1. 導入:現場は「知識」だけでは動かない
先日、三井住友海上あいおい生命保険株式会社様主催の経営セミナーに参加してきました。 講師陣は、元阪神タイガース監督の矢野燿大氏、プレゼン講師の新名史典氏、そして元吉本芸人のWマコト氏という、実に豪華な三名。
一見、製造現場とは無縁に思える「笑い」や「野球」のマネジメント。しかし、お三方の話を聴きながら私の脳裏に浮かんでいたのは、兵庫や三田の製造現場の景色でした。
【森田流視点】 品質とは「マニュアル」ではなく「人間」が作るものです。 最新のマネジメント術を紐解くと、現場の空気を変える三者三様の流儀が、実は品質管理の本質に直結していることが見えてきました。
2. Wマコト講師:笑いは「異常」を知らせる潤滑油
Wマコト氏が提唱するのは「笑いによる生産性向上」です。
【現場品質への変換】 ギスギスして余裕のない現場では、ミス(不適合)が起きた際に「怒られる」という恐怖が先立ち、報告が隠されてしまいます。これこそが品質事故の最大の引き金です。 笑いがあり、自己開示ができる「心理的安全性」の高い環境こそが、「悪いニュースがいち早く届く現場」を作ります。笑いは、事故を未然に防ぐための最高の潤滑油なのです。
3. 新名講師:世代を超えた「技術のタスキ」
元同僚でもある新名氏からは、多様化する時代の「リーダーシップ」を学びました。
印象的だったのは、映画『マイ・インターン』の例えです。 私もこの映画が大好きですが、経験豊富なシニアが若い世代をリスペクトし、共に成長していく姿には深く共感します。
【現場品質への変換】 今、多くの町工場が「熟練工の技術継承」に頭を悩ませています。 私は現役時代、賞与評価時の部下とのフィードバック面談時には「30分面談」を何より大切にしてきました。単なるダメ出しではなく、人生の先輩への敬意を持ち、納得感のあるフィードバックを積み重ねる。 この「対話の積み重ね」こそが、世代間の壁を取り払い、確かな技術を次世代へ繋ぐ「タスキ」になるのだと確信しています。
4. 矢野前監督:可能性を信じることが「改善」の第一歩
そして、大ファンである矢野前監督。 「可能性を信じ切る」という言葉は、私の胸に深く突き刺さりました。
【現場品質への変換】 「どうせ無理だ」と諦めている現場に、品質向上(カイゼン)は起こりません。「ほんの少し、できるかも」と意識を向ける。その一歩が現場のやる気に火を灯します。 現在の阪神タイガースの黄金時代も、矢野さんが泥臭く続けてきた「可能性を信じる種まき」があったからこそ。「現場の再生も、まずは信じることから始まる」。その重要性を改めて学びました。
5. 結び:これからも「現場のかかりつけ医」として
今回のセミナーを通じて、私の「現場品質サポート」の信念がより強固なものになりました。
自分のためではなく、目の前の工場のために。 そして、愛する地元・兵庫や三田の街のために。
現場の空気を整え、働く人の可能性を信じる。その積み重ねが、高品質なものづくりを支え、ひいては地球環境を守る(プラスチック汚染を減らす)大きな力に繋がると信じています。
藤川監督の「火の玉ストレート」のような真っ直ぐな情熱を持って、これからも現場の品質、そして未来の環境に向き合っていきます。


