『聞こえた?モンスターの声。それに、僕のおじさんやレッドポイズンの声』って、ホープ君が、みんなに聞いた。

『聞こえたよ、しっかり。ホープ君のお父さんやお母さんの声も』って、みんなが答える。

『真っ白いスズランの花園に、ホープ君のお父さんとお母さんの虹をかけさせなきゃ』って、僕が言うと

『うん、絶対に』って、みんな

『ってことは、黒い海をなんとかするってこと』って、リッちゃん

『いや、黒い海をなんとかするんじゃなくて、このスクリーンの国を、なんとかしなきゃいけないんだ。そうしないと、いつまでも、この国だけが雨は降り続くし、海も、このままだと思う』って、僕

『このスクリーンの国をなんとかするって、そんなことできる』って、アッちゃん

『難しいけれど、そうしないと、さっきのモンスターの声のように、真っ白いスズランの花園が、真っ赤なレッドプイズンの花園になってしまう。ってことは、この国から、第二のモンスターが生まれることになる。それも、今、静かに眠っている、モンスターよりも、強力なモンスターが、生まれる可能性ある。それだけは、何とか止めなくては』って、僕

『この国のリーダーを、なんとか、いや、無理だよな。それに一度リーダーになって、一つの国を私物化して、全権を握ってしまっているだから、始末が悪い。そういう権力をやすやすと、手放すとは思えないから』って、エナジーさん

『元ちゃんに、何か、いい考えがある』って、アッちゃん

『ううん、何もないんだけど、取りあえずは、この国の猫さんと犬さんに、コンタクトを取るところからは、初めていこうかな』って、僕が言うと

『なんか、心細い』って、愛ちゃんが

『ここの国、猫や犬も、自由じゃないんだよね』って、リッちゃん

『そうそう、テレビで見たことあった』って、アッちゃん

『誰か、ネットワークを持っている、猫さんか犬さんを捜さなきゃ』って、僕

『そういうことなら、僕に任せて。みんなが、地上に戻ってくるまでには、捜しておくから』って、サブちゃん

『良かった、お願い』って、それはサブちゃんに頼む

『雨と海を、何とかしなくては』って、僕が言うと

『地球にお願いするの』って、愛ちゃん

『雨で、土砂崩れだ』って、隊長さんが、スクリーンを食い入るように見ながら

『この国には、隠れたモンスターがいるのかな』って、僕の口から何気なく出た。


         つづく





























『元ちゃん、この黒い海、どうするの』って、リッちゃん

『この黒い海は、その国が変わらなければ、ずっとそのままだと思う』って、僕

『でも、それじゃ、その国の国民は、魚が食べられないよ』って、空君

『それに周りの国だって、困るでしょ』って、愛ちゃん

『多分、この国は、周りの国のことなんかは、考えていないよ。特に、こうなってしまったら、ほら見て』って、アッちゃんがスクリーンを指差しながら言った。

そこに映し出されているのは、自分たちの国に流れてきた黒い海水を、一生懸命に隣の国へ、押し流している様子が写されていた。

『どうして、こんなことをするの。押し流されてきた海水を、一生懸命に濾過している、隣の国の人たちは、何も言わずに黙々と作業をしているよ。真っ黒くなった魚や鳥をきれいにしているよ。なのに、あの国の人達は、恥ずかしくないのか』って、ホープ君が、許せないって怖い顔をして言った。

『ああ、この国のことは、僕もモニターを見て知っている。この国だよ、さっきのボタン騒動の国は。この国、自分達には、武器が揃っているから、何でも好き勝手に出来るんだって、かなり無茶苦茶なことを平気でするんだ。だから、周りから嫌われているんだ、そして、何か自分達に都合の悪いことがあると、強行な行動に出てくるんだ。この国広いから、人間も多いし、普通の国民には、あんまり自由がないんだ』って、エナジーさん

『じゃあ、国民が可哀相。だって、国が変わらないと、ここの人達、お魚を食べられないんでしょ。それに、ここだけ、雨も降っている』って、愛ちゃん

『元ちゃん、何見ているの』って、僕は、リッちゃんに聞かれた。

『ああ、見て、てっぺん、扉が無くなっているんだ。ちょっと気が付かなかったんだけれど、あの虹が消えたのと一緒に、扉も消えたような気がするんだ。もしかするとさ、ホープ君のお父さんとお母さんが、創った虹が地軸だったのかなって、思えてきて、それで、てっぺんを見ていたんだ』って、僕

『ほんとだ、扉が無い、虹も消えたし』って、アッちゃん

『父さんと母さんが、地軸だった』って、ホープ君

『ホープ君の両親が、地軸だった。そう言われてみれば、そうかもしれない、だから、ホープ君に地上のことを託したんだ。ホープ君のおじさんやレッドポイズンは、そのことを知っていたのかもしれないね。ずっと、その時を待っていたのかもしれない』って、隊長さん

その時、黒い海が写されているスクリーンの、隣のスクリーンに、真っ白いスズランの花が、咲き誇っている花園が、写された。そして、どこからともなく

『この真っ白い花園を、真っ赤な花園にしないで』って、モンスターたちが言っているように聞こえてきた。


          つづく






みんなが上を向いて、僕の姿を見て

『元ちゃんの手も足も、元に戻っている』って、言おうとした瞬間、僕らは、虹の光の中を通って、スクリーンに囲まれているところに戻ったんだ。その時の様子を話すと、ホープ君の掌から、お父さんとお母さんの魂の石が、コロコロって落ちて、虹の光の輪が出来たんだ。ホープ君は、掌から落ちた、お父さんとお母さんの、魂の石を拾おうとしたんだけれど、上手く拾い上げることが出来なくて、

『父さん、母さん、なんで拾えないんだよ』って、ホープ君が石に向かって、叫んだんだけれど、二つの石は、何も言ってはくれなかったんだけれど

『ホープ、早く、皆さんと行きなさい』って言うように、ホープ君にも、僕らにも聞こえた。そして、二つの石は、ただただ美しく虹の光の輪を、創りだしていた。なんだか、虹の光の輪は、地軸のような感じがした、ああ、それは、本当に地軸だったんだ。

ホープ君は、拾えない二つの石に向かって、

『父さん、母さん、さようなら、本当にさようなら』って言いながら、僕らと一緒に、虹の輪の中に、きっと、ホープ君だけは、お父さんとお母さんに、抱かれているような感じだったと思う。

僕らが、虹の輪の中に、あっ、地軸の中にいたのは、ほんの僅かな『あっ』って言う間もなかった。虹の輪の地軸は、僕らをスクリーンのところまで連れて来ると、消えてしまった。

そして、僕らは、サブちゃんが天使君から、聞いていることをここのスクリーンで見ている。

『サブちゃん、水浸しになっていた公園が、きれいになってよかったね』って、愛ちゃんが言うと

『えっ、まだ、水浸しのままだよ。きれいになるには、まだ時間がかかりそうだよ』って、答えが返って来た。

『でも、ここのスクリーンでは、ねぇ』って、愛ちゃん

『きっと、ここに映し出されている映像が、地上の未来だ。サブちゃん、未来は明るいよ』って、空君

『空君、明るいかも、今ね、地上にはきれいな虹は』って、サブちゃん

『父さんと母さんだ』って、ホープ君

『明るい未来のスクリーンと、こっちのスクリーンは、まだしばらくは、明るい未来は来そうにない。でも、見捨てられたわけではないから』って、僕

『この原油の黒い海は、これから、どうしようとしているの』って、アッちゃん

『まるで、油田が自分たちのものだって言った国へ向っているようだ』って、隊長さん

『この国は、どうして孤立しているの、なんで他の国の人達と、協力し合わないんだろう』って、リッちゃん

『きっと、取られてしまうって思っているんだ。せっかくの資源だから、よその国へは、あげないって、今はそんなこと言っている場合じゃないのに、この国の人達は、気が付かないんだ』って、アッちゃん

『だから、ここだけが、黒い海のままなんだ』って、リッちゃん

   

           つづく