『元ちゃん、この黒い海、どうするの』って、リッちゃん

『この黒い海は、その国が変わらなければ、ずっとそのままだと思う』って、僕

『でも、それじゃ、その国の国民は、魚が食べられないよ』って、空君

『それに周りの国だって、困るでしょ』って、愛ちゃん

『多分、この国は、周りの国のことなんかは、考えていないよ。特に、こうなってしまったら、ほら見て』って、アッちゃんがスクリーンを指差しながら言った。

そこに映し出されているのは、自分たちの国に流れてきた黒い海水を、一生懸命に隣の国へ、押し流している様子が写されていた。

『どうして、こんなことをするの。押し流されてきた海水を、一生懸命に濾過している、隣の国の人たちは、何も言わずに黙々と作業をしているよ。真っ黒くなった魚や鳥をきれいにしているよ。なのに、あの国の人達は、恥ずかしくないのか』って、ホープ君が、許せないって怖い顔をして言った。

『ああ、この国のことは、僕もモニターを見て知っている。この国だよ、さっきのボタン騒動の国は。この国、自分達には、武器が揃っているから、何でも好き勝手に出来るんだって、かなり無茶苦茶なことを平気でするんだ。だから、周りから嫌われているんだ、そして、何か自分達に都合の悪いことがあると、強行な行動に出てくるんだ。この国広いから、人間も多いし、普通の国民には、あんまり自由がないんだ』って、エナジーさん

『じゃあ、国民が可哀相。だって、国が変わらないと、ここの人達、お魚を食べられないんでしょ。それに、ここだけ、雨も降っている』って、愛ちゃん

『元ちゃん、何見ているの』って、僕は、リッちゃんに聞かれた。

『ああ、見て、てっぺん、扉が無くなっているんだ。ちょっと気が付かなかったんだけれど、あの虹が消えたのと一緒に、扉も消えたような気がするんだ。もしかするとさ、ホープ君のお父さんとお母さんが、創った虹が地軸だったのかなって、思えてきて、それで、てっぺんを見ていたんだ』って、僕

『ほんとだ、扉が無い、虹も消えたし』って、アッちゃん

『父さんと母さんが、地軸だった』って、ホープ君

『ホープ君の両親が、地軸だった。そう言われてみれば、そうかもしれない、だから、ホープ君に地上のことを託したんだ。ホープ君のおじさんやレッドポイズンは、そのことを知っていたのかもしれないね。ずっと、その時を待っていたのかもしれない』って、隊長さん

その時、黒い海が写されているスクリーンの、隣のスクリーンに、真っ白いスズランの花が、咲き誇っている花園が、写された。そして、どこからともなく

『この真っ白い花園を、真っ赤な花園にしないで』って、モンスターたちが言っているように聞こえてきた。


          つづく