教員不足の解消と学校を支える人材の確保について(9月11日代表質問報告⑤) | 神奈川県議会議員 石川ひろのり

 本県では、今年5月時点で210人の教員が不足しています。今回、4月採用だけを前提とせず、必要な時期に人材を確保する仕組みとして、年度途中の正規採用について検討するよう求めました。

教育長からは、4月に正規採用する予定の人を、本人の意向を踏まえて臨時的任用職員として前倒しで活用するとの答弁がありました。教員不足が続く中、採用の仕組みそのものを柔軟に考えるとともに、校長の配置についても学校運営の継続性に配慮するよう、引き続き求めていきます。

 

石川】次に、教員不足の解消と学校を支える人材の確保についてです。

 県ではこれまで、大学3年生から受験できる制度への見直しや試験回数の拡充、ペーパーティーチャー研修、横浜国立大学との連携、特別支援学校を対象とした秋期試験など、教員確保に向けた様々な取組みを進めています。

しかし、本年5月1日時点で、本県では210人の教員不足が生じており、依然として厳しい状況が続いています。県教育委員会では毎年5月、9月、1月に不足数を把握していますが、これまで9月や1月には5月時点より不足数が増える傾向にあり、年度途中の教員確保も課題となっています。教員が不足すれば、教員の負担が増えるだけでなく、子どもたちの学びや学校運営にも影響することが心配されます。

 そして、教員の採用は、現在の不足数だけを見て決められるものではありません。今後、少子化によって児童・生徒数が減れば、必要となる教員定数も変化します。また、退職者数や教員の年齢構成も踏まえ、将来にわたって安定した学校運営ができるよう、計画的な採用も必要です。その上で、将来の教員定数を見据えながら、現在生じている教員不足にどう対応していくのかが大きな課題です。

 県では、社会人経験者や教員経験者を対象とした選考など、採用の入口を広げる取組みも進めています。年度途中にも教員不足が続く中、我が会派は、採用時期についても柔軟に考える必要があると考えます。採用試験に合格し、必要な資格や確認を終えた人材について、4月を待たず正規教員として採用するなど、年度途中の正規採用についても検討する必要があるのではないでしょうか。

 また、学校を安定して運営していくためには、校長や教頭など管理職の確保・育成も欠かせません。定年延長や暫定再任用により、60歳を超えた経験豊かな管理職が学校を支える機会も増えています。ただ、在任できる期間が限られる中で新しい学校へ配置される場合には、学校の状況や地域との関係、そして、学校運営の継続性にも配慮する必要があると考えます。

そこで教育長に伺います。現在の教員不足と、将来の児童・生徒数や教員定数の変化をどのように捉え、両者を踏まえた教員採用をどう進めていくのか。また、年度途中の正規採用や、学校運営の継続性にも配慮した管理職の配置など、将来にわたって学校を支える人材の確保をどのように進めていくのか、所見を伺います。

 

教育長】教員不足の解消と学校を支える人材の確保についてお尋ねがありました。

 県教育委員会では、将来の児童・生徒数の推移や、教員の退職者数などを見定めたうえで、教員不足の解消も視野に入れながら、毎年の採用予定数を決定しています。しかし、近年の志願者数の減少により、校種や教科によっては、教員採用試験の合格者が、採用予定数に満たない実情があります。

 こうした中、議員お話しの、年度途中における正規教員の採用は、法律で1年間実施が義務付けられている初任者研修の円滑な実施等の点で課題があり、現時点では、導入は難しいと考えています。そのため県教育委員会では、4月に正規採用する教員を臨時的任用職員として前倒しで活用するなど、本人の意向を踏まえた柔軟な対応を図っていきます。

また、管理職の配置については、特例任用や暫定再任用など、既存の制度を活用しつつ、職員の適性や各学校の実情等を総合的に勘案し、今後も適材適所の人事を行っていきます。現在、教員採用を取り巻く環境は、大変厳しい状況にありますが、県教育委員会では今後も、できる限りの工夫を図りながら、教員不足の解消と学校を支える人材の確保に努めてまいります。

 

石川】2つ確認をさせていただきますけれども、まず年度途中の正規採用についてです。

 犯罪事実の確認とか初任者研修とか、年度途中の採用にはいろんな課題があるということは認識をしています。ただ、こうした課題があるからといって、今後も4月採用だけを基本としてよいのかという問題は残ります。そういう中で4月に正規採用する予定の人を本人の意向を踏まえたうえで、臨時的任用職員として前倒して任用していただくという一歩前向きなご答弁を頂きましたけれども、それだけ年度途中の人材確保が必要なのであれば、今後すぐにということではなくて、正規採用についても課題を整理したうえで具体的に検討する考えはないのか伺いたいと思います。

 もう1点です。暫定再任用の校長についてです。

 ご答弁では、学校の状況などを踏まえて、継続的な学校運営ができるよう配置しているということでした。適切に引継ぎを行うことも理解していますけれども、学校の責任者である校長が結果として1年という短期で代わることについて、生徒や保護者、そして地域から見た学校運営の継続性という点を教育長はどのように考えているのか改めて伺いたいと思います。

 

教育長】教育関係の再質問にお答えします。

まず、年度途中での正規教員の採用についてです。

先ほどもご答弁させていただきましたが、年度途中での正規教員採用については、初任者研修の実施などに課題があるため、現時点では考えていません。

 次に、学校運営の継続性を考慮した管理職の配置についてですが、校長の異動にあたりましては、私が直接内示をしておりますが、その際に、期間に関わらず、しっかりと学校運営を行うようお願いしています。

 

石川】私も民間の時代が長かったものですから、必要な人材を必要な時期に採用することは珍しいことではありません。今回の質問をするに当たって、県教育委員会に「中途採用」という言葉はないというふうに伺いました。なので、今回は「前倒しで正規職員の採用を」というような言葉を使わせていただいていますけれども、教員不足が続く中で県教育委員会でも、4月採用を前提とするのだけではなくて、必要な人材をどう確保するのか、教育長もそうおっしゃっていただいていますけれども、そういう視点で採用の仕組みそのものを考えていく必要があると思います。ぜひ、年度途中の正規採用についても課題を整理したうえで具体的な検討を進めることを求めておきます。

 また、暫定再任用の校長については、これまでの経験を活かしていただくことは大切ですけれども、校長が短期間で代わることは学校運営にも大きく影響します。ぜひ、学校外から見た、教育委員会外から見た、学校運営の継続性にも配慮した配置を行うことを求めます。