石けんなら毎日使っても大丈夫
新しい石けんを取り出すとき、箱の裏を見て下さい。パラベンという表示指定成分が出ていると思います。石けんによっては、エデト酸が表示されているかもしれません。もし、きれいな色をしている石けんだったら、赤色二一三号というような着色料が表示されている場合もあります。
パラベンは安息香酸およびフェノールという毒性をあわせもつ酸化防止剤です。エデト酸はアミン系の薬品で、硬水の軟化をかねた酸化防止剤です。歯石を溶かすので歯みがきにも使われています。
石けんの脂肪酸部分が酸化すると刺激が強くなって肌の弱い人はヒリヒリするし、洗浄力も悪くなって変色もします。酸化防止剤はそういうことを防ぐために使われる薬品です。しかし安息香酸もフェノールもアミン類も毒物なのです。
では、「石けんは私たちの肌を傷めているか?」といえば、そんなことはありません。毎日石けんで洗っているからだを見て下さい。からだの肌は歳のわりに若々しいままという人が多いのではないでしょうか。そのわけは、石けんは比較的安全な界面活性剤だからです。合成界面活性剤で近代化された化粧品とはちがい、角化層という肌のカラをこわしません。そのため、肌のカラがこうした毒物の侵入を防いでくれます。
今までブログにおいて、化粧品公害の本質について話をすすめてきましたが、その多くは乳液の製造が可能であるような合成界面活性剤が起爆剤になっていることがおわかりいただけたと思います。改めてそれをまとめてみると、以下の6項目になります。
①肌には二重のカラ(角質層+顆粒層)があって、その二つをまとめて角化層という。
②角化層の主成分はタンパク質と脂質である。
③ほとんどすべての化粧品には合成界面活性剤が含まれている。
④合成界面活性剤は角化層の脂質を流失させる。
⑤ ④の現象がおきると、タンパク質がむき出しになって変性破壊される。
⑥ ④、⑤により角化層が弱化すると、異物が肌に浸透し、肌を慢性破壊していく。
◎その結果、肌の乾燥化=老化の第一歩がすすみ、シミ、シワの多い素肌になってしまいます)
◎化粧品公害の基本は、親水基の強い(界面活性の強い)合成界面活性剤と化学添加物の複合作用といえます。
合成界面活性剤が肌のカラをこわす
右手の甲を石けんで、左手の甲を合成洗剤系のシャンプーで洗ってみて下さい。そして両手をにぎって、こぶしを水に入れて出してみます。右手は勢いよく水を弾くのに対して、左手は水を弾くことができず、水がこぶしの表面にさあっと広がってしまう様子がわかると思います。
この実験は陰イオン系または非イオン系の合成界面活性剤を添加した石けんではできませんが、純粋な石けん(成分表に石けん素地と表示)ならその差がはっきり表れます。これが、石けんが角化層をこわさないことを示す簡単な実験です。
からだは肉厚のパイプと同じで、外側の皮(肌)と内側の皮(腸皮)にはさまれています。もちろん腸皮は栄養を吸収する皮で、肌は化粧品など外界からの物質の侵入を拒絶する皮です。
肌のそういう機能、脂を主役とするその機能をバリアゾーンといいますが、そのために角化層があるわけです。その角化層を合成界面活性剤がいとも簡単にこわしてしまうことを、この実験が暗示しています。
洗顔フォームやクレンジング類などの合成界面活性剤を多量に含む洗顔剤は特別としても、ふつうの化粧品には、数%(たとえばクリームや乳液には3~4%、ファンデーションクリームには2%ぐらい)の合成界面活性剤が親水基の強いものを含めて使用されています。こういう化粧品を毎日使うと角化層が壊れてしまいます。メイクを10年間以上つづけてきた人は、洗顔したとき化粧品をつけないで乾いたままの素肌を鏡でよく見て頂きたいと思います。
◎勢いよく水を弾くような油膜が素肌にありますか?
◎生気を失ったような肌になってはいませんか?