捨てればゴミ 使えば資源 -67ページ目

不発弾探し

私が小学生の頃、学校近くの工事現場で 不発弾 が発見された。
パワーショベルが不発弾に触れ、白煙が出たらしいのだ。
その情報はすぐ学校にも伝えられ、全児童は体育館に緊急避難をさせられた。
1時間ほど体育館にいただろうか。結局その日の授業は中止となり、下校という措置がとられた。
カバンなどの荷物は教室に置いたまま、上履きを履いての帰宅となったのである。

無事家に帰り着き、給食の代わりに母親の作った冷やしそうめんを食べた。
土曜日でもないのに午前中で学校が終わり、家でお昼ご飯を食べている。
それがなんとも不思議だった。すごく特別のような気がした。
もし爆発して学校が吹き飛んだらどうなるだろう?
ずっと休みになるかも!
なんかワクワクした。
その日の夕方のニュースで、そうならなかったことを知った。

新聞の夕刊にも取り上げられた。
「不発弾の恐怖!近くには学校も!」 多分そのような見出しだったろう。
大人たちは、戦後半世紀以上経っても残る戦争の爪跡 としてとらえた。
しかし、子供はそうは思わない。私もそう思わなかった。
「不発弾が見つかると学校が休みになる!」 そうとらえたのである。
いつの時代も子供はあほだ。そして不謹慎だ。

案の定、翌日の学校はその話題で持ちきりだった。
不発弾発見現場に近いGクンの家が、TVニュースで映っていた。
たったそれだけでGクンはヒーローになった。
TVにちょこっと家が映ったぐらいでヒーローである。私は考えた。
不発弾を見つければ、もっとヒーロ-になれる。
あほだ。しかし、あほなりに本気だった。
授業中、どうするか考えた。あほな頭で考えた。

そして作戦が出来上がった。
隊員は3名。私、近所の同じクラスのTちゃん、その弟のY。一人だと怖いからそう決めた。
場所は 近所にある公園内の古い井戸の周辺。理由は 昔からあるから。
昔からある ということは、きっと不発弾もそこにあるはずだからだ。
持ちものは スコップ 手袋 水筒 お菓子 そして不発弾を入れるビニール袋。

学校の帰り、Tちゃんに持ちかけた。快く快諾してくれた。弟のYも連れてくるそうだ。
どうやらその当時の子供は、みんなあほだったらしい。
家に着き、装備を整え公園へと急ぐ。TちゃんとYはもう到着していた。
さぁ、不発弾を掘るぞ!
持ってきた装備を取り出し、井戸の周りを掘り始めた。

しかし、石ころが多くなかなか掘ることが出来ない。悪戦苦闘しながら掘った。
周りは草ぼうぼう。やぶ蚊も多い。
「あ、そうだ!」
Y隊員が思い出したように声を上げた。装備が入っている袋をガサガサして、何かを探している。
「じゃんじゃじゃ~ん」
取り出したのは、アルミの包みだ。蚊取りマット と書いてある。それを1枚ずつ隊員に手渡した。
「蚊取り線香もってこようと思ったけど、火はつけちゃいけないからこれもってきたんだ。」
隊員たちは、片手に蚊取りマット、片手にスコップを持ち不発弾を掘った。




子供の頃とはいえ、自分のあほさ加減に恥ずかしくなったので、第1部 おわり。
第二部は・・・あるのか・・・?