『王子様』、このことを聞き始めると、何だかかすごく時間が掛かりそうな気がしたので、自分で聞いといて、みんなも聞きたそうになったのは、分かったんだけれど、そのことは、この国のことを聞いてからってことで、みんなには、了解してもらった。

そうなると、もう、みんなは

『この国を、支配している人達のことは、知っている』って、ホープ君

『この国は、どこの国ともお友達じゃないの』って、愛ちゃん

『どうして、この国には、食べ物がないの。赤い地球人さんたちは、食べ物はあるの』って、空君

『何故、あなた方は、この国の人達から、隔離されているのです。もしかしたら、その逆もあって、あなた方が、この国の人達と接触しないのかも知れないけれど』って、隊長さんが聞きづらそうに聞いた。

『あなた方が、青い地球にいることを、赤い地球の人たちは知っているのですか。正直言って、私とエンジェルは、赤い地球のガーディアンですが、あなた方のことを、少し前に知ったのです。その赤い地球人だってことを』って、ストーンさん

『いつから、青い地球にいるのですか。この国のことで知っていることがあったら、全て教えてください』って、エンジェルさん

『猫さんと犬さんは、ずっと人間の言葉が話せるの。そして、どうして、僕らのネットワークに入ってきたの。ああ、入ってきてくれて、すごく嬉しいって思っているんだけれど。そして、ここのエリアっていうか、ここにバリアを張ったのは、誰ですか。この国の人達は、このバリアがあるから、ここには近づかない、そうですよね。僕らは、何の問題もなく、入ることが出来たけれど。それって、僕らが入れたっていうよりも、入れてもらったのかな』って、僕

みんな、勝手に色々と聞いたので、赤い地球のお父さんもお母さんも、ちょっと戸惑っている。

『お父さん、僕と犬が知っていること、この人たちに話していい』って、猫さんが

『そうだね、きっと一番、知りたいことだと思うから、それがいいだろう』って、お父さんがいうと、赤い毛の猫さんと犬さんは、『うん』って、顔をして、

『あのね、僕と犬は、時々、バリアの外に出て、この国の中を、調べているんだ。本当は、お父さんがバリアの外に、行きたいんだよね』って、猫さん

『そうなんだが、見知らぬ人間が、うろつくには危険すぎるんだ、この国は、なので猫と犬に、私の代わりに、いろんな場所を見て来てもらっているんだ』って、お父さんが

『そう、猫や犬だと、誰も気にする人はいないから』って、犬さん

『でも、赤い毛は、目立つでしょ』って、リッちゃん

『ちょっとだけは、変装するんだけどね』って、犬さん

猫と犬の変装って、どんな?って、僕は思った


            つづく



僕らは、あまりに悲惨な人達を見て、気を取り戻すのに少し時間がかかった。そして、誰からというわけでもなく、それぞれが

『行こう、赤い地球の人たちの所へ、きっと、何か知っているよ。この人達を、助けなきゃ』って、

『行くよ』って、僕が言うと

『そうしよう、もう少し、頑張って』って、誰も聞いてはいないってことは、みんな知ってはいるんだけれど、思わず口から出てきた言葉を残して、赤い地球人さんたちの元へ向う。

この国の人達のことは、寄せ付けなかった赤い地球人たちが、住んでいるところに僕らは、何の抵抗もなくスムーズに入ることが出来た。そこでは、僕らのことを、赤い毛をした猫さんと赤い毛をした犬さんから聞いた、赤い地球人の親子が一緒に出迎えてくれた。

『本当に天界から、来た猫さんたちなのね。男の子が二人』って、赤い毛をした猫さんが、第一声を

『本当だったんだ。猫や犬の言うことが正直、信じられなかったんだけれど、ここにこうして、入って来ることが出来たんだから、間違いなく天界から、来たんだ。そして、男の子が二人』って、男の人が言った。

『初めて、ここに人や、猫や犬と違う猫さんや犬さんが、そして、女の子に男の子が二人、お父さん、お母さん』って、女の子が

『そうよね、男の子が二人、どっちなのかしら』って、女の人が

『こんなに大勢で来るとは、犬が二頭もいる。そして、男の子が二人』って、犬さん

僕らは、一通り赤い地球人さんたちの言うことを聞いてから、お互いの簡単な自己紹介をしあった。

赤い地球人の、男の人は、お父さんでお父さんって呼ばれていって、女の人は、お母さんでお母さんって呼ばれているんだって、その名前がないんだって。名前があるのは、女の子だけで彼女の名前は、『フューチャー』って言って、年はずっと眠っていたので分からないんだって。でも、見た目は、愛ちゃんや空君よりも年上で、ホープ君よりは、年下のような感じだと思う。それから、僕らは、ここに来るまで、赤い毛をしているのは猫さんだけだと思っていたんだけれど、猫さんも犬さんも毛が赤かったんだ。そして、二人の名前は、そのまま猫と犬なんだ。

赤い地球人さんたちの、第一声の中の男の子が二人って言うのが、気になったので

『あの、男の子が二人って、みんな言っていたけれど、空君とホープ君のことで、何かあるんですか』って、僕らが聞くと

『王子様』って、少しハニカミながら、そして嬉しそうに、フューチャーちゃんが

『王子様』って、僕らは言いながら、空君とホープ君を見たし、空君とホープ君はお互いを見合った。


         つづく




僕らは、初め真っすぐに赤い猫さんたちの所に、行くつもりでいたんだけれど、急きょ予定を変えて、あの国を空から、見てみることにした。

その上から見る、得体のしれないモンスターのいる国は、悲惨この上ないものに、僕らには見えた。ただ、心の中にモンスターを育ててしまった国の偉い人達に、完全にマインドコントロールされている国民は、自分たちがおかれている境遇は、回りの国のせいだって、思っているみたいだ。

だって、そうじゃなきゃ、雨で家が流されたり、ずっと雨が降り続いているから、食べ物も手に入らなくても、多くの人達が亡くなっていても、国の偉い人達だけが、立派な建物の中で、ご飯をいっぱい食べていて、国民に何もしてくれなくても、騒いだりしないんだ。それどころか、偉い人達が無事でいるのかを心配している。

『この国は、狂っている』って、隊長さんが、流されてくる黒い海水を、隣の国へ一生懸命に、手作業で押し流している人達を見ながら言った。

『小さい子供も、一生懸命に黒い油の浮いている海水を、あんなことしても駄目なのに』って、空君が悲しそうに言った。

『みんな、ガリガリに痩せている。愛ちゃん、あんな風に痩せている人を見ると、胸が痛くなってくる。愛ちゃんも、あんな風に痩せていたんだ。きっと、あの子達、見た目には、4、5歳にしか見えないけれど、もっと年上だよ、愛ちゃんには分かる』って、愛ちゃんは、言い切った。多分そうだろって、僕も思った。

『ああ、あの女の人が、おんぶしている赤ちゃん、なんかぐったりしている。まるで、死んでいるみたいに見える』って、ホープ君

『消えている、蝋燭の炎が、何か訴えている見たいに見える』って、アッちゃん

『地軸の中で見た映像よりも、悲惨だよ』って、リッちゃん

『地球は、この人達をどうしようとしているんだ』って、ストーンさん

『いくらマインドコントロールされているといっても、赤ちゃんが餓死してしまうようなことに、黙っている人達っておかしい』って、エンジェルさん

『隊長さんの言うとおり、この国は、狂っているのかも。赤い地球の人たちや猫さんや犬さんが、何か知っているといいな』って、僕は、あまりの悲惨さに力なく言った。


       つづく