印刷・WEB・ITで、
お客様の「伝えたい」をデザインする会社、
ヂヤンテイシステムサービスの小澤です。

あるお客様が、これから印刷に入るパフレットのデザインデータがほしいと言ってきたと、担当者が伝えてきました。

パンフレットの一部を今後、変更しながらペラとしてコピーして使いたいと言うのです。

基本的に、版下データはお渡しできないのです。さらにデザインを無断で変更し使用することはできません。

そのため、アレンジができてしまう版下データは、基本的に弊社ではお渡ししていません。

 

 

デザインの確認のために、現在はPDFファイルでやり取りするケースが多いと思います。

以前はと言っても20年ほど前、デザインの確認をしてもらうために、プルーフをだして紙の状態でお客様に届けたものです。

それを今では、PDFファイルをメールで送るだけなので、便利になったものなのですが、その分、お客様と打合せをする時間が減ったという弊害もでてきたなと感じています。

そして、デザイン確認の手段として、PDFファイルを送っているにもかかわらず、お客様からすればそのデザインごと、自分たちの所有物のような錯覚が起こってしまうことも弊害の1つだと思っています。

デザインをした印刷物を納品しても、デザインの著作権までは譲渡していないのです。

どうしても、版下データが必要ということであれば、データを買い取っていただくことになります。

その場合、買い取り料金は、デザイン料金の5〜10倍程度になります。

そのため弊社では、あまりこの話はせず、改訂して使用するのであれば、弊社が素早く対応し、印刷費もできるだけ下げる努力をするので、そのまま弊社に担当させるのが得であるという説明をします。

仮に買い取りしたとしても、そのデザインを変えて使用したり、アレンジすることはできないことになっています。

それだけ著作権は守られているのです。

本質的な話をすると、こういうことなるのですが、お客様とのお付き合いもあるので、ご理解いただけるよう、やんわりお伝えすることになります。

そういう意味では、昨今、コンプライアンスを標ぼうする企業が増えてきたのは、とても喜ばしい限りです。

是非とも、著作権のことももっと知ってもらいたいと、この記事を書いています。

 

 

WEBサイトの場合、最終ファイルをお客様のサーバーにアップするか、納品するのが基本なので、このようなトラブルは発生しないと考えていました。

実際に、当社がこれまで納品させていただいたWEBサイトで、お客様との間にデータ所持に関する問題はありませんでした。

しかし、WEBサイトを構築するために準備した、イラレやフォトショップのデータがほしいと言われるケースがあるようなのです。

当然ながら、成果物の中間で使用したデータも、お渡しできないファイルです。

この辺のトラブルで民事訴訟になった判例をみても、著作権者が勝訴しています。

それは30年以上も前、製版フィルムを使って印刷物を作っていた頃から変わりません。

クライアントに中間成果物である製版フィルムの納品を要求されたケースがあったのですが、この時も著作権者が勝訴しています。

製版フィルムが、現在は版下データになっただけです。

版下データは、制作会社しか持っていないようなフォントを使用していたり、データがあれば自由に使いまわせるものではありません。

二次使用をする場合は、版下データはそのデータを作った会社に依頼するのが効率的です。

最初は5万部印刷したが、改訂して使いたいのは100部だけだから、データをくださいなんて話もあります。

そんなケースでも、お客様がデータを扱い、印刷の手配をするよりも、当社が担当した方が、安くできると思います。

当社には、印刷手配の最適化をする「印刷コーディネートサービス」というものがあるからです。



本日のこのような内容は、お客様との関係を保ちたいので、本来は言いづらい話ではあります。

そのため、会社の方針として版下データはお渡しできないことになっていますと、まずはお客様に伝えるようにしています。

それでもそう伝えなければならないのは、ここにけじめをつけなければ、我々の業界のみならず、アイディアを売る、あらゆるクリエィティブな仕事が疲弊してしまうからです。

WEBサイトから画像をダウンロードし、印刷物に使用したら、著作権を侵害していたなんてことになりかねません。

著作権に対する意識が広まってほしいと心から願っています。

と、今日はここまで。

ブログは続きます。