人口減少が進めば、これまで市町村だけで担ってきた行政サービスの中にも人材や財源の面から維持が難しくなるものが出てくると考えます(実際に市町から要望を頂戴しています)。これからは県が市町村の間に入り、専門人材や技術を生かして支える役割がこれまで以上に重要になります。知事からは、県が「進行役」となって市町村の広域連携を進め、土木分野で始めた取組みを他の分野や地域にも広げていくとの答弁がありました。今後、具体的にどの分野で県の役割を広げ、市町村をどう支えていくのかその取組みを引き続き確認してまいります。
石川】はじめに、人口減少社会における広域自治体としての県の役割についてです。今年5月に公表された国勢調査速報では、本県の人口は調査開始以来、初めて減少に転じました。出生率も低下しており、人口減少への対応は本県にとって待ったなしの課題となっています。少子高齢化に加え、物価高騰や国際情勢の変化、激甚化・頻発化する自然災害など、私たちを取り巻く環境も大きく変わっています。こうした中、一つの市町村だけでは解決できない課題が増えており、県に求められる役割はこれまで以上に大きくなっていると考えます。
県はこれまで、広域防災や救急医療、交通基盤の整備、企業誘致、観光振興など、市町村の枠を超えた仕事を担ってきました。人口減少が進むこれからは、市町村だけですべての行政サービスを維持していくことが難しくなる分野も出てくると考えます。実際に県内の自治体からは、県と市町村がそれぞれの役割を生かし、これまで以上に連携を深めていく必要があるとの声も伺っています。特に、土木や建築、防災など専門的な職員の確保は、多くの自治体で共通の課題となっており、県が専門的な人材や技術を生かして市町村を支えてほしいという要望も寄せられています。
人口減少が進めば、財政や人材はさらに限られていきます。こうした時代には、県と市町村がそれぞれの強みを生かし、連携していくことがこれまで以上に大切であると考えます。県民サービスを将来にわたって守るためには、市町村だけでは対応できない課題を県が広い視点で支えることが求められます。また、その役割や必要性を県民の皆さんに分かりやすく伝えていくことも大切ではないでしょうか。
そこで知事に伺います。将来にわたって県民サービスを維持・充実させていくため、人口減少が見込まれる中、市町村だけでは対応が難しい課題に対し、県はどのような役割を担っていくのか、所見を伺います。
黒岩知事】県ではこれまで、令和元年の台風被害での消防部隊の派遣、コロナ禍での数多くの入院・搬送等において、調整役となるなど、個々の市町村では対応が難しい課題に対し、広域的な総合調整機能を発揮してきました。
また、地域の活性化という側面でも、例えば、観光の核づくり3地域の「点」での成果を「面」へと広げるため、周辺地域を加えた観光連携エリアを形成し、市町村をはじめとする地域の主体的な取組を支援しています。
一方で、ますます複雑・多様化する行政課題に的確に対応するには、県から市町村への直接支援だけでなく、市町村同士が方向性を共有し、一緒になって取り組む「広域連携」を、さらに進めることが重要ですので、県は、その「進行役」として市町村をコーディネートする取組も、強化していきます。
具体的な取組の1つとして、土木分野での人材確保や事務の見直しについて、今年3月に県西地域で県と市町村による実務者会議を設置し、現場感覚に根差した検討を進めています。具体的な対応策等の検討結果は、県西地域以外の市町村にも、広く情報提供していきます。
今後、こうした取組を積み重ね、他の業務分野や地域にも広げていくことで、県は広域自治体としての役割をしっかりと果たしてまいります。

