暑っつ~!お盆最終日の本日(8/16)、大阪の最高気温は38度!あんまり暑うて釣りにも出られまへん、夜釣りのタチウオもまだハシリやし…こんな時はクーラーの効いた部屋で毛鉤でも巻いてるに限るッ(><)!

 



 前回記事で使っていた「ハエ毛鉤」を実際どういう風に巻いてるかご紹介、比較的簡単なこの「蛍」という銘の鉤を巻いてみます(^^)。

 



 ハエ毛鉤はこちらの記事で一度ご紹介しているのですが、この時は袖鉤を使って鉤のフトコロ部分をバイスに咥えるフライ方式で巻いていました。今回は、写真中央の海釣り用の鉤、流線型(5号)を地鉤に使って、鮎毛鉤と同様に鉤軸側を咥える方式で巻きます。

 写真左は鮎毛鉤に使う鉄針(長軸ハガネともいう)ですが、実はこれと同じような形状でカエシのある袖型の地鉤を使うのが本来のハエ毛鉤の巻き方なのです。でも、ハエ毛鉤って最早日本で2社ぐらいしか生産していないのでその地鉤は一般には流通しておらず、入手不可能なので長軸の流線鉤で代用するわけです、流線ってフトコロ部分だけ見たら狐鉤と同じ形ですしね(^^)。なお、右側はキス競技用鉤、これを使って巻くこともできます(^^)。



 まず、流線鉤のチモトをペンチなどで折り取ります。バリが出たらヤスリで取っておきます。

 



 これをバイスにこのように咥えて、巻き終わりの位置の見当をつけてシケイト(タイイングスレッド)を付け、ハリスをこんな風に添えて留めます。ハエ毛鉤のハリスは40㎝ぐらいが標準です。

 



 そのまま鉤の腰あたりまでハリスごと下巻きします。ハリスはわざわざ結ばなくてもこれで十分な強度で止まります。巻き始めの位置に先花(鮎毛鉤で言う先巻)の赤いアヒル染羽の羽枝を付けます。

 



 1.5㎜分ほど巻いて一度2~3回シケイトで巻いて留め、主巻にする黒アヒルを付けます。

 



 主巻を巻きます。流線鉤は太いので1本の羽枝では足りませんから、このように継ぎ足して巻いていきます。

 



 主巻を巻き終えて留めたところ。次に蓑毛を巻きます。

 



 蓑毛はミッジ用のこんな小さなコックネックです。私は東京に行ったついでに渋谷か池袋のSANSUIで買ってます。アキスコ製で20本ほど入って250円です。関西の方はAmazonでポチる方が早いですね。毛足が7㎜ぐらいのものを使います。

 



 こんな風に毛を逆立たせ、余分な毛を毟っておきます。



 西洋のフライは根元側を仕付けますが、和式毛鉤はこのように羽先側を仕付けます。



 ハックルプライヤーで掴んで捩れないよう蓑毛を巻き、シケイトで留めます。



 西洋毛鉤では巻き留めはウイップフィニッシャーやハーフヒッチャーを使って結びますが、和式毛鉤は向きが逆なのでウイップフィニッシャーは使えません。本来は指で大きな輪を作って毛鉤全体をくぐらせてハーフヒッチしますが、私はこうやって仕事針(畳針)の先に微量の瞬間接着剤を付けて擦り付けて接着しちゃいます。



 ハリスを後ろに大きく倒してニッパで軸を切ります。



 先玉を付けます。本来は漆ですが私は5分硬化タイプのエポキシ接着剤を使用。混錬した接着剤を仕事針の先端に付けて、先花の所にチョンと盛ります。



 15分ぐらい硬化させたらこのように金箔片を乗せて、小筆の先でクルンと巻きます。

 



 余分な金箔を払い落して小筆の先で磨くとこのようなツヤツヤの先玉の出来上がり。

 



 金玉を付けます。これも本来は漆ですが私は金ビーズの小サイズ(φ2㎜)を使います。このような治具に鉤を引っ掛けてビーズを通し、羊毛フェルト用のニードルを使って穴にUVレジンを充填します。私はレジンはこのようなアルミケースに入れてあって、ニードルの先でほんのちょっと掻き取ってビーズの穴に垂らします。



 ぷっくりと盛り上がる程度にレジンを盛るのがコツ。小鮎仕掛けのビーズもこうやって付けています。

 



 2分ぐらいUV照射して硬化させます。私はこういうマウスぐらいの大きさのLED照射器を使ってます。手芸屋さんで1000円ぐらいです。

 



 これで完成。全長1㎝、鮎毛鉤とほぼ同じぐらいです。

 前回持っていった鉤の中から数点紹介します。
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黄菜種

 

 単に菜種とか黄毛とも言いますが、鮎毛鉤の原型で元禄時代ぐらいからある最も古いタイプの毛鉤です。

時菜種

 

 主巻を赤と黒のツートンにしたもの。菜種の蓑毛は上のように1枚ものの羽根を巻いているのではなく、鮎毛鉤のように羽枝だけを縛りつけてある「伏せ蓑」です。

清姫

 

 ハエ毛鉤のド基本パターンで、最もよく釣れるとされる銘柄です。

血丸

 

 赤糸巻きの胴に背中に朱漆のシェルを乗せたもの、吸血して膨れた蚊のイミテーションです。なお、私は漆の代わりに光明丹を混ぜたエポ使ってます。

かげろう

 

 樺(オレンジ)と黒の定番パターンです。

音羽

 

 白黒のモノトーンパターン。

菊水

 

 音羽の黒いとこを赤にすると「菊水」です。

猩々

 

 赤一色のパターン、これも江戸時代からある古い毛鉤です。

灰孔雀

 

 ハエのイミテーションパターンです。
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 流線鉤には鮎毛鉤も巻けます。地鉤が太くて材料の仕付けがやりやすいですから、もし鮎毛鉤を巻いてみたい人は流線鉤で練習してみるのも良いと思います。

暗烏


赤熊中金


八ッ橋

 

新サキガケ


 ちょっとシャレでこんなんも。

にゃんこ鉤「茶トラ」


にゃんこ鉤「三毛」


にゃんこ鉤「青毛」


にゃんこ鉤「キジトラ」


にゃんこ鉤「ブチ」

 

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 これ、別にネコの毛で巻いてあるわけではありません(笑)。鮎毛鉤に使うこれらの羽根を巻いてみたらどんなになるかな~と思って巻いてみたらあら不思議、どれもネコの毛色そのまんまだったのです(笑)。左から金鶏で「茶トラ」、ヤマドリで「三毛」、鴨で「青毛」、黒染の雉で「キジトラ」、生毛の雉で「ブチ」になります(笑)。

 にゃんこ鉤は普通にアマゴ釣れそうですねぇ(笑)。しかしハエ毛鉤は鮎もハスも追ってくれませんでしたし、何に使たらエエのやら…って普通にハエ狙たらええのか(笑)。鮎シーズンが終わったらテンカラでハエと遊ぶのも楽しそうです(^^)。その前にこのクレイジーな暑さどないかならんのか~、釣り行かれへんやん~(T_T)。