日銀の黒田バス―カの真の狙いは? | 「ヘッジファンドの投資戦略」の無料トレードシグナル配信中 by ケビン チャン

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■日銀の黒田バス―カの真の狙いは?

現在、米国の量的緩和政策QE1~QE3の実施により、
証券高が進んでおり、米国の株式・債券市場が史上稀に見る
バブルである事は、前々回のファンダメンタルズ編で述べました。

しかし、元FRB議長を務めたバーナンキ、グリーンスパンの
両氏ともに、量的緩和政策は、実態経済には効果がなかった
ことを認めており、実態経済とは大きく乖離した形で、
証券バブルのみが進行していきました。

そしてQE3が終了した10月末には、テクニカル・ファンダメンタルズ両面からみて、
既に米国景気は天井形成局面の終盤に差し掛かっている事が示唆されています。

そんな中、世界市場の株高・債券高を維持する役割を果たしてきた
QE3が10月をもって終了した事により、米国の株式市場は、
大規模な反落にさらされる可能性が高まっていました。

しかし、日銀はこのタイミングで10月31日に追加の量的緩和政策(いわゆる黒田ハズーカ第二弾)を発表し、市場への資金供給量を現行の年間60兆円~70兆円規模から80兆円規模に拡大する追加の金融緩和を決めました。

黒田ハズーカ第二弾の具体的な内容は、長期国債の購入を年間50兆円から80兆円にすることと、株価に連動する上場投資信託(ETF)の買い入れを3兆円、不動産投資信託(REIT)を約900億円、それぞれ3倍に増やすというものです。

追加緩和規模は、あまり大きなインパクトは無かったのですが、
さすが対米従属国家であるだけに、タイミングが絶妙でした。

それから一気に円安・日本株高の流れとなりました。


世間では、消費増税のためにデフレを克服すべく追加緩和を行ったという見方もあるようですが、それは表の理由に過ぎないと考えられます。

なぜなら、これまでの黒田バズーカ第一弾を実施後も、実態経済の改善を示すデータはほぼ無く、むしろ実態経済を悪化させている事を示す根拠の方が圧倒的に多かったからです。

では日銀は、量的緩和で経済が上向くどころか悪化させているという現状を把握していたにも関わらず、なぜ、このタイミングで追加緩和を行ったのでしょうか?

巷でよく言われているように、「株高により、見せかけだけでも、景気高揚感を煽り、
消費税増税に繋げたい」というのもひとつの見方だと思いますが、私はそれはひとつの理由では
ありますが、主な理由ではないと思います。

本質はおそらく、米国のQEにより、信用買い残が史上最大規模に膨らんでいる米国の機関投資家が、株を現在の高値で売り抜けるためには、かなりの買い出来高が必要です。

彼らが売りたい株を高値で掴ませる「ババ引き役」が必要です。

おそらく、日本政府がその役を引き受けた(実質的なQE4を引き受けさせられた)という事だと思います。


実は日銀の発表の水面下で、それを象徴する発表がありました。

厚生年金と国民年金の資産約127兆円を市場で運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は31日、
投資配分を定める資産構成割合(基本ポートフォリオ)を見直し、新たな資産構成は国内債権35%、国内株式25%、
外国債券15%、外国株式25%とするという発表がありました。

ここで、皆さまの年金について、非常に大きなポートフォリオ比率の転換が行われているのです。

黒田バズーカで日銀が国債を引き受ける代わりに、年金では国債保有比率が約25%も激減し、
その減少分が、外国株・債券および日本株の購入に割り振られたのです。

つまり、30兆円程度が、外国株・債券及び日本株を支えるために支出されるという事になります。

この30兆円が米国機関投資家等の利益確定のために利用される可能性が非常に高いのです。



勿論、最終的に損をするのは日本国民です。

特に年金の減少は、高齢者の生活悪化、ひいては制度自体の崩壊に直結してきますので、深刻な問題です。


ではなぜ、国民を犠牲にするような政策を平気で行うのか?

これから世界株式市場の約3分の1の規模を占める米国株式市場のバブルが弾ければ、
米国投資家比率の多い日経平均も共倒れです。

そうなると株価頼みの安倍政権の支持率は暴落し、政権運営が困難となるため、
米国金融界と日本政府の利害関係は一致しているからでしょう。

つまり、(安倍政権に限らず)いつの時代も同じだと思いますが、政権の延命のために
国民資産は犠牲になるという事でしょう。(人間の本質が変わらない限り、歴史は繰り返します)

これは歴史的に見ても何度も繰り返されている悲劇です。

仮に政権が変わったとしても、いずれにせよ、マスコミによる扇動が容易な日本の国民性を
最大限に利用して延命的な財政政策を行い、最終的にはインフレ地獄(あるいはスタグフレーション地獄?)
が日本を襲う事は間違いないでしょう。

実際に、日銀の国債保有残高は、黒田バズーカ第二弾終了時には、GDPの7割にも上るとされており、
この国債を国内金融機関で処理するのは不可能で、既に自転車操業状態に入り、
カウントダウンが始まったと考えられております。

将来的に日本が財政破綻すれば、韓国の財政破綻の際と同じく、IMF等の救済(買収?)により、
日本企業は二束三文で支配下におかけれる日が来るでしょう。

たいがい、文章の締めは「そうならない事を祈る」ですが、
祈るだけでは、何の足しにもなりません。


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