2021年11月掲載
GQブログはもう6年は書いています。
それは、私がオークションハウスのSotheby’sをやめて独立をきっかけとして、
今や連載は140回を超えてました。
このブログの為には、時間を割き、様々な取材に行きました。
スイス・ジュネーブ取材だって2回、それに取材出張全て自腹だったんですよ〜。
そう、このブログ、完全なるボランティアなのです。
それはひとえに本誌と違った視点、ライブ感、そして私の勝手な想いとはいえ、
読者の皆さまのラグジュアリーに対してのプレゼンスを上げる為。
それゆえ、一切の忖度なしで好きな事を書く事に徹し、お断りした取材も無数にあります。
そんなGQブログですが、12月16日を以って閉鎖と連絡がありました。
もしかしたらコレが最後かもしれませんが、ギリギリまでアップします。
と言っても、もう3000文字なんて書けませんので、ニュースとして。
さて、禁酒法、否緊急事対宣言も明けようやく各ブランドも本格活動を開始し始めました。その中でも、最も精力的に一般にも開放して現在(11月24日現在)
大変重要なイベントを行なっているのが『ショーメ』= Chaumet です。
GQ読者ならショーメはご存じと思いますが、皇帝ナポレオン御用達で、
歴史的なだけでなく、
「グランサンク= Les Grand Cinq」として
フランストップブランドの一つとして君臨しているハイジュエラーです。
日本でも人気ですが、
過分にアイコンだけを全面に出したコンテンポラリーに走りすぎず、
日本でも根強いエドワーディアン、またガーランド様式も
巧みに取り入れた作品が多いからでしょう。
フランスのジュエラーならでは、とも言えますね。
そのショーメが11月23日より28日まで横浜三溪園で
『フランスと日本文化のConversation―
ショーメのサヴォワールフェールと日本の名匠3人の対話』
を特別一般公開しています。
これはフランス文化と日本文化の対話をコンセプトにしていて
日本の伝統芸術の職人たち3人がそれぞれ手掛ける作品と、ショーメの
ハイジュエリーとのコラボレートしたインスタレーションとして紹介するもの。
フランスだと匠の技を「サヴォワールフェール」と呼ぶのですが、
仏のハイジュエリークリエーションのそれと、
日本からは竹芸家の四代田辺竹雲斎、盆栽作家の木村正彦、
そして刀匠月山貞利と月山貞伸の「匠の技」との共演です。
会場も匠の技を共に表現するのに相応しい鶴翔閣。
正直ハイジュエリーと日本匠技がマッチするのか、会場に行くまで半信半疑でしたが、これは素晴らしいインスタレーションで、ハイジュエリーの表現に、
日本の技がこれだけしっくり来るとは、思いもよりませんでした。
入場無料は大盤振る舞い。
会期は短いですが、足を運ぶ価値は十二分にあります。ぜひこの機会を見逃さないように!
ちなみに私が一番ぐっと来たのは、
「刀」でした。