ICTを活用したこれからの学びについて(9月11日代表質問報告⑩) | 神奈川県議会議員 石川ひろのり

 会派での鹿児島視察を通じて、ICTは使うこと自体が目的ではなく子ども一人ひとりに合った学びや、学びの可能性を広げるために活用することが大切だと改めて感じました。今回、地域によって学ぶ環境に差が生じないよう、県教育委員会が市町村をつなぐ役割を果たすよう求めました。県内の優れた取組みが地域を越えて広がり、子どもたちのより良い学びにつながるよう今後も取組みを確認していきます。

 

石川】次に、ICTを活用したこれからの学びについてです。

GIGAスクール構想により、一人一台端末の環境が整ってきました。これから大切なのは、ICTを使って「どのような学びを実現するのか」ということだと考えます。

 我が会派は7月、鹿児島県を訪れ、教育現場でのICT活用について視察しました。徳之島町立尾母小中学校では、児童数が少ない中、離れた学校をオンラインでつなぎ、道徳などの授業を一緒に行っていました。子どもたちは画面を通して意見を交わし、少人数の学校にいながら、多くの考えに触れていました。鹿児島市では、動画やデジタルドリルなどから、子ども自身が自分に合った方法を選んで学ぶ取組みが進められていました。教員も、一人ひとりの学習の進み具合を確認し、つまずいている子どもを早く見つけて支援につなげています。

 こうした取組みから、ICTは単に授業をデジタルに置き換えるものではなく、子どもたちの学びの可能性を広げる道具であると感じました。学校同士をオンラインでつなぐことで、少人数の学校でも多くの子どもと学ぶことができます。また、不登校の子どもや障がいのある子ども、日本語を母語としない子どもなど、一人ひとりの状況に合った学びを支えることにも活用できます。

一方、県内では、市町村ごとに「ICTのシステム」や「支援体制」などに違いがあります。このままでは、ICTを活用した学びに地域による差が生まれることも心配されます。県教育委員会には、市町村の取組みを尊重しながら、優れた事例を県内に広げ、市町村の枠を越えて学校や人をつなぐなど、広い視点からの役割が求められます。ICTを使うこと自体を目的とせず、子ども一人ひとりに合った学びを実現することが大切です。

そこで教育長に伺います。一人一台端末の整備が進んだ今、ICTを活用して子ども一人ひとりに合った学びを実現するとともに、地域によって学ぶ環境に差が生じないよう、県教育委員会としてどのような役割を果たし、ICTを活用した学びを進めていくのか、所見を伺います。

 

教育長】ICTを活用したこれからの学びについてお尋ねがありました。

 小中学校での学びにおけるICTの活用は、それを使うことを目的とするのではなく、子どもたちの学びをより深める手段とする必要があります。県教育委員会では、市町村が行う1人1台端末の更新にあたって、全ての市町村からなる協議会を通じ、既に共同調達の仕組を構築しており、ハード面での市町村間の格差は、解消しつつあります。

 一方、ソフト面では、例えば、クラスの人数が少ない学校では、人と関わる力を育む視点から、国内外の学校とオンラインで結び、お互いの地域の紹介などを通じて、交流する事例があります。また、大規模な学校では、子どもの理解度に応じた学びを進める視点から、1人1台端末を活用し、一人ひとりに合った課題を行うなど、効果的な授業に取り組む事例があります。

 県教育委員会としては、こうした学校の実情を踏まえた、様々なICTの活用事例を収集し、市町村と共有するとともに、求めに応じて、適切に助言していきます。今後もこうした役割を果たしながら、ICTを活用した学びを、しっかりと推進してまいります。