僕らは、ガーディアンさんたちの基地に戻る途中に、白いスズランの花園によることにした。

『本当は、完全に地軸が戻ったから、安心して休んでって、モンスター達に伝えたかった』って、僕が言うと

『仕方がないよ。モンスターだって、きっと気が付かなかったんだから、あの国のことは』って、アッちゃん

『私は、心の底で、みんな同じ地球人だって思っていたんだ。多分、あの国も、この状態になったら、そう思うだろうって、少し甘かった』って、隊長さん

そんな話をしていると、すぐにモンスターたちが、眠る白い花園に着いた。

僕は、何て話すといいかなって、考えていたら、

『あの国のモンスターのことは、知らなかった。ここに集まったモンスターで、全てだと思っていた』って、ホープ君のおじさんの声

『おじさんたち、知らなかったの』って、ホープ君

『誰も、知らなかった。おそらく、ホープの父さんも母さんも、知らなかったと思う』って、おじさん

『じゃ、レッドポイズンも』って、僕が聞くと

『知らなかった、あの国は、閉ざされた国だから、私たちは、人間が自分たちの心の中に創ったものだから、あの国と、接触のある国がないのだから、当然人間同士も接触がないということになる、そうするとモンスター同士の接触もない。なので、あの国のモンスターは、私たちの仲間じゃない。私たちは、人間の心から抜け出して、いつか静かに眠りに付くことを望んでた。そして、その眠りを運んでくる使者を待っていた、お前たちを。私たちは、お前たちに知ってほしかった、人間の醜い心の中を、そのためには、いくらかの戦いは必要だと思った。でも、あの国のモンスター達は、眠りを望んではいない、だから戦うしかないだろう。そして、お前たちには、勝ってほしい、そうでないと私は、眠りに付いた仲間たちを起こして、戦わなければならなくなる。そんなことになったら、せっかく、お前たちが、元に戻した地軸がずれるどころか、折れてしまうかもしれない』って、レッドポイズンが

『折れてしまうってことは、二つの青い地球と赤い地球は、宇宙の藻屑になってしまうってこと』って、僕が聞いた。

僕の質問には、誰も答えてはくれず、それが答えに。

『愛ちゃんが、そんなことさせない』って、言うと

『チビ、頑張れ』って、眠りに付いていたモンスターたちの声が、わーって聞こえてきた。

僕らは、その声を背にガーディアンさんたちの基地へ


        つづく



僕らは、スクリーンに覆われているここから、ガーディアンさんたちの基地に帰ることにした。

愛ちゃんの、僕とリッちゃんとアッちゃんが、飛べるのっていうのは、ちゃんと元どうりに飛べるようになっていた。

ここを出る前に、ホープ君が

『ここは、このままなのかな』って、

『多分、永遠に、このままだと思うよ。ここでは、誰も見ることのない映像が、ずっと映し出されているんだと思う。楽しいこと悲しいこと、良いこと悪いこと、平和に戦争、四季折々の世界中の流れも、全てがそのまま映し出されていくんだと思う。そして、その映像を、ここで誰も見たりしないことが、地球にとっても、地上に住む生き物にとっても、幸せなことなんだ』って、僕が言うと

『うん、そうだな。このスクリーンを、誰かが見るときは、地球が、二つの地球が危ない時だから』って、隊長さん

『戻る時に見る映像が、明るい未来の映像だけだといいな』って、空君

『この一枚のスクリーンにも、明るい未来が映るように頑張ろう』って、僕

『誰も見ることがなくても、ね』って、エナジーさん

『この人達に、目覚めてもらうんでしょ』って、愛ちゃん

『そう、そして、お腹いっぱい、ご飯を食べてもらおう』って、リッちゃん

『この国の、犬と猫といろんな生き物にも』って、アッちゃん

ホープ君を見ると、地面にしっかりと手をつけて、そして頬をつけた。みんなが、見ていることに気が付くと、少し照れくさそうな顔をして

『父さんと母さんの石が、虹になって消えてしまったから、お別れをね』って、

『さあ、帰ろう。僕らは、二度と来ないよ』って、僕は、多分、地球に向かって言ったんだ、そうしたら、地球が僕に、『二度と来ちゃいけない』って言ったような、フフフ

僕らは、アッちゃんとリッちゃんの背中に乗って、スクリーンのてっぺんを目指して飛んだ。ここに来る時よりも、少しだけ早く進んでいるような気がした。それは、きっと、あの一枚のスクリーン以外の映像が、明るい未来を映していたからかもしれない。

そして、少しでも早く、あの国に明るい未来を、そして、あの国のモンスターを白いスズランの花園に連れて行き、深い眠りにつかせなくてはって。

スクリーンに一枚に、サブちゃんたちの住む公園が映っていた。そこには、夢ちゃんの周りを、こって、こって、こけながら嬉しそうに歩いている、赤ちゃん猫さんが

『平和って、いいね』って、聞こえてきそうだ。



            つづく


 


『元ちゃん、隠れたモンスターがいるって、おかしいよ。だって、世界中のモンスターが、あの白いスズランの花園で、深い眠りについているんじゃないの』って、リッちゃんが

『そうだけど、この国は、閉ざされているから、パワーモンスターのレッドポイズンにも、把握できていなかったのかもしれない』って、僕

『そんなこと、ありえるのかな。まあ、この国は、謎の多い国だから、仮にそうだったとしても、不思議じゃないのか』って、隊長さん、スクリーンから、目を離さない。

『モンスターは、元々人間が人間の心の中に創りだしたものだから、新たにモンスターが生まれたってこともあるか』って、僕

『じゃあ、これからなの、モンスターとの戦いって』って、空君

『そうなるの?よく考えたら、僕ら、モンスターと戦った感じないものね。ゲーム機の時みたいな戦いしてないもの。ほとんど話し合いだったから』って、アッちゃん

『父さんたち、悲しむんだろうな、本当に、新しいモンスターが生まれているとしたら』って、ホープ君が苦しそうに言った。

『この国以外のところは、雨もすっかり止んで、自然に水が流れている。なんか、あの嵐のような雨が、嘘みたい』って、愛ちゃん

『この国にも、早くそんなときを戻してあげなくちゃ』って、僕が言うと

『でも、地球が許すのかな。だって、どんどん酷くなっているよ、雨も海だってどんどん黒い油が流れ出ている』って、アッちゃん

『許してもらわなきゃ、そうしないと、この国の罪もない国民が、亡くなっていくことになる。ただ、この国に生まれたっていうだけで、そんなことがあって良い訳がない。そうだろう、元ちゃん』って、隊長さんが強張った顔で、握り拳を作っている、その両の掌には、思い切り爪が食い込んでいそうだ。

『そうですね。国民には、罪はないです。でも、僕、この国の国民の人たちにも、立ち上がってもらいたい。現実を直視してもらいたいです。そうしないと、同じことの繰り返しで、この国からモンスターは消えないです』って、僕

『国民の目覚めか』って、ストーンさんの声が

『ストーンさん?』、『ストーン』って、僕らが言うと

『少し前から、そっちの様子が、こっちのモニターに映り始めたんだ』って、ストーンさん

『地上の様子もね』って、エンジェルさん

『あの国は、あの国のおそらくモンスターは、完璧に国民をマインドコントロールしている。簡単に目覚めない。食べるものが、手に入らなくて餓死することがあっても、目覚めないと思う。モンスターを倒さないかぎりは』って、ストーンさん

『でも、あの国に一箇所だけ、あの国じゃないようなところがあるんだ。この大雨になってから、分かったんだけれど、その一箇所だけ雨が止んでいるんだ。それで、そこには、モンスターが近づけない』って、メカニックさん

『そこには、誰か住んでいるの』って、僕が聞くと

『はっきり分からないんだけれど、幾つかの生命体の動きはあるんだけれど、はっきり映らないんだ』って、メカニックさん

『ガーディアンさんたちの基地に、一度戻ろう』って、僕

『でも、元ちゃん、アッちゃんもリッちゃんも、飛べないんでしょ』って、愛ちゃん

『多分、今度は、飛べると思うよ』って、リッちゃん


       つづく