north・east・ern.fight

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凍えてしまった心を、溶かしてあげたいのです。



『north・east・ern.fight』 (北東の戦い) では、小説を載せています。

オリジナル要素が沢山入っていますのでご注意を。

もちろん普通に日々のことも綴っていますのでお暇でしたら。



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  第二部完結 第三部連載中


NARUTO 『東西南北』 (完全シリアス、残酷) 連載中

主人公玄武を中心に、周りを取り巻く全てのオリキャラが悲しい過去を持つ。

悲しく暗く、死ネタもありますので苦手な方はご遠慮下さい。


$north・east・ern.fight-とぅうぇるぶ    

戦国BASARA 『TWELVE...』 (ギャグ、シリアス、※恋愛) 第壱合戦完結

舞台は現代。仲の良い四人の中学生の元に、8人の武将が舞い・・・落ちる!!?

現在は逆トリップですがいつかトリップする予定。笑いたい方はコチラを。※初めの注意書きをお読み下さい。



$north・east・ern.fight  第弐合戦連載中

『TWELVE...』(シリアス、ギャグ、※恋愛)

第壱合戦の過去編。戦国を生き抜く為に策略と戦が渦巻く。

そんな世の中でどう生きれば良いのだろうか?シリアス多め。※初めの注意書きをお読み下さい。


短編集はこちらから→  north・east・ern.fight-短編    随時追加しているキャラ設定はこちら から



$north・east・ern.fight-pekemon  ポケットモンスター 『sorrow and appeal』 (サスペンスアドベンチャー) 停滞中

※今までの内容を削除して新しく始めさせて頂いてます。

世界に原因不明の異常現象が発生。

原因を突き止めるべく、チャンピオンを先頭に調査を開始する。※主にゲーム背景




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「………おいしい」

 

 

 

 

味噌汁が入ったお椀を片手に、水南はこれでもかと目を丸くして呟いた。

「まあそれは良かった!」と自身の頬に手をあてた女性…まつは、嬉しそうに微笑んだ。

 

甲斐に滞在してから数日経ち、慶次と水南は加賀へと到着していた。

一晩泊まってからの朝餉で、水南はまつが作った手料理を振る舞われ、あまりの美味しさに感嘆していたのだ。

 

「やはりまつの飯は日本一だ!」とこれまた嬉しそうに笑う、慶次の叔父、前田利家。

「まあ犬千代様ったら!」と照れるまつ。

きゃっきゃうふふ、とハートがまき散らされている光景を目にしていた水南は無言で慶次を見るも、

「いやあ恋はいいねえ」とまた嬉しそうに言う彼に、なにも口出しするまい、と再び味噌汁をすすった。

 

未だにラブラブなやり取りをしている二人を置いて、水南は慶次に連れられて外へ出た。

 

 

 

 

「良いの?放っていおいて」

 

「いーのいーの!いつものことだし!」

 

「ふーん…?」

 

 

 

 

いつもあんななのか。北条ではあんな光景見ないからもの珍しい。

前を歩く慶次に、何処に行くのかと尋ねれば、水南に会わせたい人がいるんだ、と笑う。

今また新しく人に会うような気分ではない、と言うも、慶次は大丈夫、とまた笑った。

利家とまつは明るくて殆ど喋らなくても話が進むような人達だったのでよかったのだ。

半強制的に連れて行かれることに不満と不安を抱く水南。

 

小田原よりも遥かに積もっている雪に足をとられながらも歩き、ある神社へとたどり着いた。

雪掻きはされておらず、本来あるはずの石畳が何処にあるのかも全く見えない。

しかし代わりとばかりに、かなり大きな足跡と、普通の大きさの足跡が雪に記されていた。

その足跡を辿るように慶次が歩いて行く。水南も億劫に思いながら続く。

その先にいた人物に向かって、慶次が手を振った。

 

 

 

 

「おーい秀吉!」

 

 

 

 

秀吉、と呼ばれて振り返ったその風貌に、水南は思わず身を縮める。

でかい。身体が、異様にでかいのだ。慶次と同じ年くらいなのだろうか?それにしたってでかい。

その隣に居る男は逆に線が細く、一瞬女なのかと思う程色白だった。

慶次が半兵衛、と呼び、彼は半兵衛と言うのか、と認識する。

 

おずおずと慶次の後ろから顔を出せば、秀吉はその身体に見合わない柔らかい笑みを見せた。

 

 

 

 

「…我は、豊臣秀吉。怖がらせてしまってすまない」

 

「え…あ…えと…北条…水南です…」

 

「僕は竹中半兵衛。よろしくね、水南姫」

 

 

 

 

二人ともすっげえ良い奴だから大丈夫だ!と慶次が笑う。

慶次が言うならそうなのだろうが、いきなり会ってどうしろと。

なにを話せばいいのか分からない水南は口を閉ざす。

それに構わず、慶次は道中の話を秀吉と半兵衛に聞かせはじめた。

水南は賽銭箱の近くの階段に腰を下ろすと、三人を眺めた。

彼はなにがしたいのかわからない。ただ友人を紹介したかっただけなのだろうか。

 

ぼーっと話を受け流して聞いていた水南だったが、悪戯、という単語が聞こえ、思わず慶次を見る。

町でいつも酒ばかりのんで町民に迷惑をかけている親父がいて、そいつに一泡吹かせてやろうぜ、という内容。

落ち込んでいた水南だったが、彼女の性悪な本性がわくわくと顔をのぞかせていた。

慶次はこれを知っていて水南を連れてきたのだ。

慶次を含め秀吉、半兵衛はよく悪戯をして遊んでいた親友という悪友なのである。

 

 

 

 

「ふふ、水南姫も興味があるかい」

 

「え”…。ええと…いや」

 

「いっつも北条の人に悪戯ばっかりしてる奴がよく言うよ!」

 

「そうなのか…」

 

 

 

 

秀吉が意外そうな顔をするが、半兵衛は僕には最初からお転婆に見えたよ、と何故か自信ありげに言われる。

まあ結局は嘘なんてつけないわけで。

「ものすごおく興味あります」、と悪そうな笑顔で答えた水南なのだった。

 

あ、でも江雪斎には内緒ね。

 

 

 

 

 

 

 

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 

結構早い段階で水南と秀吉は絡ませる予定でした。

悩んだのは半兵衛を一緒にするかどうか…。

アニメでは慶次と秀吉の絡みが多いし重要なのは分かるんだけど、

半兵衛って昔この二人と一緒にいたのか、仲が良かったのかが分からなくて…。

ゲームは私やってないのでそこで絡みがあってもよく知らないのです。

しかしアニメで三人でこうするのも久しぶり、というようなセリフがあったし、

まあTWELVE仕様でいっか、ということで半兵衛も一緒にしました。

 

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慶次side

 

 

 

 

うっすら雪が積もっている道を、馬に乗って水南と歩く。

今は加賀に向かっている最中だ。

時折話し掛けてみるも、必要最低限の返答だけで、水南は暗い表情をしていた。

それに対しては気にする素振りをしないよう、おれはなるべくいつも通りを心掛けた。

 

やがて武田信玄が治める甲斐へと入る。

初めて水南と会った場所でもある甲斐の城下で、今日は泊まりかな。

 

夕刻だけれど空には厚い雲がある為か、夜のように暗かった。

城下に着いてから、ちらちらと降り始めた雪に、やっぱ冬だなあなんて思う。

橋を渡って水南に話し掛けると返事がないので不思議に思えば、水南は橋の上で京南をとまらせ、川を見ていた。

 

 

 

「どうしたんだい水南」

 

 

 

馬から降りて、水南を見上げながら問う。

彼女は視線は川に向けたまま、呟くように言った。

 

 

 

「…前に、此処で同い年くらいの女の子に会って」

 

「そうなのか」

 

「…ウチのこと、友達だ、って言ってくれて。…色々助けてもらったから、

 お礼が言いたくて、会いに来たりしたんだけど、全然見つからないし」

 

 

 

友達ってやっぱりその場しのぎの嘘だったのかな。

そう言って視線を更に下げてしまった水南の頭に手を伸ばす。

 

 

 

「!?なにすんの!」

 

 

 

ぽんぽん、としてやりたいところだったが敢えてぐっしゃぐしゃにかき回した。

 

 

 

「はは、やっと顔上げた」

 

「…そっちが上げさせたんでしょ」

 

「その女の子もさ、事情があるんじゃないかなあきっと。中々会えない理由みたいなの」

 

「……そういえば、…」

 

「ん?」

 

「…姫様、って呼ばれてたかも…」

 

「………」

 

「………」

 

「……もしかして…その子、夜月姫様…?」

 

「え…なんで名前知ってんの」

 

「え…知らないの水南」

 

 

 

……寧ろ姫って呼ばれてたことをなんで今まで忘れてたんだ、とちょっとだけ呆れたけど。

この甲斐で姫、って言ったら、最近武田信玄が養子にしたことで有名になった、真田夜月姫のことに違いない。

というか、そりゃあ城下を探したってそう簡単に見つかるわけもない。姫様なんだもの。きっと館にいると思うし。

そんなふらふらはしないだろう…ってふらふらしてるこの子も一応お姫様だった。

 

館に行ってみるか聞いてみたけど、今はそんな気分じゃないからやめておく、と言われ頷く。

ちょっと安心したような、ふっきれたような表情になっていた。

その日泊まろうとしていた宿の女将さんと水南は顔見知りらしく、ちょっと無理はしてそうだったけど女将とも楽しそうに話していた。

お…これって一歩前進したんじゃない?なんて嬉しくなった。

 

…部屋に入ってから何故か窓から鳥がやって来て、水南を見下すように見たあと、

頭を思いっきり突っつかれている光景は、流石に疑問だったけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 

久々に更新…短いけど。いやあ、創作意欲はあるくせに思うように進まないね…。

最後の鳥はいつだか水南に手紙を届けた夜月の鳥。

水南が甲斐にやってくるのを見ると何故か突っつかれると言う謎設定。

なにかが気に食わないんだね!!←

 

 

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夜月side

 

 

 

 

 

頭が重い。とまっているのにぐるぐると回っているかの感覚。

ぼんやりと見えた天井に、ああ・・・また倒れてしまったのか、と、うんざりした。

 

部屋は明るい。今は朝か、昼の間くらいだろうか。いつもいる筈の義昌は今日は居なかった。

布団の横にはおかゆだろうか、おぼんが置いてある。でも今はなにかを食べる気にはならなかった。

 

まだ立つべきではないとわかっていたけれど、ぼうっとした頭で、おぼつかないまま立ち上がった。

障子に手をかけ、廊に出る。寒い。この地は本当に寒い。

 

――謝らなければ。

 

姿はわからないけど、梵天丸様を思い浮かべ、そう思った。

壁をつたいながら歩いて、ふと、足を止めた。

義昌ではなく、片倉さまが、驚いた顔をして立っていたからだ。

 

 

 

 

 

「姫様・・・、まだ起きてはなりませぬ」

 

「・・・でも」

 

「木曽に怒られてしまいますよ」

 

 

 

 

 

そう笑った片倉さまは、酷く悲しそうで。どうしてそんな表情をするのか、わからなかった。

気付けば、その疑問を口にしていた。

 

 

 

 

 

「・・・どうして、そのような顔をなさるのですか」

 

「・・・?申し訳ありません、気に障るような顔をしていましたか・・・」

 

「・・・いえ、かなしそうな・・・かおを。」

 

 

 

 

 

そう言えば、片倉さまは今度は困ったように笑って、また悲しい顔になった。

 

 

 

 

 

「貴女様に、無理をしてほしくないのですよ・・・。

 大切な方が、辛そうなのに無理をしていて頑張っていたら、自分が苦しくはなりませぬか」

 

「・・・」

 

「木曽が貴女様に怒るのが何故かわかりますか?

 心配だからですよ・・・無理をしてほしくないのです。

 休むべき時はしっかり休んでから、動くべきなのですよ・・・夜月姫様」

 

 

 

 

 

・・・こういう風に、勝手に行動するから、いつも周りに迷惑をかけている。

勝手に行動して。勝手に無理して。勝手に倒れて。また勝手に行動して。それの繰り返し。

だから義昌をいつも怒らせている。兄様や佐助を心配させている。片倉さまを困らせている。

 

 

―――梵天丸様を救いたい。

 

 

自分がそう思って、それしか考えてなくて、周りを顧みないで。

・・・わたしは、さいていだった。じぶんのことしか、かんがえてなかったんだ。きっと。

わたしをたいせつにしてくれているひとのきもちを、かんがえてなかったんだ。

 

奥歯が無意識にカタカタと鳴った。

寒くて震えたためか、自分の愚かさに震えたためか。

 

 

 

 

 

「!・・・姫様・・・大丈夫ですか・・・」

 

 

 

 

 

ぼろぼろと、涙がでてきて止まらない。

また片倉さまを困らせてしまった。でも今はそう考えたら余計に涙があふれて。

 

 

 

 

 

「かたくらさまぁ・・・ごめんなさぃ・・・」

 

「姫様・・・」

 

「ごめんなさい・・・ごめ・・なさ・・・っ」

 

 

 

 

 

病気持ちでこの地に来たこと。それを疎ましく思われていないか。

怖くて城の人の手伝いをしてみたが、本当は不安で仕方なかったこと。

それが原因で義昌を怒らせてしまったこと。

梵天丸様の前で倒れて、梵天丸様がどう思われているのか恐ろしいこと。

折角前よりもお話が出来たのに、それが壊れたような気がして。

梵天丸様を救うと決めたのに、自分が苦しくて助けてほしいと願ったこと。

だれかにあまえたくて、でも許されない気がして、できなかったこと。

 

義昌と喧嘩して、すこし吐き出して、もう大丈夫だと思っていたのに、

私はまだまだ不安で、こわくて、仕方がなかった。

 

切れ切れに、順番はごちゃごちゃだったはずなのに、

片倉さまはその一つひとつを、頷きながら聞いてくれた。

 

そしてその大きな手で私の頭を撫で、浮遊感を覚えたと思ったら、抱きかかえられていた。

あやすように背中をやさしく叩かれ、涙は片倉さまの肩口へとしみこんでいく。

 

 

 

 

 

「・・・貴女様は姫である前に、まだ子供なのですよ、夜月様・・・。

 子供は甘えるべきなのですぞ・・・貴女も、梵天丸様も、本当にそれが下手でおられる」

 

 

 

 

 

慣れた手つきに、梵天丸様にも、こうしていたのかと、そう思った。

・・・―――あたたかい。

 

 

 

 

 

 

 



小十郎side

 

 

 

 

俺の腕の中で眠る姫様と、俺とを交互に見た木曽は、それはそれは不機嫌な顔だった。

予想通りの反応に苦笑いをこぼしながらも、隠すべきではないと思い事を説明する。

すると不機嫌な表情に混ざって悲しみが見えるものだから、本当にこいつは分かり易い。

木曽の肩に乗った雪は、その手に持つ、冬に咲く花をとりにいっていたからだとすぐに分かる。

すべては姫様を喜ばせるために、安らいでもらうためにだ。

 

予想外だったのは、すぐに俺から姫様を引き取ると思っていたのに、そうしなかったことだった。

泣き疲れたのに起こしたら可哀想だろ、木曽は真顔でそう言った。本当に、面白い奴だ。

まだまだ、木曽だって子供なのに。そんなこと言ったら、怒らせるだろうが。

 

姫様。そして梵天丸様。

お二人の未来が穏やかなことを、願わずにはいられなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 

私も小十郎に甘えたいです。(真顔)

 

 

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