駅の楽しみ方 | マツゴト

平日は朝晩、ぶらり電車に乗って散歩しているmatu 
目的地は、お決まりのカイシャ
・・・・・世で言う通勤 

私にとってはカイシャは日中カラダが居る場所に過ぎない、ココロは自由


ぼーっと電車に乗っちゃいけないよ~、ココも相当おもしろい
新聞や本だけが面白いんじゃないんだよ




では


「朝の駅」で 

構内アナウンスが流れることがある
「何とか線が人身事故で遅れてます」
とか

もしくは
「今日はお帰りの時刻に天候悪化が予想されます
よって電車に遅れが生じる可能性もございますので、
お早目のご帰宅をお願いいたします」




・・・・・・・・・走る気ないんだね



最近は、駅のアナウンスも朝からもう帰れって言ってくるようになった



しかし、この朝のアナウンスは一味違った
「相模原からお越しの○○ ○○(フルネーム)様、お連れ様があとからおいでになるそうですので、●●改札口でお待ち下さい」


・・・・・・・携帯時代に、斬新 
今どきそんな連絡方法ってことは
それって、身代金引渡しの場所指定じゃないよね




後から来るのに・・・そのお連れ様とやら
駅に電話したのかな


まさか駅で名前を呼ばれると思わないから、聞いてなくないか
おそらくこの放送に気づいたのは、私の方が早い





「夕方の駅」で

ホームへ向かう長い長いエスカレータを毎日降りる私
エスカレータの下には、満面の笑みを浮かべたオッチャンが、
私を熱いまなざしで見つめながら待っている


matuブログによくお越しの皆様はお察しの通り


そのオッチャンは手を広げて迎え入れんばかりの笑顔
手にはメモ帳


次の瞬間

「○☆×%$”%○×・・・・・」

バリバリ中国語じゃないかーいっ

メモ帳にはただ、駅名と「日比谷口」とだけ記されている


それだけのメモでTOKYOに来ちゃだめだろ
このオッチャン日本語がわからないだけじゃない
matuでもわかる小学生英語のアップだのダウンだの
はてはワン、ツーもわからない



チーン


お手上げすぎでしょ


このホーム、降りてくるまで相当長い・・・
ここで説明しても絶対わからない
私は、日本語で
「オッチャンじゃあ、一緒にエスカレーターあがるから、着いて来て」
と言った

オッチャンはmatuの言葉を心で理解したようで、ついてきた



にしても、東京の駅は日本人だって始めてきて戸惑うはず
説明するにはどうすればいいんだ

オッチャンが行きたい出口に行くには、ここから階段をあがり
さらに一度別のホームを上がって、
ホームの中にある階段を下りなければいけない

(ただ、私はそこまで一緒に行くことができない)


ややこしすぎるだろ


イロイロ試みるがどれも伝わらない

そのオッチャンもう、ごめんごめんと私に手を合わせてる始末
行ってイイヨというしぐさをするが

見捨てられるわけないでしょーがっ
バカモンっ


最後は駅員さんのところへ連れて行った
駅員さんはそりゃー難しい構内の地図を出してきた
その構内図、駅オタク以外の誰がわかるのよ


仕方なく
「この人は何も分からないから、そんなわかんない地図じゃなく
一緒にその出口まで連れて行ってあげて」

とお願いして、駅員さんがオッチャンと歩みを共にするのを見届けて帰路についた



これが密入国の現場だったらスリリングだなとか思いながら




「夜の駅」で

ドラマな電車に乗った
といっても、ただの通勤につかうありふれた電車

ドアが閉まった時、かけこみ乗車なんかは軽くアナウンスで怒られることはある
バカなヤツらだ 都会の電車は5分と待たずにくるものを



この日は、感動的なアナウンスだった


「ドアが閉まりま~す
皆様、お名残惜しいと思いますが
危険ですので黄色い線の内側までお下がり下さい」



お名残惜しい~だって~



オイ、車掌さん 
名調子ではないか




新年会を終えた、オッチャン達へ向けて、鼻にかかった車掌さんの声は
イヤミなのかユーモアなのか、サービスなのか

そのアナウンスにキョロキョロし
ほくそ笑んだのはおそらくmatuだけだろう



新年会のオッチャン達、お名残惜しい仲間と今宵も呑めてよかったね