みなさん、こんにちは!
前回、目標設定のプロセス(前回のブログ)についてご紹介しました!
今回は、Lock &Latham(1990)の目標設定のプロセスの続き(ステップ5から)を紹介したいと思います。
ステップ5:フィードバックの入手
フィードバック(以下、FB)とは、パフォーマンスに関する何らか(例:親、先生、自分自身、本、経験)によって得られる情報をまとめた(概念化した)ものです(Hattie & Timperley,2007)。簡単に言えば、パフォーマンスの結果です。
多くの研究において、目標+フィードバックがパフォーマンス向上に効果的であると支持しています。
Schmitt(1994)によれば、FBには内在的FBと外在的FBがあります。
内在的FBは、自分自身が直接的に知覚できる、運動課題そのものに備わっている情報(バットを振る時の足、腕など)であり、
外在的FBは、コーチや仲間から褒められることやアドバイス、記録やタイムなどから得ることができる情報です。
それぞれ、効果的なFBがあるのですが、ここでは割愛します。
いずれにしても、目標→パフォーマンス→FBを得ることにより、目標に対してどの程度進歩しているかを感じることが大切です。
ステップ6:目標達成の評価
Lock &Latham(1990)によれば、現在のパフォーマンスと本来の目標の差を明確にします。
例えば、目標とパフォーマンスが同程度の場合やパフォーマンスが目標を凌駕する場合は、
自己有能感の情報となり、自信や内発的モチベーションが高まると考えられます。
一方で、目標に対してパフォーマンスが到達できない場合は、将来に達成できるように
努力に動機づけることが重要です。
ステップ7:目標達成の強化
上記の評価を情報とし、新たな目標設定や目標の到達への動機づけを
高めることが重要です。
Lock &Latham(1990)やSmith(1998)によれば、目標達成の強化がその行動の
量と質を高めると強調しています。
バスケットボールを例にすると、
ステップ1:目標設定
シュートフォームを修正(ボールの下に肘が来るように)し、3Pシュート率を20%→30%へする
ステップ5:フィードバックの入手
・自分自身の肘の感覚をチェック(内在的FB)
・コーチからのアドバイスをもらう(外在的FB)
ステップ6:目標達成の評価
・試合における3Pの確率と目標である30%の差を比較する
・試合時に練習通りの肘の位置で打てていたかを確認する
ステップ7:目標達成の強化
・30%に満たなかった場合、新たなシュートフォームの修正点を設定
・その他、シュートタイミングをよくするなどの30%に到達するための目標を設定する
このように、目標設定は立てて終わりではなく、このような各ステップを考慮して、
目標設定のサイクルを回していくと効果的になりそうです。
ぜひ、実践してみてください。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
今回、初めて嬉しいコメントを頂き、合間を見つけて書いてみました。
できる限り、スポーツ心理学やパフォーマンス心理学の知識を発信していけたら
と思います。
スポーツメンタルトレーニング指導士
小林 玄樹