県では、今年度、子ども・子育てに関する施策に2,424億円を計上し様々な取組みを進めています。しかし、大切なのは予算を使い事業を実施するだけでなく、それが少子化対策全体としてどのような成果につながっているのかを確認することです。
今回、再質問では、各局にまたがる施策を「少子化対策」という視点で横断的に整理し、予算や成果、課題を一つの全体像として見える化するよう求めました。これに対し知事からは、経済、教育、就労など幅広い施策について、県民に分かりやすく見える化して取り組むとの答弁がありました。
令和9年の希望出生率1.18という目標に対し、現在は1.05です。今後、実際にどのような形で少子化対策の全体像が示され、これまでの取組みの検証が次の施策につながっていくのか、引き続き確認していきます。
石川】次に、少子化対策についてです。
令和7年、本県の合計特殊出生率は1.05と過去最低を更新しました。子どもの数が減ることは、将来の働き手だけでなく、地域の活力や経済、医療や福祉など、県民生活のさまざまな面に影響を与えます。少子化にどう歯止めをかけるのかは、本県の将来を考える上で重要な課題です。
県ではこれまで、「子どもを生むなら神奈川、子育てするなら神奈川」を掲げ、保育環境の充実や子育て支援、若い世代への就労支援、結婚支援など、様々な取組みを進めてきました。しかし、合計特殊出生率は低下を続けています。県は、来年、令和9年に希望出生率1.18という目標を掲げていますが、現在の1.05とは開きがあります。目標の達成に向けては、これまでの取組みが少子化対策全体として、どのような成果につながっているのかを検証することが重要です。
令和8年度当初予算では、子ども・子育てに関する施策だけでも約2,400億円が計上されています。少子化に関わる施策は複数の局にまたがり、それぞれ成果を検証していますが、1.18という県全体の目標に照らして、少子化対策全体を横断的に検証する姿は見えてきません。
東京都では、子育て支援だけでなく、教育、住宅、雇用など幅広い施策を少子化対策として整理し、全体像を示しています。自治体によって予算の考え方や事業の範囲が異なるため、予算額だけを単純に比較することはできません。しかし、本県でも、各局がそれぞれ進めている施策を少子化対策という視点で横断的に捉え、予算や成果、課題を一つの全体像として把握することが必要ではないでしょうか。
少子化は、一つの施策だけで解決できる問題ではありません。だからこそ、個々の施策をそれぞれ検証することに加え、1.18という県全体の目標に向けて、少子化対策全体を見渡し、施策と予算、その成果や課題を一体的に捉えることが大切ではないでしょうか。
そこで知事に伺います。県は、これまでの少子化対策について、予算も含め、その全体像と成果、課題をどのように把握し、検証しているのか。また、幅広い施策を少子化対策として横断的に把握する仕組みをどのように構築し、その結果を今後の取組みにどう反映していくのか、所見を伺います。
黒岩知事】県では、「子どもを生むなら神奈川、子育てするなら神奈川」を実現するため、令和8年度当初予算において、2,424億円を計上し、安心して妊娠・出産し、子どもを育てることができる環境づくりや、結婚を希望する方への支援などに取り組んでいます。
県民ニーズ調査では、「安心して子どもを生み育てられる環境が整っている」と感じる方の割合は徐々に増えており、こうした県民意識の変化も、少子化対策への成果を測る一つの指標と捉えています。
一方で、令和7年の合計特殊出生率は1.05で、10年連続で低下しており、まち・ひと・しごと総合戦略に位置付けた目標である「希望出生率1.18」に届いていない状況です。こうした出生率の低下は、個人の価値観の変化や出産育児の経済的負担への不安、コミュニティの希薄化など複合的な要因が考えられることから、県だけでなく、国や市町村とも連携し、あらゆる主体が一丸となって取り組む必要があります。
そこで県では、今後、県民の意識や社会経済の情勢、関連する取組の実施状況や指標の動きを、子ども・青少年みらい本部などで継続的に確認し、施策の改善につなげていきます。そして、結婚や子どもを持つことを望む若い世代の希望を叶えるために、オール県庁で幅広く取り組んでまいります。
石川】今回の代表質問を準備する中で、改めて県の少子化対策を確認させていただきました。県は人口ビジョン等で、令和9年に希望出生率1.18という目標を掲げています。しかし、個々の施策と、この1.18という県全体の目標とのつながりが必ずしも見えやすいものになっていません。そして、ご答弁では、担当局なども活用して、オール県庁で検討していくとのことでしたが、私が申し上げているのは、検討する場のことではなく、各局にまたがるこの施策に横串をさしていただいて、そして少子化対策として横断的に整理した上で、予算や成果、課題を一つの全体像として見える化してほしいということです。県として、こういう形で、少子化対策の全体像を整理し、そして示していく考えはないのか伺いたいと思います。
黒岩知事】県の少子化対策の見える化についてのお尋ねでありました。県は、まち・ひと・しごと総合戦略に「子どもを生むなら神奈川、子育てするなら神奈川」をキーワードに、結婚から育児まで切れ目ない支援を位置付けています。希望する人が希望する人数の子どもを持てるよう、結婚や出産以外にも、経済的な不安や教育、就労などの不安を取り除いていく様々な施策を、県民の皆様に分かりやすく見える化して、しっかりと取り組んでまいります。
石川】県は来年、令和9年に希望出生率1.18という具体的な目標を掲げています。大切なことは、この目標に向けてこれまでの取組をどう生かしていくのか、ということだと思います。現在は1.05で、1.18という目標とはまだ開きがあります。この現実をしっかりと受け止めていただいて、この開きを縮めていくためにこれまでの取組を改めて検証し、何が足りないのかを県全体で考えていくことが重要だと考えます。そして、各局にまたがる取組を「少子化対策」という視点で捉え、その検証をこれからの取り組みに生かしていただいて、そして、一つの局、一つの施策だけで解決できる問題ではありませんので、来年度の1.18という目標をしっかりと見据えて、県全体で少子化という大きな課題に向き合って、より実効性のある対策を進めていただくことを求めておきます。

