最低賃金の引上げと中小企業が経営を続けながら賃上げできる環境づくりは、両方を進めることが大切です。今回、昨年の代表質問で取り上げた支援策について、その後の成果と課題を確認しました。制度をつくって終わりではなく、実際に賃上げや経営改善につながったのかを検証し、次の取組みに生かすことが重要です。今後も県の取組みを確認してまいります。
石川】次に、最低賃金の引上げと中小企業への支援についてです。
昨年9月、このテーマについて質問した際、知事からは、価格転嫁を進めることや生産性を高めるための補助、商工会議所などと連携した経営者への支援を通じて、中小企業の継続的な賃上げを後押ししていくとの答弁がありました。
先月、国から最低賃金の目安が示され、本県の最低賃金は今年10月1日より1,279円となります。最低賃金の引き上げは、働く人の生活を守るために大切ですが、中小企業には人件費の負担が増えます。賃上げを続けるには、その原資となる利益を確保できる環境が欠かせません。帝国データバンクが今年2月に行った調査では、県内企業の価格転嫁率は38.0%で、全国の42.1%を下回っています。これは、コストが100円上がっても、価格に反映できているのは38円程度で、残りの6割以上を企業が負担していることになります。
また、県内の調査では、小規模企業ほど仕入れ価格の上昇に、販売価格の引上げが追いついていない状況も示されています。受託する立場にある企業や規模の小さな事業者など、自ら価格を決めにくい企業への支援は、引き続き重要であると考えます。
県では、生産性を高めるための補助や経営者への支援など、さまざまな取組みを進めています。大切なことは、制度を設けるだけでなく、その支援が実際に賃上げや経営改善につながったのか、どの取組みに効果があり、どこに課題が残ったのかを確認することです。最低賃金がさらに引き上げられる中、これまでの成果を検証し、価格転嫁が難しい企業や小規模事業者にも支援が届くよう、次の取組みに生かす必要があると考えます。
そこで知事に伺います。昨年答弁された価格転嫁の推進や生産性を高めるための補助、経営者への支援などについて、県はどのような成果があり、どのような課題が残ったと考えているのか。また、その結果を今後の取組みにどのように生かしていくのか、所見を伺います。
黒岩知事】中小企業が、賃上げの原資を確保していくためには、価格転嫁や生産性向上の取組が不可欠です。
価格転嫁の推進については、取引を「発注する側」の事業者が価格協議に適切に応ずるよう、国と連携して中小受託取引適正化法の説明会を開催するなど、関連制度の周知・啓発に取り組んでいます。今後は、思うように価格転嫁ができていない受注側の企業に対して、交渉のノウハウをプッシュ型で周知するなど、働きかけを更に強化していきます。
次に、生産性の向上については、令和6年度に生産性向上促進事業費補助金の交付を受けた事業者全体で、給与支給総額が約74億円増加しており、これまでの取組が賃上げにつながったと捉えています。また、商工会・商工会議所などの支援機関においては、経営分析やDX化などの経営者向けセミナーを実施しています。
県はこうした支援機関と連携し、中小企業の実情や要望に応じて、専門家派遣など経営改善に役立つ取組を行っていきます。引き続き、施策の効果を適時適切に検証しつつ、取組を着実に進め、県内企業の持続的な賃上げに向けた環境整備に取り組んでまいります。

