文章はどちらかと言うと平易だけれど、
何故かストーリーが全く頭に入ってこない。
これはこの作家の作風なのか?
それとも翻訳のせいなのか?
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」
もほぼ同様だった。
でも何でしょう、全体の世界観は好きなんです。
第2次世界大戦で、戦勝国と敗戦国とが
全く逆になった設定でのアメリカを舞台にした
群像劇。
つまり、日本とドイツがアメリカに勝った
架空の世界が舞台。
この設定だけで、もう十分に面白そう。
登場人物が皆、少しずつどこか現実離れした
シュールな雰囲気を纏っているのも結構好み。
ただ、群像劇のそれぞれのエピソードは
それなりに理解したし、幾つかは興味深く
もあったけれど、
それらが全然繋がらない!
群像劇の醍醐味である、最後の最後で、
これまで一見無造作に散りばめられていた
伏線が、綺麗に一点に収束する!
みたいなスッキリ感が皆無。
あの本を読み解くには、多分、この作家に
関するある程度の素養と言うか、
予習が必要だった気がする。
70点