7月に訪れた二つの温泉地 | 地質・地理と文化 ージオサイト巡りの旅-

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思い出しながら書いているので、記事の日付が前後することがあります

  3月に退職したのを祝って子供たちから旅行券をプレゼントされたので、7月13日~15日に夫婦で温泉旅行をして来ました。三日間パソコンも持たずに旅行したのは久しぶりのことで、ほぼ完全に仕事から離れた観光旅行でした。実際には私が3月までいたコウノトリの郷公園と大学院や山陰海岸ジオパーク内を見て、城崎泊。次は鳥取から大学院修士課程を過ごした三朝温泉に泊まり、その時の調査地域だった岡山県の奥津温泉を経由して現在仕事をしている地球史研究所と借りているアパートを見る。というすべて私が行ったところへ妻を案内して巡るというツアーでした。

その中で二カ所の温泉が対照的で面白かったので紹介します。

 

温泉街と外湯を楽しめた城崎温泉

 初日の宿泊は兵庫県北部の城崎温泉で一泊朝食付きの旅館。

 ここの特徴は何といっても外湯めぐりで、温泉街は浴衣姿の人で夜もにぎやか。夕食はがっつりとした食事ではなく外湯のついでに、一軒目は地ビールのあるパブで、二軒目は酒屋なのだけどその店先や店内で飲むことができる店。

そして最後はソフトクリーム。結局外湯には一カ所しか行かなかったけれど、温泉街をぶらぶらするだけで楽しい。何といっても若い人が多いのは活気があって良いですね。

 翌朝、妻は外湯に行き、前日とはまた違った雰囲気で満足して帰ってきました。私は面倒なので旅館の温泉に入ったところ、狭くて何の面白みもない普通の風呂で、ちょっとがっかり。外湯に行けばよかった。でも朝食は充実していて、ご飯のお替りもしてしまいました。

 全体に非常に満足した一泊でした。

 

すべてに充実した三朝温泉の旅館

 実は今回の旅行の一番の目的はここの高級旅館に泊まること。露天風呂付きのちょっと豪華な特別室に泊まりました。

 温泉街はとても静か。開いている店も少なく歩いている人もほとんどいない状況で、ちょっと「さびれた感」のある温泉街でした。橋のたもとの露天風呂は非常に見通しが良く、地元の男性が堂々と入って裸で歩き回っているので、女性はお湯に触れてみたいと思っても近寄ることができないでしょうね。

 私が三朝にいたころはもっとにぎやかだった。また少なくとも昼間に露天風呂に入っている人はいなかったので、観光客が気軽に近付けました。

 それに対して旅館の施設や人の対応はホスピタリティあふれる素晴らしいもので、多くのお客さんでにぎわっていました。温泉は回遊式で様々な形式のものがあり、そこだけで十分楽しめるものでした。また夕食は地元の食材をふんだんに使った豪華なもので、味も盛り付けもすばらしく、とてもおいしく味わうことができました。お腹いっぱいで行かなかったけれどラウンジもあったり、館内にお土産屋さんや朝市が催されたり、そのほかのサービスも満足のいくものでした。

 泊りがけの宴会などが目的の団体旅行や、上げ膳据え膳でもてなされたい場合は良いでしょうね。

 ただ、この旅館内だけですべて賄えるので、街へ出る必要がないので、この旅館は儲かるけれど地域全体としてどれだけ潤うかは疑問です。

 

どちらが良いかは人によって違うと思いますが、私は城崎温泉のやりかたの方が好きです。

 

なお、三朝温泉は私が大学院修士課程を過ごしたところです。当時は岡山大学付属温泉研究所という名称で私は温泉地質学専攻でしたが。そのころは2階建ての小さな施設でしたが、その後地球内部研究センター→固体地球研究センター→地球物質科学研究センターへと名前を変え、もと大学病院だったところも含め、現在は惑星物質研究所となり、国際的研究施設として知られています。温泉街とは逆にこちらの方は随分発展しましたが、これが三朝にとってどのような影響があるのかはわかりません。

 

以前の温泉研究所はこの建物の部分だけ。

 

以前大学病院だった所も研究所になり、病院は移転しました。