか』(Rob Sheffield,  Heartbreak is the National Anthem: How Taylor Swift Reinvented Pop Music)のゲラ校正がはじまった。

さて、本日のGetUpEnglishは「ゲラ校正」に関する英語表現をいくつか紹介しよう。

まず、基本以下の2種類だ。
proofreading(校正する行為)
proofs / page proofs / galleys(ゲラそのもの)


出版現場では特に proofs をよく使う。
「ゲラが出た」の出版界でよく次のような言い方をする。


The proofs are in.
The page proofs have arrived.
I’ve received the proofs.


例:
The proofs for the Japanese edition have arrived.
The page proofs just came in this morning.


⇒「galleys」も使えるが、最近は page proofsが一般的。

「ゲラ校正を始める」は、次のように言える。

start proofreading
begin working on the proofs
start going through the proofs

例:
I’m starting to go through the proofs this week.
We’ve begun proofreading the book.


⇒go through the proofs は出版界でよく使われる。

「ゲラをチェックする」は次のように使う。
微妙なニュアンスの違いがある。

check the proofs(軽め)
review the proofs(編集寄り)
go through the proofs carefully(丁寧に)
proofread the galleys(やや職人的)


例:
I’m reviewing the page proofs now.
I spent the weekend going through the proofs.



「初校・再校・三校」は日本の出版界の独特な言い方だが、英語ではこう言う。

first proofs
second proofs
final proofs

例:
We’re now working on the first proofs.
These are the final proofs before printing.


⇒「再校」は revised proofs と言うことも多い。

「赤字を入れる」
編集者らしい表現だ。

mark up the proofs
make corrections on the proofs
add edits to the proofs

例:
I’ve marked up the proofs.
I’m adding my corrections to the page proofs.


⇒mark up は出版界でよく聞く言い方。

「ゲラがとても楽しい」は次のように言えばいい。
I’m really enjoying proofreading the galleys.
I’m having fun going through the proofs.
Proofreading is my favorite part of the process.


ゲラを前にして思うのは、こんなことか。


The page proofs for my latest translation have arrived.
I’ve started going through the proofs this week.
I’m carefully marking up the pages before they go to print.


 

benignは、「 優しい、好意的な、悪意のない」。
benignlyは、「 優しく、穏やかに、意的に」。

/bɪnáɪn/, /bɪnáɪli/と発音する。
 

今日のGetUpEnglishはこのふたつの語を学習する。

反対語は、malignant(悪意のある、敵意のある)。malignantly(悪意を持って)

○Practical Example
The teacher spoke in a benign tone.
「先生は穏やかな口調で話した」

She smiled benignly at the children.
「彼女は子供たちに優しく微笑んだ」


●Extra Point
もう2例

◎Extra Example
He regarded me benignly.
「彼は私を穏やかな目で見た」

She was not looking at me benignly.
「彼女は私を好意的な目では見ていなかった」



 

cut to the chaseは、「前置きや遠回しをやめて、本題に入る」

映画の初期にあった「追跡シーン(chase)に早く行け」という業界表現が由来。

昔の映画(特に無声映画)では観客が一番ワクワクするのは 追跡シーン(chase scene)だった。でも映画の最初には長い説明シーンがあるので、映画関係者が言った、

Cut to the chase!”
(追跡シーンまでカットして早く行け!)


が、「余計な前置きは要らない、面白いところに早く行こう」の意味で使われるようになり、日常的には、「前置きを省いて本題に入れ」の意味で用いられるようになった。

こんなふうに使われる。

○Practical Example
Let’s cut to the chase — we need more funding.
「単刀直入に言おう。資金がもっと必要だ」

I don’t have much time, so I’ll cut to the chase.
「時間がないので本題に入ります」

●Extra Point

もう2例。

◎Extra Example
Stop the small talk and cut to the chase.
「雑談はやめて本題に入ろう」

 

I’ll cut to the chase: your proposal was rejected.
「率直に言うね。あなたの提案は却下された」

 

英語の unique は辞書的には「唯一の、他にない」だが、実際の英文では そこまで強い意味で使われていない ことが多い。
 

たとえば、

It is a unique kind of scenario.

という英文に先日ぶつかった。

直訳すれば、
これは「唯一の状況だ」ということになるが、 やや大げさな感じがする。。

ここで言いたいのは「ちょっと特別な感じの状況だ」程度だと思う。

だから日本語では、

これは少し特別な状況だ。

くらいに訳せばよい。

なぜこうなるのか。
英語の unique は日常的には「唯一の」よりももっと弱い意味で使われるからだ。

『コンパスローズ辞典』にも、

《略式》 めったにない, 特別の, すばらしい.

という秀逸な定義がある。


uniqueの実際の意味はしばしば:

unusual
distinctive
special
a bit different


と同じような意味で使われることが多い。

例を挙げる。

① a unique opportunity
直訳:唯一の機会
自然訳:特別な機会

This is a unique opportunity to learn from her.
→ 彼女から学べる特別な機会です。

(人生で一度きり、という意味ではない)

② a unique experience
直訳:唯一無二の体験
自然訳:特別な体験

It was a unique experience for me.
→ 私にとって特別な体験だった。

(他に誰も経験していない、ではない)

③ unique perspective
直訳:唯一の視点
自然訳:独自の視点

She brings a unique perspective to the team.
→ 彼女はチームに独自の視点をもたらす。


④ unique personality
直訳:唯一の人格
自然訳:個性的な性格

He has a unique personality.
→ 彼はとても個性的だ。


unique は「唯一の」と訳したくなる単語だが、実際の英文では「ちょっと特別」「少し違う」程度で使われることがむしろ多い。
 

ロバート・J・コプラン『ひとりで過ごす喜び』(仮題、Robert J Coplan, The Joy of Solitude: How to Reconnect with Yourself in an Overconnected World)
https://www.simonandschuster.com/books/The-Joy-of-Solitude/Robert-J-Coplan/9781797196480

に、以下の表現があった。

In terms of an overarching message, I think we can make a small tweak to some of the general advice I imparted earlier in this book: when it comes to solitude and technology, keep in mind what you want to do is not necessarily what is going to be best for you.

In terms of an overarching messageはむずかしいが、これは談話標識で、「大きなまとめとして言えば」ということであり、

要するに
全体として言えるのは


くらいの意味で取ればよい。

Overall,

Broadly speaking,

At a broader level,

The big takeaway is...

The bottom line is...


に近い言い方だ。

上の文は、

ここまでの議論を通じて、われわれは何が学べるだろうか。わたしは思うが、このやや「雑然とした」研究結果の積み重ねの中から、テクノロジーとひとりで過ごすことに関して役に立つ助言をいくつか引き出せるのではないだろうか。要するに、本書の前半で述べた一般的な助言を、ほんの少し修正する必要がある。すなわち、ひとりで過ごすことテクノロジーの関係においては、「自分がやりたいこと」が必ずしも「自分にとって最善のこと」とは限らない。


くらいに訳せばよい。本書に関してはとにかくわかりやすく、一読で理解してもらえる訳文にすることを心掛けている。
 

昨日のGetUpEnglishで、

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このように、英語の but は「しかし」だけではなく、同時に成立する対照・意外性・補足を表すことが非常に多く、日本語では「訳さない」、あるいは「別の形にする」ほうが自然になることがよくある。
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https://ameblo.jp/getupenglish/entry-12955732871.html
とした。今日のGetUpEnglishはこのbutの例を挙げる。


○Practical Example
He sat at home but worked online.
「家にいながらオンラインで作業していた」

⇒「家にいたが、オンラインで働いていた」でもOKだが、上の言い方が自然。

It was simple but effective.
「シンプルでありながら効果的だった」
⇒「シンプルだったが、効果的だった」よりも自然だ。

●Extra Point

以下の例文もそれぞれ提示したように訳せる。

◎Extra Example
He is young but wise.
若いのに賢い。

I enjoyed the trip but learned a lot too.
「旅行は楽しかったし、多くのことも学べた」


 

昨年11月下旬から本格的に取り組んだこの本も

ロバート・J・コプラン『ひとりで過ごす喜び』(仮題、Robert J Coplan, The Joy of Solitude: How to Reconnect with Yourself in an Overconnected World)

どうにか来週訳了予定。

インサイト・エディションズ『映画「ハリー・ポッター」シリーズ 公式絵コンテ集』(仮題、Insight Editions, Harry Potter: The Storyboards)

『Marvel Studios Cross-Sections マーベル・スタジオ クロス・セクション マーベル・シネマティック・ユニバースの内部に潜入! 断面図から仕組みまでを徹底解析』(Liz Marsham, Marvel Studios Cross-Sections)
 

と完全に重なってしまった上に、英語がすさまじくむずかしくて、かなり苦労している。
だが、どんなに苦しくても、日々スケジュール通りにこなすことが大切だ。

この本に以下の英文があった。

In terms of implications for our advice about solitude and technology, this means that we need to consider the impact of being alone but using our phone in different ways. And as it turns out, these issues are further complicated (aren’t they always?) by our personal characteristics and how we generally feel about solitude.

上に示したように、『ひとりで過ごす喜び』は、solitude(ひとりで過ごす)こととloneliness(さびしさ、孤独)を完全に分けて考えている。充実した「ひとりの過ごし方」を考えることで、人生を今より楽しむことができると論じている。

よって、solitudeを「孤独」と訳してしまうと趣旨がずれるところが多く、慎重に処理している。
 

ところで、we need to consider the impact of being alone but using our phone in different ways

 

「ひとりでいながらスマートフォンをどう使うかによってこの時間にさまざまな影響がもたらされることを考えなければならない」


このように、英語の but は「しかし」だけではなく、同時に成立する対照・意外性・補足を表すことが非常に多く、日本語では「訳さない」、あるいは「別の形にする」ほうが自然になることがよくある

 

明日のGetUpEnglshでは、このbutの例を紹介する。

 

なお、上に挙げたパラグラフは次のように訳せばよい。

 

ひとりで過ごすこととテクノロジーの関係を考える際に重要なのは、ひとりでいながらスマートフォンをどう使うかによってこの時間にさまざまな影響がもたらされるということだ。そして案の定(いつものことだが)、こうしたひとりの時間とテクノロジーの関係はわれわれ一人ひとりの性格や孤独の感じ方によってさらに複雑化する。

cognitive(頭で考える・情報を処理する)を昨日学習したが、今日はこの副詞cognitivelyを学習する。

 

 

cognitively は「頭の働きとして、思考面での処理として」何かの行動や作業を強調する」

感情的・身体的ではなく、「頭を使うかどうか」という側面に焦点を当てる。

例を挙げる。

○Practical Example
This task is cognitively demanding.
「この作業は、頭の働きとして負担が大きい」

Working in a noisy place is cognitively exhausting.
「騒がしい場所で仕事をすると、頭が疲れる」

After a long meeting, I was
cognitively drained.
「長い会議のあと、頭が完全に消耗した」


cognitively は「認識の」というより、日常英語では「頭を使うという点で、脳の処理として」という意味で使われる。

cognitive はラテン語 cognoscere(知る・理解する)に由来し、「知覚し、理解し、判断し、考える働きに関わる」ことを意味する。
辞書には学術的に「認知の」「認識の」と定義されているが、本質は 「頭の中で情報を処理すること」と考えればよい。

cognitiveはどうしてもむずかしく見えるが、日常の状況ではむずかしく考えず、 「頭を使う」「考える力を使う」「脳に負担がかかる」といった意味で使われると覚えておこう。

次のような言い方をよくする。

○Practical Example
cognitive load(頭の負担)

cognitive cost(考えるためのコスト)

cognitively demanding(頭を使う)


●Extra Point
例文を挙げる。

◎Extra Example
Learning a new system comes with a cognitive cost.
「新しいシステムを覚えるには、頭の負担が伴う」


 

Simple design reduces cognitive effort.
「シンプルなデザインは、考える手間を減らす」

Switching between tasks creates unnecessary cognitive strain.
「作業を頻繁に切り替えると、余計に頭が疲れる」


cognitiveは「認知の、認識の」という意味ではあるが、日常的には「頭を使うこと」「脳に負担がかかること」を表す。

 

明日はcognitiveの副詞cognitivelyを紹介する。