人口減少が進む中、労働力不足は一時的な問題ではありません。今回の質問では、約7万人という不足数だけを見るのではなく、業種ごとの実情を捉え、生産性向上と人材確保の両面から対策を進めるよう求めました。
知事からは、現在の支援を続けるとともに、AIやロボットの進展による将来の労働需要の変化も見据えて対応を検討するとの答弁がありました。県内産業を将来にわたって支えられる取組みとなるよう、今後も確認していきます。
石川】次に、労働力不足における県内産業支援についてです。
先日公表された国勢調査の速報では、本県の人口は調査開始以来、初めて減少に転じました。人口が減れば、働く人も減っていくことから、労働力不足は一時的な問題ではなく、今後さらに深刻になっていくことが予想されます。
国の令和7年雇用動向調査を基にした県の推計では、県内では約7万人の労働力が不足しているとされています。また、県が中小企業を対象に行った調査でも、人材の確保や採用を経営上の課題に挙げる企業が多く、建設業や物流業、介護、観光業など、様々な業種から「仕事はあるのに働く人がいない」という声を伺っています。この状況が続けば、事業を続けることが難しくなり、県民生活にも影響が及ぶことが心配されます。
県ではこれまで、DXによる生産性向上や設備投資、人材育成、多様な人材の活躍支援などを進めています。しかし、約7万人という労働力不足に対応するには、その中身をしっかりと捉えることが必要です。一口に労働力不足といっても、業種や仕事によって状況は大きく異なります。DXやAI、ロボットなどを活用し、少ない人数でも仕事ができる分野がある一方、建設や介護、物流、観光など、人の力が欠かせない分野もあります。どの業種で、どのような人材が不足しているのかを把握し、それぞれの実情に応じた対策につなげることが大切です。
さらに、AIやロボットなどの技術が進歩すれば、必要とされる人材や仕事の内容も変わります。目の前の人材不足への対応に加え、将来を見据え、生産性を高める分野、人材の確保や育成に力を入れる分野を考える必要があります。人口減少が続く中、労働力不足の中身を分析し、今と将来の両方を見据えた対策が求められます。
そこで知事に伺います。県は、約7万人と推計される県内の労働力不足をどのように受け止めているのか。また、業種ごとに異なる労働力不足の実態をどのように捉え、DXやAIによる生産性の向上や人材の確保・育成など、それぞれの実情に応じた取組みをどのように進め、将来にわたって県内産業を支えていくのか、所見を伺います。
黒岩知事】県内中小企業等を対象とした調査では、半数を超える企業が、経営課題として、人材の確保等を挙げており、労働力不足は、県内企業が直面する重要な課題と受け止めています。また、国の調査結果から、南関東地域の業種別の状況を見ると、医療・福祉、運輸業などで労働力不足が顕著となっています。
労働力不足に対しては、生産性の向上と人材確保の両面で取り組む必要があり、これまで県では、企業の生産性向上に向けた補助や、就業を希望する県民への合同就職面接会などにより支援を行ってきました。さらに、労働力不足が顕著な業種については、例えば、介護ロボットの導入やバス運転手の確保など、個別の支援策も講じてきたところです。
しかし、中長期的に見ると、AIやロボットなど先端技術の進展に伴う省力化により、業種によっては、労働需要が大幅に縮小することも想定されます。そこで、県では、当面の対応として、企業の生産性向上と人材確保の取組を継続して支援するとともに、中長期的な視点を加え、国とも連携しながら、将来の対応を検討していきます。
