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スローコスメから見た新時代化粧品事情

化粧品の良し悪しは10年~30年(長期間)使用してお肌が健康であるかどうかにあります。

石けんなら毎日使っても大丈夫


新しい石けんを取り出すとき、箱の裏を見て下さい。パラベンという表示指定成分が出ていると思います。石けんによっては、エデト酸が表示されているかもしれません。もし、きれいな色をしている石けんだったら、赤色二一三号というような着色料が表示されている場合もあります。


パラベンは安息香酸およびフェノールという毒性をあわせもつ酸化防止剤です。エデト酸はアミン系の薬品で、硬水の軟化をかねた酸化防止剤です。歯石を溶かすので歯みがきにも使われています。


石けんの脂肪酸部分が酸化すると刺激が強くなって肌の弱い人はヒリヒリするし、洗浄力も悪くなって変色もします。酸化防止剤はそういうことを防ぐために使われる薬品です。しかし安息香酸もフェノールもアミン類も毒物なのです。


では、「石けんは私たちの肌を傷めているか?」といえば、そんなことはありません。毎日石けんで洗っているからだを見て下さい。からだの肌は歳のわりに若々しいままという人が多いのではないでしょうか。そのわけは、石けんは比較的安全な界面活性剤だからです。合成界面活性剤で近代化された化粧品とはちがい、角化層という肌のカラをこわしません。そのため、肌のカラがこうした毒物の侵入を防いでくれます。


今までブログにおいて、化粧品公害の本質について話をすすめてきましたが、その多くは乳液の製造が可能であるような合成界面活性剤が起爆剤になっていることがおわかりいただけたと思います。改めてそれをまとめてみると、以下の6項目になります。


①肌には二重のカラ(角質層+顆粒層)があって、その二つをまとめて角化層という。


②角化層の主成分はタンパク質と脂質である。


③ほとんどすべての化粧品には合成界面活性剤が含まれている。


④合成界面活性剤は角化層の脂質を流失させる。


⑤ ④の現象がおきると、タンパク質がむき出しになって変性破壊される。


⑥ ④、⑤により角化層が弱化すると、異物が肌に浸透し、肌を慢性破壊していく。


◎その結果、肌の乾燥化=老化の第一歩がすすみ、シミ、シワの多い素肌になってしまいます)


◎化粧品公害の基本は、親水基の強い(界面活性の強い)合成界面活性剤と化学添加物の複合作用といえます。


合成界面活性剤が肌のカラをこわす


右手の甲を石けんで、左手の甲を合成洗剤系のシャンプーで洗ってみて下さい。そして両手をにぎって、こぶしを水に入れて出してみます。右手は勢いよく水を弾くのに対して、左手は水を弾くことができず、水がこぶしの表面にさあっと広がってしまう様子がわかると思います。


この実験は陰イオン系または非イオン系の合成界面活性剤を添加した石けんではできませんが、純粋な石けん(成分表に石けん素地と表示)ならその差がはっきり表れます。これが、石けんが角化層をこわさないことを示す簡単な実験です。


からだは肉厚のパイプと同じで、外側の皮(肌)と内側の皮(腸皮)にはさまれています。もちろん腸皮は栄養を吸収する皮で、肌は化粧品など外界からの物質の侵入を拒絶する皮です。


肌のそういう機能、脂を主役とするその機能をバリアゾーンといいますが、そのために角化層があるわけです。その角化層を合成界面活性剤がいとも簡単にこわしてしまうことを、この実験が暗示しています。


洗顔フォームやクレンジング類などの合成界面活性剤を多量に含む洗顔剤は特別としても、ふつうの化粧品には、数%(たとえばクリームや乳液には3~4%、ファンデーションクリームには2%ぐらい)の合成界面活性剤が親水基の強いものを含めて使用されています。こういう化粧品を毎日使うと角化層が壊れてしまいます。メイクを10年間以上つづけてきた人は、洗顔したとき化粧品をつけないで乾いたままの素肌を鏡でよく見て頂きたいと思います。


◎勢いよく水を弾くような油膜が素肌にありますか?


◎生気を失ったような肌になってはいませんか?

人間を含め、すべての生き物にとって一番大切なのは環境です。メダカや金魚は、淡水という環境の中で生きています。もし、海水の中に入れたら環境破壊で死んでしまいます。また清水の中に生きるナマズを泥水に入れたら、やはり生きてはいけません。そして何よりも海や川、湖に棲む生物の肌に必要なのは、常に水と接しているということです。


同じように、地上に住む私たち人間の肌に良い環境と悪い環境があるはずです。何回も繰り返しになりますが、人の皮膚にとって最も必要なのは「皮脂」です。からだ中が適度な「皮脂」におおわれていることが、最高の環境なのです。


進化の過程で体毛を失った人類は、他の哺乳類よりも余計に皮膚を補強するための「皮脂」が必要になります。外界から侵入する異物を体毛で防御できない分、「皮脂」を壁として防がなければならないからです。


ただ、大切な「皮脂」も、多すぎて角質から一歩外へ出るとベトついて気持ち悪く感じます。そこで、シャワーを浴びたり、顔を石けんで洗ったり、あるいは、おしぼりで顔を拭うだけでもスッキリとして気持ちよく感じます。体毛のない人間は、全身の「皮脂」をこのようにしてコントロールしながら皮膚の環境整備をしているわけです。


肌の角質層に含まれている「皮脂」は決して気持ち悪いものではなく、汗と混ざってベトつき、気持ち悪く感じるのは角質層からはみでた余分な「皮脂」だけです。


しかし、現在の化粧品は、余分な「皮脂」を拭い去ったときの気持ちよさだけを求めています。そして常に気持ちよくしておくには、角質層に含まれている「皮脂」もとり去ってしまおうと、化粧品から脂分を追放し(オイルフリー)、角質層に水を大量に閉じこめる保水化粧品でほぼ固めてしまいました。


肌につけて気持ちのよいものだけをとりいれることによって、肌の環境を破壊してしまったのです。それを可能にしたのが合成界面活性剤であり、合成樹脂なのです。


もし、合成界面活性剤や無添加・無香料・自然化粧品に使われている合成樹脂をつけることが、人の肌にとって理想の環境だというふうに変化したのなら、環境破壊とは言えません。しかし、人の皮膚は、何万年たっても変化していません。人の肌(角質層)が欲する最高の環境は、昔も今も「皮脂」です。


水ではないし、耳新しい植物油でもありません。また、コラーゲンでもないし、植物エキスでもありません。もともと皮膚は、そういった薬効成分を吸収して、肌を活性化してくれるわけではありません。


でも、多くの女性は肌が肌によい成分をちゃんと吸収してくれるという生化学的な効果を期待しています。メーカーサイドが、いかにも生化学的な効果があるように宣伝するのですから、女性たちがそう思い込むのも無理はありません。


しかし、角質層という死んだ組織に、生化学的なことを望むのは見当違いといえます。角質層に必要なのは補強、柔軟性、通気性など、あくまでも物理的な性質です。外界の毒性物質や紫外線から肌を保護したり、角質層を補強したり、肌色がきれいに見えるようにするなどの目的を満たすために存在するのが化粧品なのです。

創業70年 日本唯一のスローコスメ「ゼノア化粧料本舗」から、新版「やさしい化粧品のはなし」が発行されました。肌のしくみ、お肌と化粧品の関係、化粧品の歴史と最新の化粧品事情を網羅したものになっています。ご希望の方には、商品購入の際に同封させて頂きます。(在庫限定、数に限りがありますのでお早めに!)

                        
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創業70年 日本唯一のスローコスメ「ゼノア化粧料本舗」販売店:シオカ科学


以下目次を紹介させて頂きます。


はじめに・・・・・化粧品の現実

1.[クリームのすりこみ方]
◯ヒフの中にクリームは入らない。

2.[化粧品は三つにわけて考えよう]
○化粧品は基本を知っていなければ、正しい選択も使い方もできない。

3.[ヒフの壁は脂紙]
○角質層は脂紙。脂紙を破るとヒフは不健康になって老化が進む。

4.[脂をとれば気持ちはいいが]
○合成洗剤と合成樹脂は気持はいいが肌環境を破壊する。

5.[危険!しっとり型の洗顔剤]
○しっとりさせる行為が逆にヒフを弱くする。

6.[乳液を下地にしてはいけない]
○メイクやUVカット化粧品の下地は、脂気のある固めのクリームで。

7.[石鹸は生き物を殺さない]
○石鹸は自然の産物。

◎乾燥肌は「びがんこ」で洗顔 【ゼノアの頁】

8.[コールドクリームとバニシングクリーム]
○クリームの歴史。

◎フリージアクリームは安全なUVカット化粧品 【ゼノアの頁】

9.[どういう基礎化粧品を求めたらよいか]
○化粧水+クリーム=皮脂に近い成分が理想。

◎クリームいろいろ 【ゼノアの頁】

10.[アンチエイジング化粧品は保湿化粧品とおなじ]
○静かに広がる第一次、第二次を上回る化粧品公害

11.[白濁するクレンジングは使うな]
○クレンジングオイルは、合成界面活性剤をミシン油で薄めたタイプの合成洗剤。

12.[無水型コールドクリームの歴史]
○固い脂はやわらかい油でマッサージして溶かして、ふき取り、それから洗えばよく落ちる。

◎固いよごれは、やわらかくした固い脂で溶かせ 【ゼノアの頁】 

13.[「植物性洗浄剤」という嘘」]
○合成界面活性剤は石油から、というのはもう古い。

14.[合成樹脂がやって来た]
○合成樹脂は今日の第二次化粧品公害を引き起こしている主犯。

15.[シミになる植物エキス]
○植物を食べるのは安全、つけるのは危険という、植物と人間の不思議な関係。

◎ビューティ・シールドの応用 【ゼノアの頁】

16.[自然化粧品の正体]
○ヒフ本来の環境は親油性。オイルフリーはヒフの健康を損なうだけ。

17.[美顔術]
○老化の抑止とメイク用化粧品の毒性の排泄がパックの目的。

◎剥離パック性美顔術 【ゼノアの頁】

18.[メイクアップ]
○メイクアップは下地を固めに仕上げ、メイクも固めに仕上げることが基本。

◎安全なメイク 【ゼノアの頁】

19.[UVカット化粧品]
○水っぽいUVカット化粧品は、肌に危険!

◎ヒフを強くするローションA30 【ゼノアの頁】

20.[ピリピリするのはヒフの穴]
○皮脂の働きによってヒフが丈夫になる。

◎傷んだヒフの回復・5段階法 【ゼノアの頁】

21.[かぶれ]
○かぶれとは異物を自然に排泄するヒフのシステム。

22.[ヒフの慣らし運転]
○減感作法をすれば、かなりの確率で化粧品かぶれを防げる。

23.[年をとったら色黒に]
○色白になるには新しいヒフを誕生させる方法が安全。

24.[クリームの使い方]
○睡眠時は化粧品を一切落として寝るのが正しい。

25.[シャンプーが洗剤になった]
○シャンプーは合成洗剤。キューティクルを溶かして髪を細く、弱くする。

◎洗顔と洗髪、基本はおなじ 【ゼノアの頁】

26.[リンス・イン・シャンプーとは?]
○リンスもシャンプーも同じ原料。頭皮が弱くなり、毛根が減少する。

27.[今なぜポマードが必要か?]
○髪と頭皮を守る整髪法とは?

28.[育毛剤の科学]
○育毛剤には3つの基本がある。

◎そうこんA30 【ゼノアの頁】

あとがきにかえて・・・・・美は食にあり

新時代化粧品公害がはじまった-「アンチ・エイジング化粧品の秘密」


1950年代に始まった第1次化粧品公害は、合成界面活性剤の乱用が原因でした。素肌につける乳液やクリームに数種の合成界年活性剤が3~6%も添加されていたのですから、肌を守るバリヤがこわれて当然です。


消費者団体が応援した化粧品でさえ例外ではありません。それどころか合成界面活性剤の一部を保形剤と称して隠したのです。


私たちは、は1955年頃から皮膚のバリアの重要性を唱え、バリアをこわす原料には厳しい批判を加えてきました。


今でこそ有識者は化粧品中の合成界面活性剤を批判していますが、世界で初めてこの原料に着目し、合成界面活性剤が化粧品中の異物を皮内に浸透させ、肌の健康を害すると警告したのも「ゼノア化粧料本舗」です。


現在、新化粧品メーカーから大手メーカーまで、アンチ・エイジング化粧品を一斉に導入していますが、この化粧品は、「ポリマーと合成界面活性剤を応用した欧米の保湿化粧品」を真似たものです。


その仕組みを詳しく説明しますと、合成界面活性剤がバリアを壊し、水を引き連れて皮膚内に入ります。皮膚は膨らみ、シワは伸びます。一方、ポリマーは皮膚内に入れず、一部の水を抱えたまま皮膚の表面に残り、徐々に水が蒸発して生ゴムのような皮膜になります。そしてこの皮膜が皮膚に入った水の蒸発を防ぐのです。


つまりポリマーの皮膜で外側はツルツル、合成界面活性剤の水溶液で内側はバンバンになりシワは一時消えてしまいます。バンバンになる日数は合成界面活性剤の濃度できまります。だから1日とか1週間とか、メーカーによって異なるわけです。これが若返り(アンチエイジング)化粧品、すなわち合成界面活性剤を増量した欧米型の保湿化粧品だったのです。


合成界面活性剤を使った乳液やクリームは、シワを目立たなくするというメリットがあります。皮脂腺を萎縮させ吹き出物やニキビに悩まなくなるというメリットもあります。ただし、皮膚そのものバリア(角質層+顆粒層)を弱め、不健康にするわけですから、老化が早く進んでしまうという問題は残るのです。


また皮脂腺や角質細胞間脂質を洗い流してしまうということは、メイクが、より危険になるということです。メイク用化粧品は皮膚を、より美しく塗装したり、落ちにくい塗装で皮膚を飾るのが目的です。皮膚の健康にとって都合の悪い原料も使わざるをえない化粧品です。ですから、皮膚のバリアが弱いと様々な異物によって皮膚の健康が阻害されていきます。それがメイクによる皮膚の「くすみ」なのです。バリアが弱くなったらメイクの毒性をまともに受けることになる、ということを忘れてはいけません。


「欧米のスキンケア」は、シワになったら肌を水で膨らませる、肌が荒れたらポリマーですべすべにする、シミになったら漂白。合成洗剤の原料も、肌に水を吸わせるから保湿剤でありスキンコンディショニング剤。という思想です。日本人が肌の健康を守るための「肌の手当」とは全く違います。


お化粧品は、女性の方が一生涯お付き合いするとっても大切な親友です。貴女は親友のことをどれくらいご存じですか?肌のしくみと、お肌と化粧品の関係を知ることが、化粧品選びの第一歩です。貴女の10年後の素肌の為に・・・

乳液やクリームをつけるのは、ヒフの壁(角質層と顆粒層を総称して角化層という。化粧品をすりこむのは角質層)を脂で補強するためです。


若い人は皮脂が多いため、ほんのすこし脂を補充すればいいというわけで、クリームよりずっと水分の多い乳液を使います。しかし乳液は水分が多い保水性の化粧品です。ヒフが弱くなって、メイクの化粧品中の有害な色素(タール色素やレーキ類)にやられてしまいます。乳液をぬって、その上にいきなりおしろいをはたく、そんなメイクのやり方はヒフに悪影響を与えます。


かためのファンデーションクリームをつけて、その上からおしろいをはたく、というのならメイク層がしっかり固まって安全のように思えるかもしれません。でも、その層が乳液中の乳化剤によって乳化され、やわらかくなってヒフを攻撃します。


クリームより乳液がいいという中高年の女性は年齢の割に皮脂が出て、一般にヒフが健康なのですが、容器を倒すとトロトロと流れだすようなやわらかい乳液を使っているうちに乾燥肌になってきます。乾燥肌はヒフが不健康になる第一歩です。


市販の乳液はすべて(例外はありません)合成界面活性剤で油と水をまぜて作られます。ヒフの壁はこういう乳液によってこわれやすくなります。壁がこわれたらタール色素などの毒性物質がヒフの中に入ってきてしまいます。


乳液でもかなり固めのものがあって、そうなるとクリームとの差があまりなくなります。どちらにしろ、固いもののほうが比較的安全です。


固いものには脂が多く含まれています。それが気になる人は、ヒフにすり込んだ後、布でかるくおさえることです。脂気を極端にきらう人は、ヒフによくすりこんだ後、蒸しタオルでおさえる方法があります。脂気のついた手はそのままその蒸しタオルでふいて下さい。


乳液を下地にするのなら、使用するメイク用化粧品にタール色素や合成界面活性剤などがふくまれていないことを確認することが大切です。そして、乳液そのもののチェック、つまり合成界面活性剤のチェックも必要です。


メイクやUVカットなど毒性をふくむことの多い化粧品は、「脂気のある、固めのクリームでヒフを守って、その上から使う」このことがメイク化粧品を使用する時の基本になります。

8000万年前、厚い皮の爬虫類から薄い皮の哺乳類が生まれました。爬虫類はウロコを持つ厚い角質層でヒフを守っていましたが、哺乳類はウロコをなくし角質層を薄くして、そのぶん失われた角質層を毛に変えて体が冷えないよう、地球の寒冷化に対処しました。


角質層を補強するには皮脂を出さなければなりませんが、あまり出すぎると毛がよじれて保温できなくなります。だから哺乳類には舌で毛をなめて、余分になった皮脂を取る習性ができたのです。皆さんも家庭で飼っている犬や猫が、このようなしぐさをするところを見たことがあると思います。この時、犬や猫は、とっても気持ちよく感じています。人間も同じですね。洗浄剤で脂を洗い流すと、気持ちよく感じてしまいます。


暑くて皮脂が出て顔がべとべとしたとき、おしぼりでぬぐってみると、さっぱりして気持ちがいいですね。洗浄剤で洗わなくても、水でぬらした布でぬぐう程度でも、気持ちよく感じます。


髪を洗うのに石鹸を合成洗剤(シャンプー)にかえ、洗顔するのに石鹸や洗い粉を合成洗剤(クレンジング、洗顔フォーム)にかえて脂をより多く洗い流すようにして気持ちよくなりました。これが1950年代。しかし、そのぶんヒフが弱くなってしまいました。


またポマード(脂製)ではなくリキッドやムース(合成樹脂)で整髪するようになり、基礎化粧品をクリーム(脂製)から新型のクリーム(合成樹脂)にかえて気持ちよくしました。


化粧品がこのように変化してきたのは、そのほうが化粧品が売りやすかったからです。


皮脂を取り、脂を使わなければ気持ちよく感じます。気持ちがいいと女性はヒフにもいいものだと勘違いしてしまいます。だから売れるという事情があります。でも、ヒフはますます弱くなってしまいます。


脂と違って合成樹脂なら酸化防止剤もいりません。そして、香料も防腐剤も同じように必要ありません。人は無香料・無添加なら自然で安全だと勘違いします。これが自然化粧品のカラクリなのです。

クリームは皮脂の代用品です。とすれば代用品がほんものと似ているかどうか、両者の基本構造を比べてみることが大切です。


皮脂の組成は複雑です。でも、汗にある乳酸もくわえて皮脂はおおまかに、


①油脂および高級炭化水素


②脂肪酸


③グリセリン


④乳酸、燐酸


⑤水 という組成になります。すると、皮脂は、


A:コールドクリーム       「①と⑤から」


B:バニシングクリーム      「②と⑤から」


C:粘りのある弱酸性化粧水 「③と④と⑤から」


という3種の化粧品の混合物であると考えられます。

弱酸性化粧水という言葉が出てきましたが、皮脂はPH5~6ぐらいの弱い酸性です。たとえば日本ではヘチマ水(PH6程度)という弱酸性化粧水を生活の知恵で考案しています。時と所はばらばらでも、人はいつのまにか皮脂の全部品を作っていたのです。


クリームは皮脂の代用品として使う物ですから、できるだけ皮脂に近い物がいいといえます。


ゼノアでは、コールドクリームとバニシングクリームをまぜたものを混合型クリームと呼びますが、基礎化粧は洗顔後、


1.粘りのある弱酸性化粧水をつけ、あるていど乾いたら、

2.混合型のクリームをヒフにすりこむ


これが基本であると私たちは考えてきました。


コールドクリームやバニシングクリームは水を多くすれば、そのまま乳液になります。また、実際の商品名はメーカーによって工夫されています。


ここでいうコールドクリームとバニシングクリームという名前は、現実とは違って、化学上の名前をさします。たとえば、コールドクリームに合成洗剤をくわえたものをクレンジングクリームともコールドクリーム(水で流せるという商品がその一例)ともいうように、クリームの名前はややこしい場合があります。

若い人達のヒフは水分が多くて、瑞々(みずみず)しいのが特徴です。だからといって、中高年の方々が、ヒフに水分を物理的に注入しても、ヒフは若返ることはありません。水分をふくんで一時的に瑞々しく見えるだけです。


保水性化粧品でヒフをしっとりさせている人は、その行為が逆にヒフを弱くしていることを知っていただきたいと思います。乳液や保湿性の高い洗顔料で毎日ヒフをしっとりさせている人は、新聞紙を水につけて乾燥させるとシワシワになってしまう現象を思い浮かべて下さい。


瑞々しいヒフとは?ヒフの表面が水っぽい、ということではありません。生きている部分、つまり壁の内側の生組織が水分を多くふくみ、また壁が脂で閉じられて水分の蒸発をふせいでいるのです。そういったヒフを瑞々しいヒフといいます。何度も繰り返しますが、ヒフの表面は脂紙なのです。


水と油を界面活性剤(乳化剤)を使ってまぜるとクリームが出来ます。界面活性剤として石鹸とアミノ酸系合成界面活性剤の2種類を用いて、2種類のクリームを作ってみましょう。


できたときは同じクリームなのですが、時間がたつにつれて石鹸で作ったクリームのほうは固くなります。石鹸は乳化力が弱いので、水が蒸発して逃げてしまい、固いステアリン酸が固まってしまうからです。


しかし、アミノ酸系で作ったクリームはあまり固くなりません。簡単にいえば、アミノ酸系合成界面活性剤は水と脂をくっつける乳化力が強いのです。乳化力が強いと皮脂膜をこわしてヒフを弱めてしまいます。


アミノ酸系合成界面活性剤は、合成界面活性剤としては比較的に力が弱いほうです。しかしこれを洗顔剤や洗髪用の化粧品に商品化するときは、別の合成界面活性剤もまぜて使います。


つまり、実際に商品化されているアミノ酸系の洗顔料は、上記の実験から推測するよりも、もっと悪い影響をヒフにあたえていると考えられます。


ヒフは皮脂におおわれているから、水をはじきます。ヒフ本来の環境は親油性という環境だからです。このような保水性の化粧品を乱用すると、ヒフは親水性に傾いてしまいます。これは明らかにヒフの環境破壊といえます。

日本で唯一、合成界面活性剤(合成洗剤)を使用していない、安心で安全なメイク落とし、無水型(非乳化型)コールドクリームを作り続けている「ゼノア化粧料本舗」から、新しいコールドクリームが発売されました。


保水型化粧品・無添加・UV・美白・アンチエイジング等のお化粧品を連用された方に多く見られる現代版の不思議なニキビ。それがアダルトニキビです。 従来型の普通のニキビ(脂性肌によるもの)、そして最近流行のアダルトニキビ(乾燥とニキビの混在するお肌)、どちらのタイプのニキビにもお奨めできる、「汚れ落としとニキビケア」という目的のはっきりしているコールドクリームです。


ゼノアが使用するミネラルオイルは、日本薬局法が定めるよりも純度が高く、未精製の植物オイルよりも安全性の高いものです。角栓のケアにも最適です。 「コールドクリーム トゥウェンティ」の発売を記念して、「専用ふき取りスポンジ(税込:420円)」をプレゼント中です。[8/31まで]


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創業70年 日本唯一のスローコスメ 「ゼノア化粧料本舗」

化粧品は、肌を塗ったり(メイクアップ)、肌の健康を保ったり(基礎化粧)するためのものです。その目的にそっていろいろな原料を使うので、個々の原料が、あるいはその原料でつくった化粧品が肌にどんな影響を与えるのかを判断するのは難しいものがあります。そのためには、肌の性質やしくみを知らなければなりません。


女性は自分の気に入ったクリームか乳液を選んで使っているのですが、「なぜ、その化粧品を使っているのですか?」とためしに30~40代の女性たちに聞いてみました。すると、90%以上の人は「自分の肌に合っているから使っている」と答えます。


「自分の肌に合っている」ということは、いったいどういう意味なのでしょうか。しっこく問いつめると、次の3点に集約されるようです。


①つけると気持がよい。
②かぶれなどのトラブルがおきない。
③肌が潤って小ジワも減るようだ


これを別の言葉でいい表すと、こうなります。


①感触がよい。
②刺激がない。
③肌が膨潤する。


 まず感触の問題ですが、肌に一番よいのは皮脂です。男性の肌は女性より皮脂が多いので、比較するとより強くて老化が遅いといわれています。皮脂を本物のクリームとすれば、女性が使っているクリームや乳液はその代用品でしかありません。


 ところが、代用品よりよいはずの皮脂は、ご存知のようにべたべたして気持ちが悪く、感触もよくありません。このことからみても、感触がよいからといってよい化粧品であるとは限らないのです。①は根拠のない選択基準であることがおわかりでしょう。


 次に刺激の問題です。刺激を受けて肌が感作(かゆみ、湿疹、炎症などのアレルギーになること)するかしないかには個人差があります。後にくわしく説明しますが、感作しない人にとってはその化粧品は刺激毒ではありません。ウルシのように極端に強い刺激物は別として、他の人がほとんど平気なのに自分だけ感作したというときは、まず自分の肌に責任がないのかを疑ってみるべきでしょう。


 もしかすると、ほかの化粧品によって肌のバリアゾーンが壊れ、そのために刺激成分が侵入しやすい肌になってしまったためかもしれません。もしくは、不自然な生活や偏食が、バリアゾーンの形成を著しく低下させてしまったためかもしれません


 ですから、②は多くの場合、刺激そのものよりも、本来は問題にならない程度であるはずの刺激にも感作してしまう現代人の弱い肌に、より大きな問題があるのではないでしょうか。今日まで化粧品が年々刺激物をさけてつくられるようになってきたのに、そういう低刺激の化粧品にも耐えられなくなって、微香とか無香という化粧品が珍重されるようになってしまった現状に、このことはよく現れていると思います。


 最後に膨潤の問題です。クリームや乳液、とくに乳液は、原料構成から判断して肌に入りやすい化粧品です。水と脂が肌に入るのだから肌が膨らむのは当然です。しかし、油や水が入って物理的に肌が膨らんだからといって、それが肌の生理に役立つというわけではありません。逆に、化粧品は私たちの肌には同化するはずのない異物ですから、入れば入るほど肌は異物を抱えることになって疲労し、肌の老化を早めてしまうのです。


 いま肌を膨らませて小ジワが少なくなったように見えても、10年後や20年後に歳をとってからひどい肌をしているのでは、話になりません。新聞紙を水に浸せばしっとりと膨潤しますが、水が蒸発すればカサカサになって前よりひどい紙になってしまいます。それと同じで、肌の表面の角質は紙に似た固くて粗いタンパク質ですから、何年もこのような行為をくり返していると強度を失って、やがて角質に守られている内側の肌までこわれかねません。このように③もまた、あまり根拠のない選択基準といえます。


 化粧品を使うと肌が早く歳をとるという現代の不幸な状況は、肌を理解せずに感触だけで化粧品を選択し、使用することに、根本的な原因があります。そういう不幸を避けるために、まず肌のしくみを知っていただきたいのです。