車検証が2023年に電子化
メリット / デメリットなど詳しく解説
* グーネットマガジン より *
2023年1月4日より、車検証がICタグを貼付した電子車検証に変更されます。
この記事では、電子車検証の詳しい内容やユーザーにとってのメリット / デメリットなどを解説していきます。
◆なぜ電子化? 変更の理由とは
国土交通省によれば、今回の電子化について 「 自動車ユーザーや自動車関係の事業者のさらなる利便性向上 」 を理由としています。
これまでは、車検証の交付を受けるためには運輸支局などへの出頭が必要ですが、車検証を電子化することで " 出頭を不要とする制度とシステムを導入し、手続きの手間や時間をカットする " ということです。
また専用アプリを導入し、PCやスマートフォンで車検証情報を閲覧したり、リコール情報などの確認ができるようになります。
◆電子車検証とはどんな物?
変更前の車検証と比べてみた
従来の車検証と電子車検証とでは、サイズが変わります。
従来の車検証はA4サイズ ( 210㎜ × 297㎜ ) の紙であったのに対し、電子車検証は105㎜ × 177.8㎜の厚紙に。
これはA6サイズ ( 文庫本のサイズ ) を30㎜ほど長くしたような大きさです。
従来の車検証に記載されている情報は、電子車検証でそれぞれ以下のように分けられます。
【 A 】車検証に記載:変更登録等の影響を受けない車両の基礎的情報
【 B 】ICタグに格納:車検証の有効期間や所有者情報
【 C 】二次元コード:バージョン情報など、情報とほぼ同じ
車検証本体の【 A 】には、自動車登録番号・車両番号 ( ナンバープレートの番号 ) をはじめとした、車両の基礎的な情報が記載されます。
具体的には以下の項目で「 車両識別符号 ( 車両ID ) 」が、車検証の " 電子化に伴い付与されるもの " として新たに追加されます。 ICタグの【 B 】には、所有者情報など【 A 】の欄に記載されていない車検証情報が格納されます。
情報は汎用のICカードリーダーや、読み取り機能付スマートフォンなどで読み取ることができます。
二次元コードの【 C 】は従来とほぼ同じく、バージョン情報をはじめとした情報を取得できますが、「 自動車検査証の有効期間 」だけは確認不可となります。
▪自動車検査証本体に記載される項目
◆いつでもどこでも車検証情報を確認!
※ 車両ごとに " 不変の番号 " として、電子化に伴い付与
▪ICタグに格納される項目 ( 券面非表示事項 )
なお、電子車検証に搭載されるIC タグについては、車検証情報の記録領域とは別に " アプリケーションの搭載が可能な記録領域 " を設けており、空き領域の利活用方法を今後 " 検討していく " としています。
「 車検証閲覧アプリ 」の機能とは
ICタグに格納された情報は、2023年1月から利用開始が予定されている " 車検証閲覧アプリを利用して " 確認することが可能です。
アプリはPC用・スマートフォン用の両方が用意され、オンラインで車検証情報や車両のリコール情報、二次元コードの情報などを確認できるほか、" 車検証情報の出力・保存が可能 " になります。
また、車検証の有効期限が満了に迫っている際に、プッシュ通知で知らせる機能も備わる予定です。
◆車検証の電子化で便利に!メリットまとめ
では車検証が電子化となることで、どんなメリットがあるのでしょうか。
◈ 所有車両の情報をICカード 一枚で管理
電子車検証では、所有する車両の登録番号をはじめとした基礎的情報に加え、自賠責保険証も " まとめてデータ管理することが可能 " になります。
現時点では個別の紙媒体で管理している情報がカード 一枚で管理できるため、携帯や管理が従来よりも容易になることが期待できます。
◈ 車検の更新手続きがスムーズに
車検証の電子化で最もメリットが生じるのは、車検業者であるとされています。
運輸支局長等から委託を受けていれば、陸運支局に出頭せずに " 代理で車検証情報の書き換えが可能 " となり、来訪などの手間が軽減されます。
これはユーザーにとっても、" 車検に掛かる時間を短縮できる " という利点があり、条件次第では " 1時間程度で車検を完了できる " と言われています。
また、車検情報を365日・24時間いつでもチェックできるようになるため、車関係の " 各種手続きがWEB上で行えるようになる " ことも期待されます。
◆気を付けておきたい
電子車検証のデメリット ( 注意点 ) とは
車検証の電子化で便利になる点がある一方、気を付けておきたい点もいくつかあります。
ICタグが搭載されることで、保管場所はぜひとも注意したいところ。
ダッシュボード上などの過度に高温になりやすい場所に放置したり、折り曲げは厳禁。
あと、ICタグのみを切り取るのもNGです。
また、車検証閲覧アプリで読み取った情報について、( 2022年11月現在 ) スマートフォンの機種変更の際の引き継ぎや所有者アプリを削除した場合の " 復元は不可 " とされています。
機種変更をしたり、アプリを削除した場合は " もう一度読み取りする " ことで閲覧可能です。
電子車検証の発行は、その発行対象となる手続き以外で発行することはできません。
なお、今回の電子化に伴い2023年1月1日から、各種手数料が手続きの種類により " 50円~500円 程度 " 引き上げされます。
事前に車検の予算を計算しておきたい場合は注意が必要です。
https://www.mlit.go.jp/jidosha/kensatoroku/kensa/denshika_tesuryo.pdf
◆軽自動車の電子車検証はいつから発行開始?
電子車検証は2023年1月1日から発行開始ですが、これは " 普通自動車 " が対象。
軽自動車は " 2024年1月 " からの発行予定となっています。
◆まとめ
車検証が電子化となることで、車検に掛かる時間が短縮化されたり、自賠責保険証など " 関連する情報もまとめて管理できるようになる " など、さまざまなメリットがあります。
一方で車検証の管理方法や手数料アップなど、これまでとは変更となる点もあります。
もしも不明な点などがあれば、スタッフの方に " 事前に相談しておく " とよいでしょう。
著者:グーネットマガジン編集部
『 電子車検証 』
拙者の自家用車 ( 軽自動車 ) も来年早々に車検となりますが、今回の車検では " 紙の車検証 " になります 。
しかし、電子車検証なんて " 管理が面倒臭いと感じる " のは拙者だけでしょうね (笑) 。