脈の種類は沢山ありますが、
わかりやすいものを少し、
あげてみましょう。
《浮》
脈を軽くおさえて
緊張して触れる脈で、表実と言って、
表に熱を出しています。
実証の人の場合にこの脈証が
あらわれます。
漢方は葛根湯や麻黄湯を与えます。
《沈》
指を深く抑えこむと
触れる脈で、表虚沈実の証で、
麻黄附子細辛湯を与えると
効きます。
《数（さく）》
拍動数の多い脈で、
表熱の証で桂枝湯などが
与えられます。
《遅》
遅脈は１分間に６０以下の脈で、
うつ病の傾向があれば
加味逍遙散などを与えます
《大・洪》
軽くおさえても
大きく触れる虚証の脈で、
附子剤などを与えます。
《細・小》
気力の衰えた脈で、
女性陰虚証で
当帰芍薬散などを
与える場合があります。
《弦》
弓のつるを張って
それに触れる感じで、
弾力性の乏しい脈で、
虚証の脈です。
弦脈は八味丸の脈で、
腎虚の脈です。
《緊》
緊張した脈で、
浮緊の脈は表実証です。
桂枝湯か葛根湯を与える
場合があります。
《滑》
血管の中を玉が
ころがっていくような
感じの脈で、体の内部に
熱がある脈です。
承気湯を与える
場合があります
《濇（しょく）》
ギシギシした脈で
血流の不円滑なため、
重篤な患者さんにあらわれます。
四逆湯を与える場合があります。
《弱》
緊脈に対する弱い脈で、
虚証の脈。
人参湯や六君子湯の証です。
《実》
抑えると脈が張って
抵抗のある脈で、
高血圧などにみる脈です。
黄連解毒湯などの証です。
《微》
あるような、ないような脈で、
よくみられるものですが、
漢方は特に定められません。
虚証の脈です。
しかし、虚証の脈ですから、
大黄剤などは
避けなければなりません。
《孔》
大きな脈だがおさえると
抵抗のない脈で、葱の切り口を
おさえる感じの脈です。
八味丸などの証
《伏》
おさえるとやっと触れる脈で、
病毒が急に体内に充満する場合に
この脈がでるので、発汗または
下剤で、病毒を排除しなければ
なりません。
温熱療法に向いている
タイプはこの脈です。
《代》
不整脈で、強く打ったり
弱く打ったりし、
浮になったり沈に
なったりします。
つまりガタガタに
なっている脈で、
病状不安の脈です。
《結》
遅脈でたまに止まったり
する脈です。
瘀血の場合にこの脈が
あらわれることがあり、
身体に水分がなく干からびて
循環障害の生じた場合は、
附子剤が用いられます。
西洋医学で結とか代を
危篤の脈とするのは、
重篤の病人の脈を診る
からであって、
結・代の脈は一般にも
時々みられる脈です。
《緩》
緊でもなく速でもなく、
平穏な脈で緩脈になれば
病気が回復しているという判断の
根拠になります。
鍼灸治療や、
波動療法、食事指導などでは
緩脈になるように体質を調整します。
最適な体質改善策から、
主訴の改善がなされると、
繰り返し元の症状に
戻ることはありません。
日本人に合う、日本古来の伝統療法、
その中核をなしていたものが、
日本古来の脈診だと言われています。
漢方を出してもらう時、
鍼灸治療をしてもらう時、
食事の相性を診てもらう時、
なかなか症状がよくならない時、
脈診による判断をしてくれて
体質を見抜いてくれる先生を
選ぶことをお勧めします。
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