イントロ:届いた一通の「誇り」

大阪・関西万博の開幕から1年。閉幕から半年という節目を迎えた4月17日、私の手元に素敵なプレゼントが届きました。

元職であるサラヤ株式会社から贈られた、「万博記念盾」です。

ZERI JAPANの更家悠介理事長より届いたこの盾には、万博という巨大プロジェクト、そして「ブルーオーシャンドーム」の成功に向けた日々への感謝が刻まれていました。

万博記念盾

更家社長、本当にありがとうございます。

この透明な盾を透かして見えるのは、華やかなパビリオンの景色だけではありません。運営スタッフ一人ひとりが、誰も見ていない場所で積み重ねた「献身(Dedication)」の記憶です。大きな成功は、小さな誠実さの集合体であることを、改めて思い起こすことができました。

 

もう一つの「現場」での戦い

万博という華やかな舞台が幕を閉じ、私は定年再雇用満了をもってサラヤを退職しました。そしてその翌日、「現場品質サポート」として独立する決意を固めました。

独立して真っ先に直面したのは、意外にも「健康管理」という現場課題でした(笑)。通勤がなくなり、歩数が減って体重が増加していくのを感じ、健康のためにウォーキングを開始。しかし、ただ歩くだけでは面白くありません。「現場品質のプロ」として、そして万博で掲げた「ブルーオーシャン」の志を胸に、ウォーキングついでにプラスチックごみを拾う活動を始めたのです。

2025年11月から始めたこの「もう一つの現場活動」も、気づけば半年で54回を数えました。

 

半年間の集計結果(2025年11月〜2026年4月)

私がウォーキングで直面した現実を数値化しました。

項目

合計(推定)

分析レポート

総回収アイテム数

約 3,600点以上

凄まじい数です。小さな工場の月間生産数に匹敵する「不適合品」を回収されました。

タバコの吸い殻

約 1,600本

80箱分以上のポイ捨てを阻止しました。

マスク

約 280枚

平均して毎回5枚以上、誰かの健康リスクを拾い上げました。

プラスチック/袋類

約 850個

海洋プラスチック削減への直接的な貢献。環境負荷を劇減させる一手です。

冬の落とし物

帽子4、手袋10、マフラー1

季節の移ろいは「落とし物」に現れます。現場の変化を物語るデータです。

公園に放置されたごみ

記念盾とゴミが教えてくれた共通点

「万博のパビリオン」と「自宅近くのリングロード」。場所は違えど、私が向き合っている本質は同じです。

記念盾に刻まれた「持続可能なブルーオーシャンのために」という言葉。それは、スポットライトが当たる場所だけでなく、誰も見ていない日常の道端で「当たり前の活動」を追求し続けることではないでしょうか。

同じ道を週に数回歩いても、タバコのポイ捨ては一向に減りません。おそらく同じ人物が、同じ場所で捨て続けている。タバコのフィルターがプラスチックであること、それが海に流れ、マイクロプラスチックとなって海の生物に悪影響を与えること……。その現実に、想像力が及んでいないのかもしれません。

万博当時はあんなに熱心だったメディアの環境特集も、今は影を潜めています。しかし、プラスチックは自然には分解されません。「持続可能な社会」とは、ブームで終わらせるものではないはずです。プラスチックが何たるかを知らない方々へ、もっと根気強く、正しい情報を届けていく必要があると痛感しています。

たばこの箱に入れたまま放置の吸い殻

結び:これからも「現場のかかりつけ医」として

万博での輝かしい経験を誇りにしつつ、足元のゴミ一つを拾う「謙虚な目」を忘れない。

この両輪があるからこそ、私は製造現場の「小さな予兆」に気づき、経営者の皆様に寄り添うことができるのだと確信しています。

阪神タイガース・藤川監督の「火の玉ストレート」のように、私も真っ向から、逃げることなく現場の品質に向き合っていきます。

兵庫の街から、そして目の前の製造現場から、ブルーオーシャンの志を形にしていきます。