僕は、死刑になった少年から、母猫さんが僕らのことをって言うか、天界から使者が来るって話を、聞いたことがあるっていうことにかなり驚いた。それは、僕だけじゃなくて、みんなも

『その死刑になった少年は、どうしてそんなことを話していたのかな』って、リッちゃん

『さぁ、あの少年は、時々かわったことを言っていたから、だから、死刑になんかなってしまったのよ。それに、猫と話ができたばっかりに』って、母猫さん

なんか、母猫さんから、いろいろと話が聞きたくなってきたけれど、ぐっとそれは堪えて、愛ちゃんと赤い毛の猫さんに

『愛ちゃん、猫さん、母猫さんたちのことは頼むね』って、僕が言うと、母猫さんが、もう一度、僕の方を見て

『幸せにしてくれるの。幸せになれるの、この子たち、生きていられるの』って、聞いていたので、

『生きているって、幸せを』って、僕が言うと、母猫さんは

『そうね、生きているって、幸せなのよね』って、

『生きているから、花。生きよう』って、隊長さん

そして、アッちゃんが

『僕が送って行って来るよ。すぐ戻るから』って、言うと

『愛ちゃんだけじゃ心配なの』って、愛ちゃんが言うと

『そうじゃなよ。赤ちゃんニャンコたちに、負担をかけたくないから、愛ちゃんのテレポーテーションは、きっと乱暴だから』って、笑いながら言うと

『確かに、それにそのほうが、愛ちゃんも赤ちゃんニャンコをしっかり抱いていられるから、いいんじゃないの』って、リッちゃんにそう言われると、

『まあね』って、愛ちゃんがニコニコしている。

『よし、行こう』って、アッちゃん

そして、アッちゃんは、僕にテレパシーで、

『母猫さん、もしかしたら、この国のこといろいろと知っていそうだね。僕の話しが聞けるようにしておいて』って、

『OKだよ、アッちゃん、すごい』って、僕が返事をする前に、リッちゃんがそう言った


        つづく








僕は、母猫さんと赤ちゃんニャンコたちを、愛ちゃんと赤い毛の猫さんに任せることに決めた。アッちゃんとリッちゃんからは、

『それが、良いと思うよ。凍りついた母猫さんの心を、溶かすことが出来るのは、愛ちゃんしかいない』って、テレパシーが。

そして、空君は、そんな僕らの考えが分かったらしく、

『愛ちゃん、気をつけてフューチャーちゃんの家に行くんだよ。赤ちゃんニャンコを落しちゃだめだよ。猫さん、宜しく』って言うと、僕らの方を見て、どうって顔をして見せた。

『でも、愛ちゃんと猫さんだけで、赤ちゃんニャンコたち連れて行けるかな』って、リッちゃんが言うと、

『大丈夫ですよ。母猫さんが、元気になったから』って、猫さん

とは言え、母猫さんは、目を閉じて耳を伏せたっきり、沈黙。

『母猫さん、これから誰も近づけないあの家に、行くよ。だから、赤ちゃんニャンコを一匹銜えてほしいの。愛ちゃんと赤い毛の猫さんも、一匹づつ連れて行くから、協力して。みんな、母猫さんたち親子を、助けたいの。ここに、このまま居たら、凍え死んじゃう。目をあけて、耳を立てて』って、愛ちゃん

『この猫さんたちは、天界から来たんだよ。国王の国の仲間じゃないんだよ』って、赤い毛の猫さん

『そうだうよ。もう、安心していいんだよ』って、赤い毛の犬さんも

『国王の仲間じゃない。あの誰も近づけない家は、国王の仲間じゃないのね』って、母猫さん

『あそこに住んでいるのは、戦いをしない赤い地球の親子』って、赤い毛の猫さん

『駄目だよ、猫。赤い地球なんて言っても、青い地球の生き物には分からない』って、赤い毛の犬さん

確かに、地球が二つあるなんて、青い地球の生き物は、人間であれ、猫であれ、犬であれ、その他もろもろは知らないんだから、赤い毛の犬さんの言ったことは間違っていない。地球云々のことは別にしても、僕らが、この国の生き物を、助けたいってことを、分かったもらわなくてはいけない。

『母猫さん、とにかく赤ちゃんニャンコたちの蝋燭の炎のことだけを、今は優先しようよ。この三つの炎を消しちゃいけない、だから、僕らのいうことを聞いて、愛ちゃんと赤い毛の猫さんと一緒に』って、僕が言うと、母猫さんは、きっと目を明けて、僕の目を見て

『天界からの猫、いつだったか死刑になった少年が、話していたのを聞いたことがある。いつか、天界から救いの使者たちが来て、この国の生き物を、幸せにしてくれるって。その使者なの』って、聞いてきた。


          つづく

隊長さんとストーンさんが、雨をしのげる軒下を見つけてくれて、二人が着ていた洋服で母猫さんと赤ちゃんニャンコのベッドを作ってくれた。そこで、みんなに囲まれてなかなか唇を舐めることのできなかった、愛ちゃんが抱いていた赤ちゃんニャンコも、お母さんのおっぱいから、直接ミルクを飲むことが出来るようになったので、少しづつ動きが活発になってきた。

空君とホープ君が抱いていた、赤ちゃんニャンコたちも、お母さんのベッドの中に置くと、自分たちでお母さんのおっぱいに、たくましいニャンコたちで良かった。

『愛ちゃんのニャンコさん、ブミブミしながらミルクを飲んでいる』って、愛ちゃん

『フー、これで猫のお母さんも赤ちゃんも、大丈夫だよ』って、僕

この猫の親子は、上手い具合に僕らが見つけることが出来たから、何とか助かったけれど、実際は亡くなってしまっている方が、大半なんだろうって思うと悲しい。でも、僕らは、後ろを振り返るのではなく、前を見なければ、前を見て一つでも多くの蝋燭の炎を守らなくては。

『あの私たちは、天国に来たんですか』って、母猫さんが僕らのことを見回して

『えっ』って、みんなして言うと

『天国じゃないんですか』って、とても不思議そうに聞き返した。

『ここは、猫さんの住んでいる町だよ』って、ホープ君が言うと

『そうですか』って、母猫さんは、がっかりしたように言ってから

『じゃあ、私は、夢を見ているんですね。それなら、このまま夢が覚めないうちに、赤ちゃんたちを連れて、天国に行かなくては』って言うと、ニャンコたちを前足て強く自分の体に引き寄せて、目を閉じてしまった。

『猫さん、もう心配することないんだよ。これから、天国じゃないけれど、安心出来るところに連れて行くから』って、赤い毛の猫さんが言うと

『この国に、安心できるところは、お城の中か、誰も近づけないあの家だけ』って、母猫さん

『その近づけない家に、案内しますよ』って、赤い毛の犬さん

母猫さんは、その言葉に驚いたように閉じていた目を明けて、

『あなたたちは、どこから来たの。恐ろしい国王の国から来た、悪魔』って、言った。

『母猫さん、国王は、この国の人間じゃないの』って、僕が聞くと

『私は、何も知りません』って言うと、今度は、目を閉じ、耳を伏せてしまった。

すると、愛ちゃんがみんなの顔を見て、愛ちゃんに任せてって、目で合図してきた。


        つづく