機械式時計に興味のあるかたならとっくにご存知のはずで、
そもそも1976年に、イギリスの天才時計師ジョージ・ダニエルズがOMEGA(オメガ)社
と共同で発表したのがはじまりです。
実用化・量産化に向けて研究が続けられ、1999年にオメガ社の製品(デ・ビル)に搭載。
その後はコンステレーション、シーマスターそしてスピードマスターという全てのシリーズに
浸透し、オメガが数多の時計メーカーとの差別化をはかるにあたって、
非常に大きなアドバンテージと、独自性をもたらしています。

(資料1: 一般的なクラブツース・レバー脱進機 / 写真右側、矛のような部品)

(資料2: コーアクシャル脱進機 / 足が3本あります。 余分な力が分散されて摩擦が軽減する)
それを前提として話をすすめます。
知っていらっしゃる方は多いと思いますが、
日本の時計雑誌に「Chronos」(クロノス・日本版)という雑誌があります。
読み応え十分、非常に質の高い時計雑誌です。
以前、創刊号を、日本のある方からジュネーヴ出張の際にお土産でいただいたのですが、
何気なく読み返してみたところ、このコーアクシャル脱進機に関してある疑問がわいてきました。
この雑誌では「時計テスト企画」として、実際にスタッフが時計を寸評するという
コーナーがあるのですが、そこで取り上げられたのが、
「オメガシーマスター・プラネットオーシャン」。
この本格ダイバーズウォッチをあらゆる角度から検証するわけですが、
私が目に留めたのは、
「技術仕様」レポートの、「精度安定性試験」のところでした。
ざっと記事を写してみると、
(姿勢) (秒/24時間) (振り角)
文字盤上 -6 301°
文字盤下 -5 302°
3時上 -8 292°
3時下 -9 299°
3時左 -12 311°
3時右 -10 306°
ということなんですが、まあ、歩度の乱れは直せるにしても、
この「振り角」が、スゴイ。
2本目の「ジャガー・ルクルト・マスターコンプレッサー」の方は、
平姿勢と縦姿勢の差が20°以上でていて、
最大姿勢差は文字盤上と3時下で29°あります。
オメガ・シーマスターは3時左が文字盤上より大きい。
つまり、平姿勢が、縦姿勢の振り角より少ないということですね。
通常の時計では理論的にありえないんです。
これは、コーアクシャルだからこその産物なのでしょうか?
それとも測定者の測定の仕方によるものなのでしょうか?
説明できん!!
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