犬さんの吠えた鳴き声が、お城の中までとどいたらしい、お城の中の猫さんや犬さんんの、ざわつきが外に居る僕らにも伝わってきた。勿論、僕とリッちゃんと赤い毛の犬さんになんだけれど。

『中の猫さんや犬さんたちが、今の犬さんの一鳴きで、ざわついているみたいだよ。犬さん、落ち着くように伝えて』って、僕が言うと

『分かりました』って言って、又、一鳴きした。

どうにか、その犬さんの鳴き声で、中のみんなが、いくらか落ち着きを取り戻したように感じられた。それにしても、犬さんの一鳴きで、猫さんや犬さんたちは、かなり動揺したみたいだけれど、城の中で、何か起きているんじゃないのか、気になるな。

『ねぇ、犬さん、いつも、あんなに中のみんなは、外からの声に動揺したみたいにざわつくの』って、僕が聞くと

『いえ、こんなことは、初めてです。何かいやな予感が、何もなければいいんですが』って、犬さんは、困惑したような顔をした。

『いやな予感って、何?』って、空君が聞くと

『何がじゃなく、ただ、そんな感じなんでしょ』って、ホープ君が、犬さんのほうを見た。

『いええ、ここのところ、来ていなかったので、中の様子が全く分からないから』って言いながら、犬さんは、少し考え場がら、こんなふうに付け加えた。

『確かに、雨が降り続いている間は、赤い毛を染めたのが、雨でおちてしまうと目立ちすぎるから、出歩かなかったって言うのもあるんですが、一番は、一度接触を持った猫さんや犬さんと、二度と会うことが出来なかったから、そしてそのことを次に会った猫さんや犬さんに聞いても、教えてくれない。おそらく、私たちや他の餌をもらいに来る仲間たちに心配をかけたくなかったんだろうけれど。ああ、こんなことを言っていました、城の人間に誘われても、付いて来てはいけないって』

『それでも、付いて行っちゃう猫さんや犬さんは、いた』って、リッちゃん

『そうなんです。自分たちだけ良い思いをしているんだって、そんなふうに思ってしまう者もいたみたい』って、犬さん

『なんで、猫さんや犬さんを、そんなに城の中に集めているんだろう。何か理由があるはずだけれど』って、隊長さん

どんな理由だろう、僕の頭に浮かぶのは、何かの実験に使われてしまうか、食べてしまうか、この二つしか浮かばなかった。実験っていうのは、よく聞くから、食べてしまうっていうのは、なんかテレビで見た、聞いたことがあるような、今もそんなことしているところが、あるのかどうかは、分からないけれど。

『逃げ出した猫さんか犬さんは、いないのかな』って、空君

『難しいのでは、そんなことがばれたら、他の猫さんや犬さんがどんな目に会うか』って、犬さん

『そうだけど・・・』って、空君


            つづく


『じゃあ、今も、この城の中にいる猫さんや犬さんには、元ちゃんやリッちゃん、それに犬さんの臭いや、城の周りを歩き回っている私たちの足音や、話し声が聞こえているってことになる。ってことは、もしかしたら、城の中から出てくる可能性があるってことかな』って、隊長さんが言った。

ただ、隊長さんの言ったことは、間違いではないんだけれど、においに関しては、ちょっとだけ違う。僕と空君には、もうにおいっていうものがない、そして、リッちゃんは、幽体離脱をしているので、おそらくにおいっていうのは、家に置いてきていると思う。そうそう、隊長さん自身も、幽体離脱しているから、においはしていないと思う。ホープ君は、基本的にガーディアンのストーンさんとエンジェルさんと同じだから、何もにおわないと思う。

『隊長さん、犬さん以外は、僕ら全員、においを出していないと思う。でも、話声は聞こえていると思うんだけれど。そうだ、今は、中に居る猫さんや犬さんには、じっとしていてもらわなくては、無理に危険なことはして欲しくないんだ』って、僕

『そうだよね、僕らは、テレポーテーションして、城の中に入ればいいんだから』って、リッちゃん

『うん、それに城から、猫さんや犬さんが出てくるときは、全員で脱出しなければ、それと、他にも救い出さなければいけない、動物や人間が居るかも知れないから、慎重にしなければ、大事な蝋燭の炎を無駄に消したくないから』って、僕

城の中に入る前に、中に居る猫さんや犬さんと話をしなければ、誰か僕やリッちゃんと話が出来るといいんだけれど。

『私が、中の犬さんに話しかけて見ます。中に猫さんや犬さんは、私や猫のことは知っているので、話しがしやすいと思うので』って、犬さん

『それは、言えているかも、みんな危険な綱渡りをしているんだから、神経質になっているから、僕やリッちゃんとすぐ話してくれるとは限らないから、犬さん、お願い』って、僕

犬さんは、任せてくださいって言う代わりに、お城の中に聞こえるように『ワ~ン』って、大きな声で吠えた。

『そんなに、城の中って、危険な感じなの』って、空君

『そんなふうに思いたくはないけれど、やっぱり』って、僕が言うと

『二度と同じ猫さんや犬さんが、出てこないから』って、リッちゃん

そうは思いたくはないけれど、僕の心の中では、もしかしてって言うのが大きくひろがって・・・。


          つづく


アッちゃんが母猫さんたちを、フューチャーちゃんの家までテレポーテーションして行ったあと、残った僕らは、赤い毛の犬さんの案内で、お城の周りを一周してみた。

『ないよ、入り口がないよ』って、空君

『僕も、ずっと探しながら周ったけれど、なかった』って、ホープ君

『でもさ、入り口がなって、じゃ、どこから入るんだ』って、リッちゃん

『多分、何かからくりがあるはずだ』って、隊長さん

『窓もなかった』って、ストーンさん

『ええ、一つもなかったわ、窓』って、エンジェルさん

『でも、どこかにあるんだと思うよ。だって、お城の中にいる猫さんや犬さんが、外の仲間に餌さを持って来てくれるって言っていたから、外からは分からないようになっているけれど、中からは入り口が分かるんじゃないのかな』って、僕

『かりに入り口が、中からは分かったとしても、みんな随分危険なことをして、外の仲間に餌を持ってきていたんだ。その猫さんや犬さんは、大丈夫なのかな。心配になって来るよ』って、隊長さん

隊長さんの言ったことは、みんな思っていたみたいで、アッちゃんが、最も気になったことを、赤い毛の犬さんに聞いた、それが

『ねぇ、犬さん、その餌をもって、外に出てくる猫さんとか犬さんって、毎回、同じ猫さんや犬さんなの』って、

みんな、犬さんの答えが、毎回、同じ猫さん、犬さんだよって、言って欲しいって、心の中で祈った。けど、答えは

『いや、それが、みなさんの願いどうりには、いかなくて毎回違う猫さん、犬さんだったらしい。私や猫が、話した猫さんや犬さんも、毎回違っていた。ただ、聞けなかった、前回会った猫さんや犬さんは、元気にしているかって聞くのが、正直怖くて。それと何故だか分からないけれど、そのことには、触れない約束が出来ていたみたい、私たちが目を覚ます、ずっと以前から、このお城が出来たころから』って、犬さん

『ふーん、そうなんだ。それじゃ、その猫さんや犬さんの身に・・・。ああ、いい、なんでもない』って、リッちゃん

みんな、リッちゃんの賛成したらしく、そのことには触れないことにした。

『ところで、犬さん、どうやって中の猫さんや犬さんたちは、外に仲間の猫さんや犬さんが来ていることを知ったの』って、エンジェルさん

その質問には、僕とリッちゃんが、犬さんより早くに

『鼻、耳、臭覚と聴覚』って、言うと

『そのとおりです』って、犬さん


        つづく