オールブラックスはなぜ強いのか? | スポーツメンタルトレーニング指導士 小林玄樹のブログ

みなさん、こんにちは!

 

ここ最近は、ラグビーワールドカップが盛り上がっていますね!

日本 vs アイルランドの試合は燃えましたね!

 

ラグビー最強チームと呼び声が高いのが、ラグビー・ニュージーランド代表のオールブラックスです!

なぜなら、ワールドカップ最多優勝、現在2連覇中、勝率80%を超えると言われているからです。

しかしその反面、ニュージーランドではラグビーが国技であることから、「オールブラックスのジャージーはとてつもなく重いもの」、勝って当たり前、国民の期待、誇りといった常にプレッシャーがつきまといます。

 

今回は、オールブラックスがなぜ強いのか?について考えてみたいと思います!

 

オールブラックスといえば、「ハカ」のイメージがあるのではないでしょうか?

 

オールブラックスの強さの秘訣①:ハカ(Haka)

ハカ(Haka)とは、NZの先住民族「マオリ族」のウォークライ(戦いの叫び)です。

ハカには、2種類あります。ハカのリードボイスは、マオリの血を引く者が担当するそうです。

 

①「カマテ(Ka Mate)

日本語で「頑張って頑張って、ゴー」と聞こえることで、有名になったかもしれません笑

こちらのハカは、通常のテストマッチで行われることが多いようです。

 

②「ガパオパンゴ(Kapa O Pango)

こちらは、勝負どころで行われることが多いハカです。

オールブラックスがどん底に落ちたと言われる時期(1998年ー2004年)に新たに作られたのが、

ガパオパンゴだそうです。この際に、ギルバート・エノカというメンタルトレーニングの専門家が

関わっていたようです。

 

歌詞の意味は、色々なサイトで取り上げらているので見てみてください。

 

以前、オールブラックスのメンタル面のサポートをしていたKen Hoge博士の講演を

聞きに行った際に、「ハカはダンスルーティン」であるという説明をしていました。

ルーティンとは、ある一連の動作・行動をすることで内的・外的な要因をシャットアウトし、

集中力を高めるテクニックです。

日本では、五郎丸選手のパフォーマンス・ルーティンが有名になりましたが、

それをチームとして実施しているということになります。

 

また、別の観点で見てみると、「サイキングアップ」の要素もあると思います。

サイキングアップは、声を出したり、体を叩いたりして、気持ちを高める、心拍数を高める、やる気を

高めるための心理的スキルです。

 

このように、ハカを行って自分たちの気持ちを高めて、コントロールして臨んでいると考えられます。

 

オールブラックスの強さの秘訣②:Wining Culture(勝利文化)

オールブラックスには、Wining Cultureがあると言われています。

これは、更新され続けているそうですが、例えばDiscipline(規律)を重んじ、向上心を持ち続けて常に心技体を追求していく、

などが挙げられます。

また、オールブラックスの低迷期には「Better people make better All Blacks(優れた人が優れたオールブラックスを作る)」が、キーワードだったそうです。人間的成長なくして、成功はできないのですね。

また、オールブラックスになると先輩オールブラックスから質問すされるそうです。そこには、ただのオールブラックで終わるのか?Goodオールブラックになるのか?Greatオールブラックを目指すのか?つまり、オールブラックスに入ることはゴールでなく、始まりであるという認識だそうです。

さらに、「オールブラックスとは?」といったバイブルが配布されるそうです。すごいですよね。

このように、勝つためのチーム文化を形成しては、更新して、トップの位置に君臨しているのです。

 

 

オールブラックスの強さの秘訣③:自分をコントロールするメンタルスキル

 

オールブラックスは、レッドヘッド(興奮している、圧倒されている、緊張している、自分をコントロールできない心理状態など)

ブルーヘッド(目の前のことに集中、明晰、リラックス、自分をコントロールできる心理状態など)に戻すメンタルスキルを選手それぞれが持っているそうです。メンタルスキルは、呼吸法、セルフトーク、パフォーマンスルーティン、自信など様々なメンタルスキルがありますので、選手によって活用しているスキルは違うと考えられます。何れにしても、自分自身のメンタル面をうまくコントロールし、パフォーマンス発揮に繋げることは、非常に重要だと思います。

 

 

 

特にここ最近、オールブラックスはチームが変わってもメンタルトレーニングの専門家のサポートを受けています。

私が知っている限り、Ken Hoge氏、David Hadfield氏、Gilbert Enoka氏が担当しています。

これは、世界一に君臨するオールブラックスだからこその取り組みかもしれませんが、世界一のオールブラックスが取り組んでいるからこそ、メンタルトレーニングが日本で広まって欲しいと思うばかりです。

 

今回は、今までと違った視点で書いてみました。

ごく一部だと思いますが、オールブラックスにはこのような強さの秘密があります。

何か、真似できる事、学べる事があれば幸いです。

 

 

スポーツメンタルトレーニング指導士

小林 玄樹